トヨタ・ラクティスG Sパッケージ(4WD/4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・ラクティスG Sパッケージ(4WD/4AT) 2006.01.16 試乗記 ……231万4200円 総合評価……★★★ 「ファンカーゴ」の後継車となる新型コンパクトワゴン「ラクティス」。スポーティな”Sパッケージ“がついた1.5リッターモデルに試乗した。ニュー“携帯空間”はどうなのか。
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休日も楽しい
「ファンカーゴ」改め“アクティブな走り”も目指した「トヨタ・ラクティス」。初代「ヴィッツ」とともに、大トヨタの新しいデザイン潮流を感じさせたファンカーゴと比較すると、わりとひねりのないスタイルで登場。みごとに立ったサイドパネルが、大容量車を予感させる。
実際、車内はルーミー。グラスエリアが広く、開放感がある。テスト車のSパッケージには、専用表皮のセミバケット調(!?)シートが奢られる。イスは頑張ったが、走りが“スポーティ”とは言いかねる。ほどほどの動力性能。フェアな乗り心地。休日にも楽しく仕事をしている気にさせてくれる。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
1999年夏、初代「ヴィッツ」から派生した小型トールワゴン「ファンカーゴ」が誕生。商用ワゴンのような、でもファニーなルックスと、小さくても使えるという機能性などをセリングポイントとした“携帯空間”(コマーシャルキャッチ)が、名を「ラクティス」に変え、新たに登場した。
テーマは「高速大容量スタイリング」とまるでネット回線の謳い文句のようだが、走行性能、パッケージ、ユーティリティ、スタイリングなど、ぐっと男の子向けになったのが特徴。「多様なニーズに1台で応えるハイクオリティコンパクトカー」を標榜する。
エンジンは1.3リッターと1.5リッターの2種類。トランスミッションはFFがCVTで、1.5リッターにはパドルシフト・スポーツモードを備える7段マニュアルモード付き「アクティブCVT」を採用した。1.5リッターのみに設定される4WDにはコンベンショナルな4段ATが与えられる。
車内のウリはシートアレンジ。後席中央の座面を180度回転させるとあらわれる「リアセンターマルチトレイ」や、後席を格納しフラットなフロアをつくりだせる「ダイブインシート」(FFのみ。4WDは座面を前席シートバックに寄せる「ダブルフォールディング」)、前席背もたれを倒し足を伸ばして後席に座れる「カウチソファモード」などがある。 一部グレードに標準装備される「パノラマルーフ」が開放感を演出する。
(グレード概要)
テスト車は、上級グレード「G」に“Sパッケージ”がついたトップモデル。「G」は、本革巻き3本スポークステアリング、リアルーフスポイラーなどが標準装備。スポーティ仕様のSパッケージは、専用装備としてフロントグリル、ハロゲンヘッドランプ、オプティトロンメーター、シートなどが設定されるほか、フロントスポイラー&フロントフォグランプ、リアバンパースポイラー、サイドマッドガードなどが標準装備される。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
インパネはシンプルで機能的。ステアリングホイールの奥、コラムの右側にフタ付きのモノ入れ、コラム下に小物置、また助手席側にはアッパーボックス、グローブボックスと、ダブルエアバッグ標準装着を感じさせないモノ入れの豊富さ。ドアポケットも薄い地図帳をよくはさみ、カップホルダーまでついて実用的。そのうえ前席間は、ドリンクホルダーもしくはカバン置きとなる。収納上手。コンポーネンツの関係もあろうが、たとえばメーター関係を速度表示と警告灯のみにすれば、もっと収納スペースが採れるはず。タコメーターはいらない。
(前席)……★★★
運転席はレバーを上下することで座面の高さを調整するハイトコントロール付き。背もたれはサイドサポートが張り出す。クルマの性格を考えると、ちょっと贅沢な(!?)ホールド性を提供。全体にソフトな座り心地は、“ちょい乗り”が多いユーザーにはいいだろう。個人的には、「腰まわりがもうすこし張り出して、クッションが硬めのほうがいい」と思った。
(後席)……★★
頭まわり、ヒザ前とも、大人ふたりが使うにはスペース的にまったく問題ないリアシート。ただし、センターシートには2点式シートベルトしか備わらないから使わないほうが無難。シートそのもののつくりはいまひとつ。折り畳みを考慮してか、背もたれは平板。荷室とキャビンを仕切るモノがないから、荷物を積んだ場合を考えると、もうすこし高さが欲しい。そのままだと背中にあたるので、引っ張り出さざるを得ないヘッドレストが、ようやくトヨタ車にも採用された。
(荷室)……★★★
贅沢にも電磁スイッチがついたリアゲート。ゲートそのものが大きく、上ヒンジで下から開く。使い勝手では、ファンカーゴの横開きのほうが融通がきいてよかっただろう。テスト車は4WDのためフロアが高い。なお、ラゲッジスペースを広げる折り畳み式リアシートは、FF(前輪駆動)モデルは、背もたれを倒したまま前方下に沈めるダイブインシートとなるが、4WDモデルはダブルフォールディングタイプだ。倒した背もたれと荷室フロアには段差ができる。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
4WDモデルは、1.5リッター(105ps、14.1kgm)と4段ATの組み合わせのみとなる。コンベンショナルなパワーパックだが、必要十分。ただし力強さを感じさせるためか、アクセルペダルの踏み初めにグッと前に出るチューニングは、ストップ&ゴーの多い都市部ではわずらわしい。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
40km/h前後で移動する街なかでは、アシまわりがゴツゴツしがち。ちと“走り”を意識しすぎか? 一方、高速道路では安定していて、1640mmの車高さを感じさせない。コーナリング時の不安感もない。いうまでもないが、この手のハイトワゴンは、ある程度の荷物を積んで仲間と移動する、本当の実用車として使うといいのだろう。空荷はサビシイ。
(写真=荒川正幸)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2005年11月25〜27日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2005年型
テスト車の走行距離:2011
タイヤ:(前)175/60R16 82H(後)同じ(いづれもブリヂストン B250)
オプション装備:ディスチャージヘッドランプ(4万7250円)/前席SRSサイドエアバッグ&カーテンシールドエアバッグ(6万3000円)/HDDナビゲーションシステム(オーディオ:CD+MD+AM/FMラジオ+TV+サウンドライブラリー+6スピーカー/6.5型タッチ式ワイドディスプレイ+FM多重VICS+G-BOOK ALPHA対応(32万250円)/ETCユニット(1万4700円)
形態:ロードインプレッション
走行形態:市街地(4):高速道路(5):山岳路(1)
テスト距離:308.8km
使用燃料:26.5リッター
参考燃費:11.7km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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