ボルボS40 2.4/V50 2.4i (5AT/5AT)【短評(前編)】
余裕のベーシック(前編) 2004.09.02 試乗記 ボルボS40 2.4/V50 2.4i (5AT/5AT) ……372万7500円/451万5000円 新しいコンパクトボルボ「S40」「V50」のプレス試乗会が、秋田県は男鹿半島で行われた。140ps、170psの自然吸気モデル2台に、『webCG』コンテンツエディターのアオキが乗った。40万円以上安い
「緑ひといろ かすみに明けて
波が波よぶ 男鹿の春……」(男鹿小唄)
……というわけで、春ではないけれど、「ボルボS40」&「V50」自然吸気モデルのプレス試乗会が、秋田県は男鹿半島で開催された。幸いにも天気に恵まれ、西端を縦に走る「おが潮風街道」は、空と海の青いコントラストがうつくしい。
S40、V50は、今年2004年2月から日本に導入された新世代コンパクトボルボ。フォードグループ内では、「マツダ・アクセラ」、次の「フォード・フォーカス」を姉妹とする中堅車種ながら、S40とV50には、通常より1シリンダー多い5気筒エンジン、ボルボらしい外観、そしてスウェディッシュな内装が与えられ、プレミアム担当ブランドのエントリーモデルとしてふさわしいクルマに仕立てられた。
わが国では、サルーンのS40、エステートV50とも、220psを発生する2.5リッターターボを積んだ「T-5」、2.4リッターのハイチューン版(170ps)を搭載する「2.4i」、ベーシックな「2.4」(140ps)の3グレードで構成される。
テストカーとしてまず『webCG』取材班に割り当てられたのは、「S40 2.4」。2.4の価格は、S40が346万5000円、V50は372万7500円。スバルなら2リッターターボ車が「B4」「レガシィツーリングワゴン」とも280万円台、NAのマツダ・アクセラに至っては100万円台後半からプライスリストに載るから、ずいぶんいいお値段だけれど、それがプレミアムブランドというものである。
輸入車市場のライバル、たとえば「アウディA4」「BMW 3シリーズ」「メルセデスベンツCクラス」と比較すると、「同等以上の性能にして、ワゴンで30万円、サルーンでは40万円を超えて安い」というのが、ボルボの主張となる。
センタースタック
シルバーのS40 2.4で、男鹿半島を行く。ドライブしていて驚いたのは、この地には、どこにでも“なまはげ”がいるということだ。10m近い巨大ななまはげが御幣を振りかざしているかと思えば(本山門前)、ブランコに乗っていたり、アイスクリームになって食べられたり(入道崎)、首をさらされたり、ホテルのランプになっていたり(男鹿桜島ホテルきららか)するから油断ならない。その名もズバリ「なまはげライン」には、青鬼橋も赤鬼橋もかかっている。
さて、素のベーシックサルーンは、価格を抑えるためもあり、標準では15インチのスチールホイールを履く。しかし、テスト車の足もとは「205/55R16」のピレリP7を装着した、7本ホイールの16インチアルミに変えられていた。本革シート、本革巻きステアリングホイール、CD/MDオーディオを含むセットオプション「レザーパッケージ」(26万2500円)が組まれていたからだ。この場合、上級グレード2.4iとの外観上の差異は、サイドモールディングがボディ同色にならないことくらい。
オフブラックのレザーシートに座れば、ウッド調パネルの「フリーフローティング・センタースタック」が、いやでもドライバーの目をひく。ゆるやかにうねるボードに、オーディオ、エアコン類のコントロールを配したもので、シンプル&クリーンなスウェディッシュデザインを謳うインテリアの、デザイン上のハイライトだ。
個人的には、NAモデルの木目調より、ターボ車につくアルミパネルの方が、未来的で好きだ。2.4、2.4iにも、アルミバージョンがオプションとして用意されるというから、そちらを好む方は、ディーラーで相談するといいと思います。
S80と同等
新しいサルーンS40は、いまやフォード・プレミアムブランドのデザインを統括する地位にまでに昇りつめたピーター・ホルバリーお得意の「キャブフォワード」デザインを採る。長めのホイールベースに、できるだけ前まで長く延ばした大きなキャビンを載せる。短い前後オーバーハングゆえ、抜群のプロポーションを誇るハンサムな姉貴「S60」と比べるとやや寸詰まり……、好意的に表現すると、ギュッと詰まった凝縮感がある。全長は4470mmとアウディA4より85mm短いながら、幅は5mm広い1770mmである。
Cピラーを、実際以上に流れ落ちているように見せるサイドウィンドウグラフィックのマジックで、S40は流麗なルーフラインにもかかわらず、前席はもとより、後席の居住性も高い。リアシートに座ると、膝前、頭上とも余裕がある。1450mmの全高は、Cクラス、3シリーズ、A4の、いずれよりも高い。
キーは、衝突時にドライバーの膝にダメージを与えないよう、ステアリングコラムからコラム左わきのダッシュパネルに移された。右ハンドルだと左手を使ってひねらなければならないので使いづらいが、エンジンをかけるたび、“ボルボの安全性”を思い出すきっかけにはなる。
ボディ骨格に硬軟4種類のスチールを使い分け、また、正面からの衝撃をAピラー、サイドシル、バルクヘッドを横断するクロスメンバーの3方向に逃がす工夫を施すなど、380mm長い最上級サルーン「S80」と同等のフロント・クラッシュ性能を得たことが、S40(とV50)のジマンである。(後編につづく)
(文=webCGアオキ/写真=高橋信宏/2004年9月)
ボルボS40 2.4/V50 2.4i (5AT/5AT)【短評(後編)】
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000015652.html

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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