【スペック】マセラティ・グランスポーツ:全長×全幅×全高=4510×1825×1295mm/ホイールベース=2660mm/車重=1680k/駆動方式=FR/4.2リッターV8 DOHC32バルブ(401ps/7000rpm、46.0kgm/4500rpm)/価格=1396.5万円(テスト車=同じ)

マセラティ・グランスポーツ(2ペダル6MT)【試乗記】

“らしさ”はそのままに 2005.02.21 試乗記 大澤 俊博 マセラティ・グランスポーツ ……1396.5万円 ちょっと(かなり?)エッチなインテリア(C河村康彦)に、悪そうなエクステリアのグランドツアラー「マセラティ・クーペ」を、スポーティにモディファイした「グランスポーツ」。『webCG』記者が、JAIAでちょっぴり試乗した。

控えめでも悪そう

フェラーリ傘下となったマセラティのラインナップは、「クーペ」と「スパイダー」、4枚ドアこと「クアトロポルテ」と、いずれもグランドツアラーばかりだ。
そのなかにあって、ニューモデル「グランスポーツ」は、かなりスポーティに仕立てられたクルマだ。フロントロアスポイラーやサイドスカートなど、エアロパーツは控えめ。とはいえ、メッシュのメッキグリルや、フロント235/35、リア265/30の19インチタイヤ&ホイールを装着した姿は、クーペよりずっと“悪そう”に見える。

インテリアは、トリムやシートの一部はブライテックスというメッシュ状の新素材、フロアコンソールはカーボンコンポジットを採用し、カラードレザーが醸す濃厚なラクシャリー感とは趣を変えた。パネルには、シフトやスカイフックサスペンションのモード、マセラティ・スタビリティ・プログラムの制御ボタンを配し、メカニカルなクールさが感じられる。とはいえ、各部の造形が絶妙にエロく、レースカーやドイツ車のような冷徹さとは無縁。センターコンソールには、もちろん、例のアナログ時計が備わる。

まるでフェラーリ

エンジンはクーペと排気量は同じながら、吸排気系のリファインによって、最高出力21psアップの401ps/7000rpmを発生。レスポンスは鋭敏で、スポーツエグゾーストシステムが発する音も迫力を増した。シーケンシャルトランスミッション「カンビオコルサ」は、スポーツモードでのシフト速度が35%高められたほか、ギア比が高速側に振られ、最高速度は5km/h増しの290km/hに達する。

乗ってみると、まるでフェラーリ。過去に乗ったマセラティといえば、ボディはヨレヨレでまっすぐ走らず、そのくせ超絶レスポンスのエンジンやスポーティなステアリングレスポンスの持ち主で、正直コワいクルマが多かった。グランスポーツは7000kmを後にしていたが、ボディはガッシリ、ステアリングホイールの動きにピタリと反応してくれる。そのくせ、シビアすぎて疲れるようなことがないのは、まさにグランドツアラー。カンビオコルサのマナーも洗練され、大排気量エンジンのトルクも手伝って、渋滞ぎみのノロノロ運転もそつなくこなす。
リアシートも備わるが、スペース的には小学生でもツラそうな程度。とはいえ、一応、合法的に4人乗れるのは便利だし、ポルシェ911のように荷物置き場としては重宝しそうだ。スポーティではあるけれど、やはりグランドツアラーなのがマセラティらしいトコロ、だろうか。

(文=webCGオオサワ/写真=荒川正幸/2005年2月)



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エロチックなインテリアは、マセラティならでは? 現場にいたスタッフが「カッコイイ」と絶賛。

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エンジンも、またカッコイイ。乾いたエグゾーストノートには、大排気量ユニットらしい、ドロっとした野太さが混じる。

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