「エンジン内に付着するカーボンを防ぐには?」
2004.06.02 クルマ生活Q&A エンジン「エンジン内に付着するカーボンを防ぐには?」
最近のエンジンは厳しい排ガス規制に対応しているため、内部にカーボンなどが付着して、バルブまわりが汚れやすいと聞きました。これを解消するには、どうしたらいいでしょうか? 教えてください。(YGさん)
お答えします。カーボンがバルブなどに付着する理由のひとつに、「エミッション・コントロール・システム(排ガス浄化システム)」によって、未燃焼ガスやオイルミストをもう一度吸入バルブに入れ、再度、燃焼させることが挙げられます。
燃料(混合気)をできるだけ燃やし、排ガスを触媒に通して規制に適合させるためです。
とはいえ、やはり燃え残りは出てしまいます。それらのガスやオイルが吸入管やスロットルバルブに付着し、その後、蒸し焼き状態となって、燃料を噴射するインジェクターの先端部分や吸気バルブにカーボンとして堆積するのです。
これを完全に防ぐのは難しいことですが、早めにオイル交換したり、清浄剤入りのハイオクガソリンを入れることが、有効な手段です。
以前、清浄剤入りのハイオクを入れて高速道路を800km走行した後、ファイバースコープで燃焼室の状態を見たところ、走行前にうっすらと付着していたカーボンは、見事になくなっていました。ただし、これには「燃焼状態が安定していた」という条件が必要です。
この頃、ケミカル品によってエンジン内部を洗浄する専用装置を置くショップを見かけます。これらは、極度に汚れているエンジンには有効でしょう。とはいえ、通常は行う必要がないと思います。
最近ではロングドレーン化によって、オイルが汚れてもオイル交換を実施しないクルマが多いようですが、私は、走行距離数にかかわらず、オイルが汚れたら交換することをオススメします。キレイなオイルを使っていると、ブローバイガスやオイルミストの具合も変わってきますから、エンジン内部の汚れ方も、おだやかになるはずです。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。