第92回:巨人にも見習って欲しい?新型クラウンのスゴさ(その2)
2004.01.27 小沢コージの勢いまかせ!第92回:巨人にも見習って欲しい?新型クラウンのスゴさ(その2)
■クラウンは変わったが……
新型「クラウン」について、思ったことをもうヒトコト。
クラウンは巨人軍に似てる、とも思った。そう、あのプロ野球の「讀賣ジャイアンツ」である。
クラウンと巨人は、いずれも超ドメスティック。どちらもその業界を代表するブランドで、ガチガチの固定ファンがいて、変えようにも変えられない部分がある。偉大なる存在だ。
でね、ここが肝心なんだけど、近年はどちらにも外圧が迫っていた。巨人はメジャーリーグからのプレッシャー。クラウンはベンツ、BMWなどからのプレッシャーだ。その影響で、巨人は野球放送の視聴率が落ち、クラウンは販売台数が落ちていた。
だが、クラウンは見事な変貌を遂げた。以前の魅力を残しつつ、明らかに新しくなったのだ。そういう場合、どこを「残して」どこを「残さない」のか。サジ加減が難しいが、加藤光久エグゼクティブチーフエンジニアの言葉でもう一つ記憶に残ったものがある。それは「国際化」だ。
「今度のクラウンは、世界のどこに出しても恥ずかしくないものにしました。実際、法規的にどこの国の基準にも対応できるんです」。
さらに興味深いのが、そこで参考にしたのが「武士道」だったということ。
「お菓子のポッキーって、手に持つ部分にチョコが塗ってないじゃないですか。ああいうことするのは日本人だけですよ。ああいう繊細さを大切にしたんです」。
加藤さんは、さらにこう語った。国際化、国際化とはよくいうけど、大切なのは外を向くことじゃない。内を向くこと。冷静に「日本人にしかできないことをやった」と。
その結果、日本車ならではの「おもてなし」は残し、「走り」や「スタイル」を世界レベルに引き上げて、新型クラウンはでき上がったのだ。まさに自動車は文化。時代によって、生き物のように変わるのだ。
自動車界の保守派、クラウンが変わったついでに「巨人もそうなるべきだよなぁ」って思った。いつまでも4番バッターばかり揃えて、契約交渉に代理人を認めない時代じゃない。オーナーが独裁制をひいている時代でも。
(文=小沢コージ/2004年1月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
-
第454回:ヤマダ電機にIKEAも顔負けのクルマ屋? ノルかソルかの新商法「ガリバーWOW!TOWN」 2012.8.27 中古車買い取りのガリバーが新ビジネス「WOW!TOWN」を開始。これは“クルマ選びのテーマパーク”だ!
-
第453回:今後のメルセデスはますますデザインに走る!? 「CLSシューティングブレーク」発表会&新型「Aクラス」欧州試乗! 2012.7.27 小沢コージが、最新のメルセデス・ベンツである「CLSシューティングブレーク」と新型「Aクラス」をチェック! その見どころは?
-
第452回:これじゃメルセデスには追いつけないぜ! “無意識インプレッション”のススメ 2012.6.22 自動車開発のカギを握る、テストドライブ。それが限られた道路環境で行われている日本の現状に、小沢コージが物申す!?
-
第451回:日本も学べる(?)中国自動車事情 新婚さん、“すてきなカーライフに”いらっしゃ〜い!? 2012.6.11 自動車熱が高まる中国には「新婚夫婦を対象にした自動車メディア」があるのだとか……? 現地で話を聞いてきた、小沢コージのリポート。
-
NEW
第290回:商用バンで砂漠を行く親子が向かうのは天国か地獄か 『シラート』
2026.6.4読んでますカー、観てますカー失踪した娘を探して親子はモロッコの砂漠へ。砂漠で開催されていたレイブパーティーが最高潮に達した頃、軍隊がやってきて中止させられる。親子が乗るFFの商用バンは次のパーティー会場にたどり着けるのか……。 -
NEW
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(前編)
2026.6.4あの多田哲哉の自動車放談ひさびさに日本市場に戻ってきた、ホンダを代表するSUV「CR-V」。最新世代の仕上がりを、トヨタの車両開発者だった多田哲哉さんはどう評価する? まずは、ワインディングロードを走らせた第一印象から。 -
NEW
第964回:フィアットグッズのコレクターから学ぶ人生訓
2026.6.4マッキナ あらモーダ!イタリア在住の大矢アキオが、トリノで著名なフィアットグッズのコレクターを取材。若き日の苦労を経て大成した人物が語る、人生で大切なものとは? フィアットやイタリアの歴史を物語る、貴重なコレクションの数々とともに紹介する。 -
NEW
気づけばすでに4モデル スバルのBEV戦略と水平対向エンジンの未来を考える
2026.6.4デイリーコラム「ソルテラ」に続き、「トレイルシーカー」「アンチャーテッド」「ゲッタウェイ」と、いつの間にか4モデルが顔をそろえたスバルのBEV。伝統的な水平対向エンジンやシンメトリカルAWDはこの先どうなるのか? スバルの未来戦略を探る。 -
レクサスES350h(FF/CVT)/ES350e(FWD)/ES500e(4WD)【海外試乗記】
2026.6.3試乗記「レクサスES」がフルモデルチェンジ。シャシーがFFベースというのは歴代モデルと同じだが、新型ではボディーサイズがググッと拡大。「LS」の6輪ミニバンコンセプトが登場したこともあり、今後のレクサスセダンの総代を担うことになる。北米で乗った印象をリポートする。 -
ミドシップ化で運動性能はどう変わる? 「GRヤリスMコンセプト」の現時点での完成度を体感
2026.6.3デイリーコラム「GRヤリス」をベースとしたミドシップ4WDとして市販化を目指す「GRヤリスMコンセプト」。現在もスーパー耐久に投入されるなどして鍛えられているが、その開発車両をドライブできた。普通のGRヤリスとの運動性能の違いや、新開発エンジンの印象などをリポートする。