アウディA6オールロードクワトロ 3.2 FSI(4WD/6AT)/4.2 FSI(4WD/6AT)【海外試乗記(後編)】
アバントを脅かす(?)オールラウンダー(後編) 2006.05.29 試乗記 アウディA6オールロードクワトロ 3.2 FSI(4WD/6AT)/4.2 FSI(4WD/6AT) ステーションワゴンとSUVを“クロスオーバー”させた「アウディ オールロードクワトロ」。新型A6シリーズの第4弾は、プラットフォームはもちろん、エンジンも足も洗練されているという。4.2リッターV8も直噴「FSI」に
(前編からの続き)用意されるエンジンは、ガソリンが3.2リッターV6と4.2リッターV8、ディーゼルが2.7リッターおよび3リッターV6の計4タイプ。このうち日本に導入されるのはふたつのガソリンエンジンで、どちらもティプトロニック付6段オートマチックが組み合わせられる。
3.2リッターV6はこれまでもガソリン直噴(FSI)方式を採用していたが、このオールロードクワトロの登場とともに、4.2リッターV8もFSIへ進化した。バルブ数もシリンダーあたり5つから4つに変更されている。直噴式を採用したことで圧縮比が11.0から12.5に高められ、最高出力350ps/6800rpm、最大トルク44.9kgm/3500rpmを絞り出すようになった。
いい意味で普通になった
日本からイタリアへ、往きのフライトでオールロードクワトロのスペックを頭に叩き込んで、北イタリアのリゾート地、ボルツァーノで行われる試乗会に臨んだ。空港の駐車場から、まずは3.2リッターV6エンジン搭載車をピックアップし、さっそくアウトストラーダに向かう。
サスペンション設定は、一般的なオートマチックモードから試したが、そのフラットで快適な乗り心地は期待以上だった。というのも、初代のオールロードクワトロでもオンとオフの両立は図られていたが、高速では車高の高さを意識するような動きが残り、フラットさが多少不足気味だったからだ。その点、新型はA6アバントから乗り換えても違和感がなく、225/55R17サイズのタイヤが装着されていたことも手伝って、不満のないレベルに仕上がっていた。それは高速道路に較べればラフな一般道でもいえることで、段差などを越える場合にタイヤがバタつくことこそあれ、ふだんは快適な乗り心地を保つ。
アウトストラーダを離れ、ワインディングロードに入ったところでサスペンションをダイナミックに切り替える。すると新型オールロードクワトロは、ロールを抑えたスポーティな動きで、ステアリングを握る私を驚かせた。A6アバントからオールロードクワトロに変身する際に「失ったものはない……」と思わされる。3.2リッターV6は、1800kgのボディを駆るのに不足はなく、低速からトルク豊かでスムーズであり、5000rpmを超えてもなお気持ちよく吹け上がる。
A6アバントの出番は!?
4.2リッターV8に乗り換えると、当然ながら、さらに太いトルクが全域にわたるのが印象的だ。しかも、以前のV8に比べてスムーズさはさらに増した。従来、高回転まで回すと高まったV8サウンドは控えめになり、エンジンとして格段に洗練された印象である。唯一気になったのが、V8モデルには245/45R18のタイヤが装着されるため、17インチに比べてバネ下重を意識させられること。それでも十分許容できるレベルに収まっているのだが。
ところで、試乗会にも運、不運はある。オールロードを試す絶好の機会、お楽しみの(!?)のオフロードコースは、天候不良によるコンディション悪化のため諦めざるを得なかったのた。オンロードで“オールロード”モードに入れてはおらず、報告できないのが悔やまれる。
とはいえ、多くのユーザーが使うであろうほぼ全域、オンロードでの快適性やダイナミックさはよくわかった。これじゃあ、A6アバントの出番がない? そんな余計な心配をするほど、オールロードクワトロは魅力的である。この秋の日本上陸が、いまから楽しみだ。
(文=生方聡/写真=アウディ・ジャパン/2006年5月)
・アウディA6オールロードクワトロ 3.2 FSI(4WD/6AT)/4.2 FSI(4WD/6AT)(前編)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000018184.html

生方 聡
モータージャーナリスト。1964年生まれ。大学卒業後、外資系IT企業に就職したが、クルマに携わる仕事に就く夢が諦めきれず、1992年から『CAR GRAPHIC』記者として、あたらしいキャリアをスタート。現在はフリーのライターとして試乗記やレースリポートなどを寄稿。愛車は「フォルクスワーゲンID.4」。
-
メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ(4WD/9AT)【試乗記】 2026.3.4 メルセデス・マイバッハから「SL680モノグラムシリーズ」が登場。ただでさえ目立つワイド&ローなボディーに、マイバッハならではのあしらいをたっぷりと加えたオープントップモデルだ。身も心もとろける「マイバッハ」モードの乗り味をリポートする。
-
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】 2026.3.3 「GRヤリス」の新仕様として設定された「エアロパフォーマンスパッケージ」装着車に試乗。レースフィールドでの知見を交え開発したというエアロパーツの空力・冷却性能は、リアルワールドでも体感可能なのか。高速道路を経由し、郊外のワインディングロードを目指した。
-
ドゥカティ・モンスター(6MT)【海外試乗記】 2026.3.2 ドゥカティのネイキッドスポーツ「モンスター」が5代目にモデルチェンジ。無駄をそぎ、必要なものを突き詰めてきた歴代モデルの哲学は、この新型にも受け継がれているのか? 「パニガーレV2」ゆずりのエンジンで175kgの車体を走らせる、ピュアな一台の魅力に触れた。
-
フォルクスワーゲンID.4プロ(RWD)【試乗記】 2026.2.28 フォルクスワーゲンのミッドサイズ電気自動車(BEV)「ID.4」の一部仕様変更モデルが上陸。初期導入モデルのオーナーでもあるリポーターは、その改良メニューをマイナーチェンジに匹敵するほどの内容と評価する。果たしてアップデートされた走りやいかに。
-
スズキ・キャリイKX(4WD/5MT)【試乗記】 2026.2.27 今日も日本の津々浦々で活躍する軽トラック「スズキ・キャリイ」。私たちにとって、最も身近な“働くクルマ”は、実際にはどれほどの実力を秘めているのか? タフが身上の5段MT+4WD仕様を借り出し、そのパフォーマンスを解き放ってみた。
-
NEW
実力検証! SUV向けプレミアムタイヤ「ブリヂストンALENZA LX200」を試す
2026.3.62026 Spring webCGタイヤセレクション<AD>目指したのは、人気車種となっているSUVとのベストマッチ。ブリヂストンが開発した新プレミアムタイヤ「ALENZA(アレンザ)LX200」は、どんな乗り味をもたらすのか? モータージャーナリスト石井昌道が試乗を通して確かめた。 -
NEW
BYDシーライオン6(FF)
2026.3.6JAIA輸入車試乗会2026“中国の新興ブランド”BYDにあこがれは抱かずとも、高コスパの評判が気になる人は多いだろう。では、日本に初導入されたプラグインハイブリッド車のデキは? 初めて触れたwebCGスタッフがリポートする。 -
NEW
実に3年半ぶりのカムバック 「ホンダCR-V」はなぜ日本で復活を果たしたのか?
2026.3.6デイリーコラム5代目の販売終了から3年半のブランクを経て、日本での販売が開始された6代目「ホンダCR-V」。世界的なホンダの基幹車種は、なぜこのタイミングで日本復活を果たしたのか? CR-Vを再販に至らしめたユーザーの声と、複雑なメーカーの事情をリポートする。 -
NEW
「ジープ・アベンジャー4xeハイブリッド」発表会の会場から
2026.3.5画像・写真ジープブランドのコンパクトSUV「アベンジャー」に、4WDのハイブリッドバージョン「アベンジャー4xeハイブリッド」が追加された。その発表会(2026年3月5日開催)の場に展示された同モデルの外装・内装を写真で紹介する。 -
スバル・トレイルシーカーET-HS プロトタイプ(4WD)【試乗記】
2026.3.5試乗記スバルから本格的な電気自動車の第2弾となる「トレイルシーカー」が登場。前後のモーターから繰り出すシステム最高出力はドーンと380PS。ただし、それをひけらかすような設定にはしていないのがスバルらしいところだ。スノードライブの印象をお届けする。 -
ホンダ・インサイト
2026.3.5画像・写真4代目はまさかの電気自動車(BEV)! ハイブリッドからBEVへ、4ドアセダンからSUVへと変身して、「ホンダ・インサイト」が復活を遂げた。ドアトリム/ダッシュボードヒーターにアロマディフューザーと、新たな快適装備を満載したその姿を、写真で紹介する。





















