第39回:アウディA6

2019.07.03 カーデザイナー明照寺彰の直言
アウディA6
アウディA6拡大

アウディ伝統のEセグメントモデル「A6」が、5代目にモデルチェンジ。新世代のシャシーやパワートレインの採用など、その“中身”が話題を呼んでいる新型だが、“外見”=デザインの出来栄えはどうなのか? 現役のカーデザイナー明照寺彰が斬る。

ステーションワゴン「A6アバント」のリアビュー。2018年のジュネーブショーで発表された現行型A6は、エンジンやパワープラントが従来モデルから刷新された。
ステーションワゴン「A6アバント」のリアビュー。2018年のジュネーブショーで発表された現行型A6は、エンジンやパワープラントが従来モデルから刷新された。拡大
「A6」のサイドビュー。Cピラーにクオーターガラスを持つシックスライトのデザインは、「アウディ100」の時代から受け継がれるA6の伝統である。
「A6」のサイドビュー。Cピラーにクオーターガラスを持つシックスライトのデザインは、「アウディ100」の時代から受け継がれるA6の伝統である。拡大
「BMW 5シリーズ」のサイドビュー。前輪をキャビンから遠ざけたタイヤのレイアウトや、分かりやすいまでのロングノーズ・ショートデッキのフォルムなど、FRの駆動レイアウトを存分に生かしたデザインとなっている。
「BMW 5シリーズ」のサイドビュー。前輪をキャビンから遠ざけたタイヤのレイアウトや、分かりやすいまでのロングノーズ・ショートデッキのフォルムなど、FRの駆動レイアウトを存分に生かしたデザインとなっている。拡大
往年の「アウディ・クワトロ」をモチーフにしたというフェンダーまわりの意匠。大きく張り出したフェンダーを、2本のキャラクターラインの間に出来た上向きの面が、より強調している。
往年の「アウディ・クワトロ」をモチーフにしたというフェンダーまわりの意匠。大きく張り出したフェンダーを、2本のキャラクターラインの間に出来た上向きの面が、より強調している。拡大

行き着くとこまで来ちゃってません?

永福ランプ(以下、永福):アウディのデザインについては、以前「袋小路にはまっているんじゃないか?」って話をしましたが、明照寺さんは新しいA6をどう見ましたか?

明照寺彰(以下、明照寺):まず全体のプロポーションですけど、これはA6が代々継承しているシックスライトですね。A6は頑固にこれを守っているわけですが、「その範疇(はんちゅう)においてスポーティーなセダンとして正常進化したな」と思います。

永福:元が精緻すぎるので、それを崩す方向でしか変化を与えられていないようにも見えますが。

明照寺:もうちょっと基本的な話からしましょう。アウディの特徴は、ベーシックなシルエットを守りつつ、すごく隙がないところで、BMWやメルセデス・ベンツと比べても、そういう面で差別化ができていると思います。高級セダンの王道はFRプロポーションですけど、アウディは独自のものを構築してる。FFベースの4WDですから、プロポーションとしてはFRよりむしろこっちの方が大衆車的なんですけど、実際にはそうは感じさせないレベルに達していますよね。

永福:達しすぎちゃって、行き場がなくなってませんか?

ほった:……永福さん、アウディになんか恨みでもあるんですか?(笑)

永福:いや、高く評価してるからこそ厳しい目で見ちゃうんだよ。

明照寺:A6に関して言うと、例えば以前取り上げた「A8」に比べると、よりショルダーにブリスターフェンダーが乗っかる構成がはっきりしてるんですよ。こういうところには、よりダイナミックな印象を持ちましたよ。

永福:精緻さにマッチョさを加えた感じでしょうか。

明照寺:フロントフェンダーよりもリアフェンダー上部の造形感が、このクルマの見どころじゃないかと思います。

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

明照寺 彰(めいしょうじ あきら)

さまざまな自動車のデザインにおいて辣腕を振るう、現役のカーデザイナー。理想のデザインのクルマは「ポルシェ911(901型)」。

永福ランプ(えいふく らんぷ)
大乗フェラーリ教の教祖にして、今日の自動車デザインに心を痛める憂国の士。その美を最も愛するクルマは「フェラーリ328」。

webCGほった(うぇぶしーじー ほった)
当連載の茶々入れ&編集担当。デザインに関してはとんと疎いが、とりあえず憧れのクルマは「シェルビー・コブラ デイトナクーペ」。

アウディ A6 の中古車
あなたにおすすめの記事
関連記事
  • アウディA4/A4アバント 2021.1.11 半世紀の進化の到達点 新アウディA4<AD> デザインからメカニズムまでリファインされた、アウディの基幹モデル「A4」「A4アバント」。一段と磨きのかかった最新型の走りは、このブランドならではの確かな技術力を感じさせてくれた。
  • アウディRS Q8/RS 7スポーツバック 2020.11.28 画像・写真 アウディ ジャパンが最高出力600PSのハイパフォーマンスモデル「アウディRS Q8/RS 7スポーツバック」を日本で初披露。発表の舞台となった富士スピードウェイより、圧倒的な動力性能を誇るアウディスポーツの最新モデルを、写真で紹介する。
  • アウディが「A4/A4アバント」に2種類のクリーンディーゼルエンジン搭載車を設定 2021.1.7 自動車ニュース アウディ ジャパンが「A4/A4アバント」のクリーンディーゼルモデルを発売。出力の異なる2種類の2リッターディーゼルターボエンジンを用意しており、FF車には最高出力163PSの「35 TDI」を、4WD車には最高出力190PSの「40 TDI」を採用している。
  • ポルシェ911ターボSカブリオレ(4WD/8AT)【試乗記】 2021.1.5 試乗記 最高出力650PSを誇る、新型「ポルシェ911ターボSカブリオレ」に試乗。その加速やコーナリングからは、つくり手がこのハイパフォーマンスカーに込めた、すさまじいほどの気合が伝わってきた。
  • ポルシェ・カイエン ターボ クーペ(4WD/8AT)【試乗記】 2020.12.21 試乗記 全車がターボエンジンを搭載する「ポルシェ・カイエン クーペ」だが、車名に“ターボ”を冠した「カイエン ターボ クーペ」は格別だ。純内燃機関モデルでは最強の最高出力550PSのV8ツインターボと、ポルシェならではのシャシー性能を味わってみた。
ホームへ戻る