「パワステフルード交換は意味がない?」
2006.05.20 クルマ生活Q&A ガソリン・オイル「パワステフルード交換は意味がない?」
先日、2回目の車検の時にパワステフルードの交換を依頼したところ、パワステのポンプには下から抜くところがないからリザーバータンクだけ交換しても効果がないと言われましたが、この回答は正解なのでしょうか?
(愛知県OSさん)
お答えします。リザーバータンク内のフルードを交換するだけでも効果はあります。しかし、それを2、3回繰り返すことにより、よりよい効果が得られると思います。
パワーステアリングのフルードは、リザーバータンクから油圧を作るポンプに送られます。そこからステアリングの油圧をコントロールする中枢部に入り、リザーバータンクに戻されるという流れになっています。
よって、リザーバータンク内だけの交換ではすべてのフルードを交換することはできないのです。それでも1回の交換で、劣化したフルードの少なくとも半分は交換できますから、すべてリフレッシュされるとはいえないものの「効果がない」ことはありません。
しかしより効果的にするためには2回続けてフルード交換をしたほうがいいでしょう。1回フルードを入れ替えたら、ステアリングホイールを右左に大きく切ります。こうするとフルードが流れ、この後に再度交換することでポンプやチューブの中身も入れ替わります。厳密にはこれで全部が入れ替わるわけではありませんが、2回で十分だと思います。
その回答をした人がプロであれば、交換方法は知っているはずですので、知識として教えてくれたのではないでしょうか。上記のことを確認した上で、もう一度頼んでみてはいかがでしょうか?

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。