第226回:惨敗!「マーチカップ」報告 でも、練習システムはスバらしい〜!
2005.08.29 小沢コージの勢いまかせ!第226回:惨敗!「マーチカップ」報告 でも、練習システムはスバらしい〜!
![]() |
■全然ダメだ〜
実は先日、久々にレースに出ちゃいました。日産さんから直々に招かれた「マーチカップ」。定番コンパクトカーによる初心者向けワンメイクレースなんだけど、その結果は……。
いやー、参った。惨敗も惨敗。出走33台中、なんと予選26位で決勝27位。トップとのラップタイム差、実に5秒以上!! 全然ダメじゃーん〜。
正直、久々にゴルフやって200叩いたような気分です。って200叩いたことなんかないんですけど〜。
なんでかなぁ。もうちょっと速いと思ってたのになぁ。考えられる原因は数々あります。ラインは今ひとつ、ハッキリ正誤がわからなかったし、加速しててもどっかアンダー出してるような出してないような。要するに全体的によくわかってないんですね、状態が。ダメダメ男クンです。
■練習システムがスバらしい
しかしマーチカップの擁護をするとシステムそのものは素晴らしかった。特に練習方法ね。
実はマーチカップはほぼ毎回、決勝日の2週間ぐらい前に、決勝と同じサーキットでレーシングスクールが開かれ、しかも約3万円で出られる。
そのメニューがまたすごい。田中哲也選手や柳田真孝選手など、日産ワークスのドライバーが講師に付く! 極めつけはなんと“全車データロガー”が付けられることだ。
コレが毎回のラップタイムはもちろん、区間タイムに前後左右G、アクセルやブレーキの踏み具合、車速にエンジン回転数まで測れちゃうというスグレモノ。そのうえ、マーチカップで一番速いドライバーのデータも参考に見せてくれるのだ!! スッ、スッバらし〜。
正直、マーチは遅くてちょっとやんなっちゃったけど、このシステムはスバラしすぎると思いましたね。
■アマチュアレースの革命
俺も何回かレーシングカートやハコのレースにトライしたことはあるんだけど、一番困るのがラップタイムはもちろん、「自分のドライビングはどこが悪いか」がわかりにくいこと。モータースポーツは他のスポーツと違って、カンタンに他の選手と比べられないし、見てもらうこともできない。結果、ただ闇雲に走り込むだけにもなりかねないのだ。
野球の練習で言えば、ひたすらいつまでもうさぎ跳びしてるようなイメージっスかね。
その点、このデータロガーがあれば、悩みはほぼ解消。だってさ。ラップに区間タイプに各部Gにペダル開度がわかれば、違いは一目瞭然。もちろん、すぐにはうまくならないだろうけど、時間の問題。センセイもつくし。ハッキリ言って、“これはアマチュアレースの革命だ”と思いました。
まさにサッカーや野球の観戦に、VTRが導入されたのと同じぐらいの革命。マジ、カネとヒマさえあればマーチカップ、いっちょ極めてやっか! ぐらいの気持ちも湧きました。でもね。どっちもないのよ〜。おほほのほ〜。
ってなわけで、ホントいいっスよ。アマチュアレースにデーターロガー! それからマーチカップ!!
(文=小沢コージ)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
アマゾンが自動車の開発をサポート? 深まるクルマとAIの関係性
2025.9.5デイリーコラムあのアマゾンがAI技術で自動車の開発やサービス提供をサポート? 急速なAIの進化は自動車開発の現場にどのような変化をもたらし、私たちの移動体験をどう変えていくのか? 日本の自動車メーカーの活用例も交えながら、クルマとAIの未来を考察する。 -
NEW
新型「ホンダ・プレリュード」発表イベントの会場から
2025.9.4画像・写真本田技研工業は2025年9月4日、新型「プレリュード」を同年9月5日に発売すると発表した。今回のモデルは6代目にあたり、実に24年ぶりの復活となる。東京・渋谷で行われた発表イベントの様子と車両を写真で紹介する。 -
新型「ホンダ・プレリュード」の登場で思い出す歴代モデルが駆け抜けた姿と時代
2025.9.4デイリーコラム24年ぶりにホンダの2ドアクーペ「プレリュード」が復活。ベテランカーマニアには懐かしく、Z世代には新鮮なその名前は、元祖デートカーの代名詞でもあった。昭和と平成の自動車史に大いなる足跡を残したプレリュードの歴史を振り返る。 -
ホンダ・プレリュード プロトタイプ(FF)【試乗記】
2025.9.4試乗記24年の時を経てついに登場した新型「ホンダ・プレリュード」。「シビック タイプR」のシャシーをショートホイールベース化し、そこに自慢の2リッターハイブリッドシステム「e:HEV」を組み合わせた2ドアクーペの走りを、クローズドコースから報告する。 -
第926回:フィアット初の電動三輪多目的車 その客を大切にせよ
2025.9.4マッキナ あらモーダ!ステランティスが新しい電動三輪車「フィアット・トリス」を発表。イタリアでデザインされ、モロッコで生産される新しいモビリティーが狙う、マーケットと顧客とは? イタリア在住の大矢アキオが、地中海の向こう側にある成長市場の重要性を語る。 -
ロータス・エメヤR(後編)
2025.9.4あの多田哲哉の自動車放談長年にわたりトヨタで車両開発に取り組んできた多田哲哉さんをして「あまりにも衝撃的な一台」といわしめる「ロータス・エメヤR」。その存在意義について、ベテランエンジニアが熱く語る。