オペル・ヴィータSwing(4AT)【試乗記】
『筋金入りのプロ』 2001.02.21 試乗記 オペル・ヴィータSwing(4AT) ……173.0万円 オペル・ヴィータの国内販売が、2001年2月1日から始まった。当面輸入される、1.4リッター+4段ATの5ドア「GLS」と3ドア「Swing」のうち、Swingに自動車ジャーナリスト森慶太が乗った。信用できる
先代ベクトラ以降、基本的にすべての日本仕様オペル車を試した経験からして、ここの会社の製品はフルチェンジすると必ず旧型比ガクッと一段(かもっと)よくなる。しかも、ほぼ全面的に。「旧型の、あの素晴らしい○○はナンだったの?」と思わすようなことがほとんどない。これはけっこう希有なことだ。
オペル車は何かが新しく出てくるたび確実に進化している。「今度はここをやってきたか」と確認できる箇所が必ずある。
車種や時期や、あるいは担当部署の違いによる出来不出来のバラつきがない。クルマのどこか一か所に突出してスゴい部分があったりはしないし、マニアを大喜びさせるようなクルマづくりも特にしていないが、しかし信用できる。なにより、筋金入りのプロである。
99%の人々に
今回のヴィータもまた同様、モデルチェンジで全面刷新。見て乗って納得。
特に各論でとりあげるべき点としては以下のごとし。
1.ブワブワしていた乗り味がパリッとした。
2.大味だった室内の品質感もパリッと向上。
3.トレッド拡大の効果もあってか、旧型のグラッとくる不安なロール挙動問題ほぼ解消。
4.「ショルダールーム80mm拡大」をまさに体感できる、室内の幅方向の余裕の大幅向上。
5.後席居住性充実度大幅アップ。天井こそ高かったが座席がちゃちだった旧型とは別モノ。
6.ちゃんと上げて使わないと違和感があり、したがって自然と安全度をアップさせる実に巧妙かつ親切な設計の後席用ヘッドレスト。
7.相変わらず同排気量の平均値より元気のいい、快活なエンジン。楽しく、かつ実用的。
さて結論。現在、内外問わずマーチ級実用車で私が自信をもってヒトに推薦できるクルマはプントELX かルーテシアかこれだ。後席を大人が使う機会の多いムキには、なかでもプントかヴィータ。そして、販売網その他のインフラを考えるとプントよりは断然ヴィータがイイ。
速い仕様が夏頃に入ってくるらしいが、とりあえず99% の人々には今ある仕様がベター、であると思われる。これまでの経験からして。
(文=森慶太/写真=河野敦樹/2001年2月)

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
日産エクストレイルNISMOアドバンストパッケージe-4ORCE(4WD)【試乗記】 2025.12.3 「日産エクストレイル」に追加設定された「NISMO」は、専用のアイテムでコーディネートしたスポーティーな内外装と、レース由来の技術を用いて磨きをかけたホットな走りがセリングポイント。モータースポーツ直系ブランドが手がけた走りの印象を報告する。
-
アウディA6アバントe-tronパフォーマンス(RWD)【試乗記】 2025.12.2 「アウディA6アバントe-tron」は最新の電気自動車専用プラットフォームに大容量の駆動用バッテリーを搭載し、700km超の航続可能距離をうたう新時代のステーションワゴンだ。300km余りをドライブし、最新の充電設備を利用した印象をリポートする。
-
ドゥカティXディアベルV4(6MT)【レビュー】 2025.12.1 ドゥカティから新型クルーザー「XディアベルV4」が登場。スーパースポーツ由来のV4エンジンを得たボローニャの“悪魔(DIAVEL)”は、いかなるマシンに仕上がっているのか? スポーティーで優雅でフレンドリーな、多面的な魅力をリポートする。
-
ランボルギーニ・テメラリオ(4WD/8AT)【試乗記】 2025.11.29 「ランボルギーニ・テメラリオ」に試乗。建て付けとしては「ウラカン」の後継ということになるが、アクセルを踏み込んでみれば、そういう枠組みを大きく超えた存在であることが即座に分かる。ランボルギーニが切り開いた未来は、これまで誰も見たことのない世界だ。
-
アルピーヌA110アニバーサリー/A110 GTS/A110 R70【試乗記】 2025.11.27 ライトウェイトスポーツカーの金字塔である「アルピーヌA110」の生産終了が発表された。残された時間が短ければ、台数(生産枠)も少ない。記事を読み終えた方は、金策に走るなり、奥方を説き伏せるなりと、速やかに行動していただければ幸いである。
-
NEW
レクサスLFAコンセプト
2025.12.5画像・写真トヨタ自動車が、BEVスポーツカーの新たなコンセプトモデル「レクサスLFAコンセプト」を世界初公開。2025年12月5日に開催された発表会での、展示車両の姿を写真で紹介する。 -
NEW
トヨタGR GT/GR GT3
2025.12.5画像・写真2025年12月5日、TOYOTA GAZOO Racingが開発を進める新型スーパースポーツモデル「GR GT」と、同モデルをベースとする競技用マシン「GR GT3」が世界初公開された。発表会場における展示車両の外装・内装を写真で紹介する。 -
NEW
バランスドエンジンってなにがスゴいの? ―誤解されがちな手組み&バランスどりの本当のメリット―
2025.12.5デイリーコラムハイパフォーマンスカーやスポーティーな限定車などの資料で時折目にする、「バランスどりされたエンジン」「手組みのエンジン」という文句。しかしアナタは、その利点を理解していますか? 誤解されがちなバランスドエンジンの、本当のメリットを解説する。 -
「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」の会場から
2025.12.4画像・写真ホンダ車用のカスタムパーツ「Modulo(モデューロ)」を手がけるホンダアクセスと、「無限」を展開するM-TECが、ホンダファン向けのイベント「Modulo 無限 THANKS DAY 2025」を開催。熱気に包まれた会場の様子を写真で紹介する。 -
「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」の会場より
2025.12.4画像・写真ソフト99コーポレーションが、完全招待制のオーナーミーティング「くるままていらいふ カーオーナーミーティングin芝公園」を初開催。会場には新旧50台の名車とクルマ愛にあふれたオーナーが集った。イベントの様子を写真で紹介する。 -
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション/CR-V e:HEV RSブラックエディション ホンダアクセス用品装着車
2025.12.4画像・写真まもなく日本でも発売される新型「ホンダCR-V」を、早くもホンダアクセスがコーディネート。彼らの手になる「Tough Premium(タフプレミアム)」のアクセサリー装着車を、ベースとなった上級グレード「RSブラックエディション」とともに写真で紹介する。


