アルファロメオ166 3.0 V6 24V スポルトロニック【ブリーフテスト】
アルファロメオ166 3.0 V6 24V スポルトロニック 2004.02.19 試乗記 ……600.0万円 総合評価……★★ アルファロメオの現行ラインナップの古株「166」。3リッターV6を積むアルファのフラッグシップを、『CG』編集局長の阪和明がテストした。煮詰めが甘い
流麗なカタチのボディが最大のチャームポイント。ワルター・デ・シルバの手がけたスタイリングは、他のブランドでは味わえない斬新さと上品さを合わせ持つ。眺めているだけで、豊かな気持ちにさせてくれること請け合いだ。
しかし、その中身は意外なほど凡庸である。エンジン、サスペンションの味付けは、600.0万円もする大人向けのアッパーミドルクラス・サルーンにしては、煮詰めの甘さが目立つ。なにより、“アルファの熱さ”をあまり感じられないのが残念だ。166はカタチとインテリアで選ぶクルマかもしれない。もしあなたが166に興味を持っているのなら、2003年秋にマイナーチェンジを受けて大幅に改善された、3.2リッターV6モデルが日本に来るまで待ったほうがいい。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1998年にデビューした「アルファ166」は、「164」の後を継ぐアルファロメオのフラッグシップ。全長×全幅×全高=4730×1815×1445mmのボディを持つ、4ドアサルーンである。日本へは1999年から、2.5リッターV6を積む「2.5 V6 24V スポルトロニック」と、3リッターV6の「3.0 V6 24V スポルトロニック」の右ハンドル仕様を導入。現在は、3リッターのみがラインナップされる。ちなみに、“スポルトロニック”とは、シーケンシャルモード付き4段ATのこと。
(グレード概要)
「3.0 V6 24V スポルトロニック」は、現在日本に正規輸入される唯一の166。フロントに横置きされるエンジンは、「アルファ6(セイ)」からのV6を3リッターに拡大したユニット。220ps/6300rpmの最高出力と、27.0kgm/5000rpmの最大トルクを発生する。トランスミッションは、シーケンシャルモード付き4段AT「スポルトロニック」のみ。
フラッグシップらしく、装備品は豊富。シートはレザーの電動調節式、ナビゲーションシステムやフルオートエアコン、CDチェンジャー付きオーディオなどを標準装備する。安全装備として、ABS+EBDはもちろん、車両安定性を高めるVDC、トラクションコントロールのASRやMSRなど、電子デバイスも多彩。「ライトグレー」のボディ色にのみ、ブラック内装が組み合わされる。他の7色はベージュ内装となる。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
基本的に、最近のアルファの流れを汲むデザインのインパネは、質感もスイッチ類のレイアウトも悪くない。見た目の質感の高さは「156」を凌ぐ。仔細に観察すると、パネルどうしの合わせ目や小物入れの蓋の締まり具合など、「アレレ?」と思う部分もあるが、組み付けの甘さも、ラテンのおおらかさというべきか。
オートエアコン、スライディングルーフをはじめ、装備は充分。スタビリティコントロールも付いて、ライバルにヒケをとることはない。カーナビもビルトインされるが、サイズが小さく、位置が下すぎるディスプレイが見にくい。そればかりか操作も芳しくなく、あまり使う気になれない。文字どおり、取って付けたような安易さが気になる。これなら、はじめからないほうがずっと割り切れる。
(前席)……★★
ドライバーの体型にもよるのだろうが、ドライビングポジションはかなり特異である。手の届きにくいレバーでステアリングホイールを上下・前後に動かし、パワーシートでいろいろ調整を試みるも、どうもしっくりこない。脚と腕がちょうどいい自然なポジションでは、頭が天井すれすれ。スライディングルーフ装着車であることもあり、髪の毛がつねに触っている状態になる。革シートのサイズとホールドが良好なだけに、あまりに惜しい。
(後席)……★★★
リアシートは広い。足元、膝まわりにゆとりがあるのは、アッパーミドルクラスの名に恥じない。ヘッドルームこそ狭いものの(というより166は天井が低いのだ)、シートバックが寝ているおかげで、運転席ほどは鬱陶しくない。けれど、シートの傾きのある背もたれがまた曲者で、長時間座り続けていると、徐々に体が前にずれてくる。短時間なら問題ないが。
フロアから伝わってくる振動はうまく抑えられているので、高速道路をひたすら走り続けるような状況において、166の特等席はここになる。
(荷室)……★★★
それほど深くはないが、幅、奥行きともに不足なく、使いやすい。このクラスのクルマとして、容量は標準的だ。リアシートのセンターアームレストの位置に貫通口が設けられており、スキーのような長尺物も積める。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★
ボンネットを開けると目を惹く、クロームメッキされた吸気パイプが美しいV6ユニットは、明らかに高回転を好む。まわせばもりもり力が湧いてくるタイプだ。3000rpmあたりからの音にしても、思わずニンマリしたくなる力強さがある。ところが、低回転ではいささかだらしない。車重1660kgに対して、低中速域のトルクが細すぎるのだ。加速したいときに、すぐに反応してくれないもどかしさがつきまとう。いまや古臭い4段ATもそれを助長していて、とても排気量が3リッターあるとは信じがたい場面もある。ストップ&ゴーの多い街なかの移動では、すこし哀しくなるほどだ。もちろん、ある程度スピードに乗れば問題はない。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
ロック・トゥ・ロックが2回転と少々、ということからも推測されたが、ステアリングは実用車としてはかなりクイックである。これを駆使して曲がりくねった道を飛ばしても、クルマはきわめて安定しており、かつ、素直でシャープなハンドリングである。さすがアルファ、やっぱりアルファといえるだろう。
街をゆっくりと移動するとバタつきがあり、ゴツゴツする乗り心地は、高級感を損ねている。が、そのいっぽうで、高速道路では一変する。100km/hを境に、あらあら不思議。じつにフラットで気持ちいい。高速クルージング中の166は見事なほどに快適になる。
(写真=清水健太)
【テストデータ】
報告者:阪和明(CG編集局長)
テスト日:2003年12月26日〜2004年1月7日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2003年型
テスト車の走行距離:2524km
タイヤ:(前)225/45ZR17(後)同じ
オプション装備:--
形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(6):高速道路(4)
テスト距離:368.7km
使用燃料:56.6リッター
参考燃費:6.5km/リッター

阪 和明
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