トヨタbB1.5 Z “Q version”(FF/4AT)【ブリーフテスト】
トヨタbB 1.5Z “Q version”(FF/4AT) 2006.03.15 試乗記 ……203万4900円 総合評価……★★ 「クルマ型Music Player」と銘打って登場した2代目「bB」。クルマ離れが進む若者にウケる新しいクルマとは?装備の充実したトップグレードに試乗した。
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trust it?
北米の若向きチャネル「サイオン」での販売を考慮せず、国内専用モデルとなった2代目「bB」。そのため、「ヴィッツ」などで使われるグローバル用から、エンジンルームの小さい「パッソ/ブーン」用プラットフォームをストレッチして使うことに。移ろいやすい若者気質へのリスクヘッヂか!?
先代と比較して、車体の長さを145mm短縮する一方、ホイールベースを40mm延長して室内空間を確保。小柄になった反面、外観のアクの強さは増大した。コンセプトからは意外なことに、四角いカタチゆえの実用性の高さを買って初代を購入した“大人の”ユーザーは、今回は敬遠せざるをえないだろう。
「走ることもできます」と開発陣が笑う「クルマ型Music Player」にして、「音・光・まったり」なニューbB。“over thirty”から若年ユーザーへの提案。Do you trust it?
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
初代 「ヴィッツ」の派生車種として2000年2月にデビュー。2005年12月に発売された現行2代目は、トヨタいわく「クルマ型Music Player」。3つの商品ポイントの「音」は9つのスピーカー、「光」はカップホルダーやドアトリムなど各所のイルミネーション、そして「まったり」はシートが下がって車外から見えない部分でくつろげる「マッタリモードシート」がそれぞれ担う。ベース車を「パッソ」あるいは姉妹車「ダイハツ・ブーン」とし、ダイハツで生産される。エンジンは1.3と1.5の2本立てで、どちらも4段AT。1.3リッターにはFFに加え4WDが用意される。エアコンがオートだと「Z」、マニュアルだと「S」というグレード分け。それに、エアロと室内イルミネーションの装備を持つ「Xバージョン」と、9スピーカーやアームレストコントローラーが備わる「Qバージョン」が組み合わせられる。
(グレード概要)
テスト車は1.5リッター「Z」グレードに「Qバージョン」がセットになったトップグレード。「Qバージョン」は、エアロパーツと15インチアルミホイール、キーフリーシステム、イルミネーションなどが標準で備わる。「9スピーカー」「アームレストコントローラー」といった“bBならでは”のアイテムは、このモデルにのみ備わる。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
DJブースというよりは、大型のラジカセを連想させるインパネまわり。上面両サイドに高音用の小さなスピーカーとエアコン吹き出し口を配したダッシュボードは、ずいぶん頑張った。ギョッとするデザインとはうらはらに、オーディオ、空調類の操作系はセンターコンソールにまとめられ、ダイヤル、スイッチのサイズも大きく使いやすい。
アームレストに備わる「アームレストコントローラー」で、車内のイルミネーションやオーディオを操作することも可能。いまのところ表層的にiPodを模した段階を脱しないが、広い操作面積やシンプルな操作方法は、使い手に優しいユニバーサルデザインに発展する余地がある。
(前席)……★★
9つのスピーカーで乗員の包囲する“ミュージック・プレイヤー”bB。スピーカー周囲ほか11カ所にイルミネーションが設置される。
さらなるウリが、前席の、約80mm沈み込む「マッタリモード」。バックレストを倒せば、LEDによる妖しい青い光に囲まれながら、「外からの視線を気にせず、ふたりの世界に入れる」とのこと。装備の意図は不純だが、誤作動を防ぐ二重のレバーや、わざわざダンパーを使って滑らかな下降感を実現するあたり、無意味にまじめだ。
ベンチ風シートは、隙あらば隣の乗員にもたれかかれるようホールド性ごく低し。座面の前後長もいまひとつ。
(後席)……★★★
ボックス型ボディの恩恵で、リアシートのスペースはたっぷりしている。足もと、頭のまわりとも不満はない。ただし、シートそのもののつくりはごく簡素。人さまが座るより、もっぱら前席のふたりのための物置として活用されよう。6:4の分割可倒式で、容易に背もたれを倒して荷室を拡大できる。
(荷室)……★★
通常の状態では、ボディサイズ相応のラゲッジルーム。いざとなれば、トランク側からでもレバーを引いて、後席のバックレストを倒すことができる。
床下に、ちょっとした小物を収納できる間仕切り付きのトレーあり。ただし、搭載物を人目から避けるトノカバーは、ディーラーオプション装備(1万500円)となる。荷室の壁に、大きなイモ虫状のスピーカーが這っているのはご愛嬌。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
パッソ/ブーンのシャシーには望外な(?)連続可変バルブタイミング機構VVT-iを備えた1.5リッター4気筒エンジンを積む。最高出力109ps/6000rpm、最大トルク14.4kgm/4400rpm。コンベンショナルな4段ATとのマッチングもいい。不満ない動力性能。ほどほどの静粛性。ことさら存在を意識させないパワーパックは、よくクルマの性格に合致している。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
イカつい見かけのわりに、これまた特徴のない乗り心地。見かけから想像されるほど硬くはないが、“しなやか”というほど滑らかでもない。クルマとしての乗り心地に感心させるより、ミュージック・プレイヤーとして不快に思わせないことが肝要なのだろう。
ホイールベースを長くとって、タイヤをギリギリまで四隅に寄せたボクシーなスタイルは、車両感覚の掴みやすさがありがたい。フロントのオーバーハングが短くて、扁平なフェイスが異様だが、街なか、細かい道での取り回しは楽。ニューbBの回転半径は、先代より0.6m小さい4.9mとなった。
(写真=峰昌宏)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2006年2月22日〜24日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2006年型
テスト車の走行距離:1755km
タイヤ:(前) 195/55R15 81V(後)同じ(ヨコハマADVAN 043)
オプション装備:G-BOOK ALPHA対応HDDナビゲーションシステム(27万900円)/VSC&TRC(6万3000円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(8):高速道路(2)
テスト距離:141.3km
使用燃料:14.3リッター
参考燃費:9.9km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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