日産エルグランドライダー(5AT)【試乗速報】
身近になった王様らしさ 2004.12.25 試乗記 日産エルグランドライダー(5AT) ……429万3450円 ライバルが小排気量モデルで販売台数を伸ばすなか、3.5リッターで孤軍奮闘する「日産エルグランド」。フルモデルチェンジから2年半以上を経て追加された、2.5リッターモデルはどうなのか? 『webCG』記者のリポート。上質にこだわり
2002年5月にフルモデルチェンジした日産の大型ミニバン「エルグランド」に、2.5リッターV6モデルが追加された。いうまでもなく、トヨタがエルグランドを追撃すべく投入した「アルファード」対策である。
エルグランドは、これまで3.5リッターV6モデルのみ。ベーシックグレードの価格は315万円からと、高級車並みの価格だった。一方アルファードは、3リッターV6に加え、278万2500円からの“お求めやすい”2.4リッター直4を設定し、販売台数を伸ばした。ほぼ同時期に発表された両者の販売台数は、エルグランドの約9万8600台(02年5月〜)に対し、アルファードは20万8983台(02年5月〜)。うち、2.4リッターの割合は約52%だという。最初から2.5リッターがあれば……なんて話に意味はないけれど、すくなくとも、アルファード2.4リッターモデル約10万台の何割かが、エルグランドに置き換わった可能性は否めないだろう。
ちょっと出遅れた感のある“お求めやすい”エルグランドだが、そのぶん(?)内容はライバルに差をつけた。フロントに縦置きされるエンジンは、アルファードより2気筒多い「VQ25DE」型の2.5リッターV6。当初「QR25DE」型の2.5リッター直4が候補にあったが、高い質感にこだわってV6を載せたという。排気量は100cc大きく、パワーはアルファード2.4(159ps、22.4kgm)、ホンダ・エリシオン(160ps、22.2kgm)を上まわる。ただし、10・15モード燃費は、3台のなかでもっとも低い。トランスミッションは3.5リッターと同じ5ATだが、エンジンに合わせてギア比全体を加速方向に振って最適化を図った。
ほかに、他社では上級グレードにのみ標準、またはオプション設定される、ハイグレードオーディオシステムなどを2.5リッターに設定したこともジマンである。
けっこう速い
抽選で決められた試乗車はオーテック「ライダー」、メーカー直系のカスタムモデルである。外観はエアロパーツやクロームメッキホイールでドレスアップ。足まわりも変更され、ローダウンサスペンションや、スポーティグレード「ハイウェイスター」と同じ215/60R17インチのタイヤ(標準は215/65R16)を履く。インテリアは、シルキーホワイトのシート生地が目にまぶしい。ステアリングホイールやパネル類に木目調でアクセントがつけられ、ちょっとアメリカンな雰囲気だ。価格は、2.5リッター「ハイウェイスター」より46万2000円高い361万2000円である。
乗ってみると2.5リッター、とてもよく走る。試乗会が開かれた小田原近辺は山坂道ばかりだが、カメラマンと二人乗りでは不満どころか、けっこう速いとさえ思った。振動がすくなく、高回転までスムーズに回るのはV6ならでは。直4を積むライバルに比べて静かで、“上質”へのこだわりが反映されている。ローダウンサスペンションを装着することもあってか、コーナリングに不安はなかった。
大型ミニバン市場でトップシェアを獲り、日産エンジニア陣が「王様のエルグランド」「ミニバンのシーマ」と胸を張った。そのよりどころを排気量に求めたのなら、かなり古くさいセンスではないだろうか。つくりこんだハードウェアや、リアに重量物を積むクルマとして、トラクションに有利なFRレイアウトの採用こそ、王様ならでは。それを損なわず、より“お求めやすく”する2.5リッターの登場を、リポーターは純粋に喜ばしく思う。
(文=webCGオオサワ/写真=高橋信宏/2004年12月)

大澤 俊博
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