トヨタ・カムリ2.4Gリミテッドエディション・ナビパッケージ(4AT)【ブリーフテスト】
トヨタ・カムリ2.4Gリミテッドエディション・ナビパッケージ(4AT) 2004.09.15 試乗記 ……288万7500円 総合評価……★★★ 縮小続く日本のセダン市場において、「鳴かず飛ばず」の状態が続く「トヨタ・カムリ」。マイナーチェンジを受けたモデルに、『webCG』コンテンツエディターのアオキが乗った。隠れた魅力
「トヨタ・カムリ」がマイナーチェンジを受けた。ヘッドランプが3連から4連に変わり、グリルの上端からわずかに頭を出していたトヨタマークが下方に移動、グリルのアウトラインがシンプルに。それと、フォグランプの形状がシャープになったことを指摘できれば、アナタもカムリ博士です。「高級感とスポーティ感を向上させた」というのが、トヨタの公式見解。
広い室内。やんわりした乗り心地。十分な動力性能。カムリが、使いやすいまっとうなセダンであることに変わりはないが、実用性だけなら、ミニバンにはしる今日この頃の消費者心理。あえてセダンを買う理由を挙げるなら、フォーマルなイメージはもとより、誰にも気づかれぬ匿名性も、オーセンティックセダンの隠れた魅力かもしれない。カムリの場合、その性能の高さはオドロクばかり。
総合評価の★が、かつての4つ星からひとつ減ったのは、“走り”が、トヨタ車として、世代がひとつ古くなった感があるから。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2001年9月27日に日本での販売が始まったトヨタの世界戦略車。特に北米では、先代が1997年から4年連続でベストセラーカー(乗用車)に輝いた。5代目となった今回は、「新世紀、World Major」を開発テーマに、広い室内をさらに拡大すべく、ホイールベースを50mm伸ばし、ボディも全長で15mm、全幅は10mm、そして全高が70mm大きくなった。空力特性のよさもジマンで、Cd値はわずか0.28。エンジンは、2.4リッター直4一本。コンベンショナルな4輪ストラットの足まわりをもつ。
2003年7月23日に、DVDナビ搭載車の追加、G-BOOK対応の一部改良が施され、2004年7月6日には、内外にマイナーチェンジを受けた。
(グレード概要)
国内版カムリは、「2.4G」と「ツーリング」に大別される。後者は、ノーマルより1インチアップの16インチホイールを履き、リアスポイラーを装着してスポーティに装ったもの。
2.4Gは、スチールホイール、ウレタンステアリングホイールなどを装備する標準モデルと、アルミホイール、セミアクティブサスたる「H∞-TEMS」、本革巻きステアリングホイール、クルーズコントロールなどを備えた「リミテッドエディション」、さらにナビゲーションシステムを搭載する「リミテッドエディション・ナビパッケージ」がカタログに載る。2.4Gには、FFのほか、4WD車も用意される。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
実用車であることを隠さない潔いインパネまわり。メーターは、以前の「速度計に燃料計」「回転計に水温計」を内包するタイプから、シンプルな4連となりすっきりした。速度計、回転計とも十分なサイズがあり、見やすい。センターコンソールのモノ入れに、プッシュ式のフタがついたのも新しい。ステアリングホイールには、オーディオ、ドライビングコンピューターのスイッチが付いた。細かいカイゼンがなされてます。
これは従来通りながら、ディスプレイが自然にインパネに埋め込まれたナビゲーションシステムは使いやすい。また、小さなことだが、助手席側の、アメリカンに大きなバニティミラーは、奥様(ほか)にはうれしかろう。
(前席)……★★★
ソフトなソファのようなシート。左右席間の間隔は十二分で、ゆったりした居住空間が取られる。運転席は、8ウェイの調整機能をもつパワーシート。このたびのマイチェンで、電動のランバーサポートも備わった。
モノ入れが多いのがいいところ。ダンパーを備えたグローブボックスはもとより、頭上にはサングラス入れ、シフターの後ろにはカップホルダーを兼ねた物置。「浅」「深」両用に使える肘かけを兼ねた大型コンソールボックスは大変便利。12Vのソケットあり。
(後席)……★★★
膝前、肩まわりに関しては、なんら不満ないスペースが取られるが、意外にも、ヘッドクリアランスにそれほどの余裕が感じられない。身長165cm座高高めのリポーターで、こぶし半分ほど。大柄なヒトがきちんと座ると、天井に髪が触るのではないか。
ベーシックな「2.4G」以外のカムリには、リアガラスからの日光を遮るサンシェードが標準で装備される。
。フロアコンソール後端に、後席用のエアコン吹き出し口あり。ISOFIX対応チャイルドシート用アンカーおよびテザーアンカーが設けられる。
(荷室)……★★★★★
トランクリッドを開けると、呆れるほど広いラゲッジスペースが広がる。形状が複雑なのが難点だが、それを補ってあまりある容量。約587リッター(VDA法)。さらにリアシートは分割可倒式だ。
ナビゲーションシステムのコンポーネントが向かって左のフロアにおかれるため、床面最大幅は18cmほど削られ137cm。奥行き119cm。高さは55cm。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
「2.4リッター+4段AT」の組み合わせに変更はない。VVT-iこと連続可変バルブタイミング機構を備えたBEAMS 2AZ-FEエンジン(159ps、22.4kgm)は、静かでトルキー。“スーパーインテリジェント”を謳うオートマチックも優秀だ。姉妹車「ウィンダム」の5段と比較すると、街なかでは2速の守備範囲が広く、エンジン回転数の変動が大きいが、あくまで相対的に、である。基本的にスムーズで、シフトショックは小さい。
気になったのは、スロットルペダルを踏んだときの出足がやや急なこと。カムリの場合、力強さをアピールするより、クルマの性格に合わせて、おっとり発進させたほうが上品だと思う。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
5世代目にあたる現行モデルのデビューは、2001年。“走り”において一皮剥け始めた(!?)新型トヨタ車群のなかにあって、カムリの「トロン」とした乗り心地は、一世代前の感がある。が、最新“ゼロ”クラウン以前の“クラウンテイスト”をよしとする向きには、気にならないはずだ。
カムリのリミテッドエディション以上のグレードは、各輪のダンパー減衰力を電子制御して、フラットな乗り心地を目指す「H∞-TEMS」を標準で装備する。足まわりは、硬軟4段階から選べるが、一番ソフトな設定では、ボディがあおってしまって、ちょっと使えない。テスト車は、おとなしい15インチを履いていたこともあり、個人的には、一番ハードがイイと感じた。
(写真=峰昌宏/2004年9月)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2004年8月6日-9日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2004年型
テスト車の走行距離:775km
タイヤ:(前)205/65R15 94H/(後)同じ(いずれもDunlop SP Sport D8H)
オプション装備:−−
テスト形態:ロードインプレッション
走行形態:市街地(7):高速道路(3)
テスト距離:130.6km
使用燃料:19.5リッター
参考燃費:6.7km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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