ジャガーXJ Super V8 L(6AT)【試乗記】
英国発、“ちょい枯れオヤジ”垂涎(?)のプレミアムカー(その1) 2005.02.04 試乗記 ジャガーXJ Super V8 L(6AT 輸入車を一同に集めた、年初恒例のプレス向け試乗イベント「JAIA試乗会」が、2005年2月1日〜3日に開かれた。出展車のなかでもトップクラスの高価格車、ジャガーのトップオブトップ「XJ Super V8 L」に、『webCG』オオサワが試乗した。一番長い
ジャガーのトップレンジ「XJシリーズ」のホイールベースを125mm延長した、リムジンバージョンが「XJ L」。スーパーチャージャー付き4.2リッターV8を積む「XJ Super V8 L」は、ジャガーラインナップの頂点に君臨する“一番高い”モデルだ。ジャガーによると、ウィークデーは、ショーファーに運転をまかせて仕事のアシに、休日は自分でハンドルを握る人などを想定した、“ドライバーズリムジン”だという。
メルセデスベンツやBMWはもちろん、アウディもラージサルーンにリムジンをラインナップするが、XJロングはそのなかでも、全長、ホイールベースが一番長い。厚みを感じさせない前後のデザインによってか、スマートな見た目には威圧的なトコロがなく、上品なたたずまいだ。
シート表皮は、スーパーV8ロングだけに無償で提供されるアイボリーレザー、ステアリングはヒーター付きのフルウッドと、インテリアはウッドとレザーの世界。シートはもちろん16Way電動調節式、エアコンは全席独立調節のフルオート、DVDナビにオーディオなどなど。装備品はXJシリーズが装着できるもの、すべてが搭載される。
当然のことながら、ロング版はリアシートも豪華極まりない。シートはリクライニングとランバーサポート、さらに助手席スライドをスイッチで調節でき、足元スペースが拡大可能。身長163cmの『webCG』ワタナベ嬢は助手席を前にスライドさせ、両足をブラブラさせて大喜びだ。前席ヘッドレストには6.5インチ液晶ディスプレイが埋め込まれ、TVや映画を楽しむもよし、ウッド製のテーブルを引き出して仕事もできる。
さすが“ドライバーズリムジン”
アルミモノコックを使い、軽量を身上とするXJシリーズは、ロングバージョンも軽い。5mをはるかに超える巨体でも、標準ボディのスーパーV8との重量差はわずか30kg。車重は1810kgにすぎず、アクセルペダルをベタ踏みすれば、静止状態から5秒そこそこで法定速度の上限に達してしまう。さすが“ドライバーズリムジン”。もちろん、2000rpmで最大トルクの80%を発生する特性を活かし、静かにクルージングするのがXJロングには相応しい。運転席から排気管が遠くなったせいか、エンジン音はほとんど聞こえず、回した時に電動ドリルのようなスーパーチャージャーの音が響くだけだ。
軽さはハンドリングにも影響するが、こちらは長くなったぶん、動きはおっとり、しっとり。といっても、ノーマルと較べてのハナシで、全長5215mmだとは思えない身の軽さだ。エアサスペンションがこなれてきたのか、初期に感じられた微妙な突き上げもなく、乗り心地はフラット至極である。難点は、ただでさえ幅広い1900mmの全幅に加え、内輪差が大きいロングホイールベースだから、取り回しに気を遣うこと。XJシリーズは荷室の天地が狭く、ロングでも容量は変わらない。ゴルフ場で仲間をアっといわせるには、宅配便が欠かせない、かも。
(文=webCGオオサワ/写真=峰昌宏/2005年2月)

大澤 俊博
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