スバルR2(CVT)【試乗記(前編)】
驚かすのは、鬼面のみならず(前編) 2003.12.19 試乗記 スバルR2(CVT) ……86.0〜140.0万円 四角いハイトワゴン系「プレオ」転じて、ヒコーキメーカーの流れを強調したデザインを内外に採用した、ワンモーションフォルムの「R2」に。新しいスバルの軽自動車はどうなのか? 『webCG』コンテンツエディターのアオキがプレス試乗会に参加した。フォレスター、レガシィ、R2
「R2」は、実にまっとうなクルマだった。2003年の東京モーターショーで披露され、ヒトを驚かす鬼面(!?)ばかりが話題になったスバルの新型「軽」。プレス試乗会に赴いたリポーターの興味も、もっぱら「街で見たらどうだろう?」にあったのだが、実際にステアリングホイールを握ってビックリ! スバルR2は、「軽自動車」というより、小さな小型車だった。ドライブフィールがしっかりしている。
試乗を終え、R2の開発をとりまとめた西尾貞典スバル商品企画本部プロジェクトゼネラルマネージャーに感想を述べると、“純然たる技術者”のイメージをもつ西尾さんは、その理由として、まず「ボディのつくり」を挙げられた。軽量化を果たしつつ「従来の1.8倍ものボディ剛性を得ました」と、西尾さんはおっしゃる。
「フォレスター」で導入をはじめ、「レガシィ」で花開いた(とリポーターが勝手に考えている)“軽く強い”ボディをつくる技術−−高張力鋼板の多用や厚さの違う鉄板をプレス加工する「テーラードブランク」、蓄積された解析データなど−−が、富士重工のニューミニに惜しげなく投入された。
カタログに記載されるR2の車重は770-870kg。先輩の「プレオ」が790-940kg。もともとウェイトの削り代が小さい軽自動車にして、かつ新しい衝突安全技術ほかを採り入れ、ボディ剛性を上げながらだから、そうとうガンバッタんじゃないでしょうか。広報資料によると、ボディそのもので30kg軽くなったという。
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デザインを守る
試乗前の最大の関心事であったエクステリアについて自分なりにまとめると、「フェイスは意外に違和感ない」「サイドは、ちょっと“ビジィ”かなぁ」「リアビューは明らかに“変”」。
特に斜め後ろからのスタイルは独特で、試乗会場に戻るテスト車の1台を追いかけながら観察すると、四隅のタイヤを強調するホイールアーチ、やけに上に位置するリアグラスとストップランプ、絶対的なハイトはないのに、上下方向に妙な“間延び感”があるのがわかった。21世紀のニッポンにいることを実感させるクルマである。
好き嫌いが分かれるだろうことは、R2の開発陣も認めていて、……ハナシのポイントがずれるのだが、印象的だったのは、オリジナルのデザインを守るために、エンジニアの方々が「非常な苦労をした」ということを、楽しげに話される姿だった。
「……ヘッドライトは、(表面上はともかく)実際にはランプを埋め込まなければいけないわけで、元のデザインを実現するためには、コンポーネンツが(エンジンルーム内の)かなり後ろに置かれ、するとエアクリーナーが押され、性能を出したいエンジン担当者と口論になる……」。
おそらく、「ハードウェアはすばらしいけれど、いまひとつあか抜けない」というスバル車の定評(!?)を払拭する必要性が、開発の現場レベルまで浸透してきたのだろう。
2002年3月28日に、富士重工は、元アルファロメオのアンドレアス・ザパティナス氏を、同社のアドバンスト・デザイン担当のチーフデザイナーとして起用することを発表した。R2に関しては、開発の進捗度合いから、社内でまとめたデザインに、ザパティナス氏が多少の手直しを加えた程度だというが、今後のスバル車は、ハードウェアのみならず、デザイン面でも声高に主張していくことが感じられる。よくも悪くも。(後編へつづく)
(文=webCGアオキ/写真=峰 昌宏/2003年12月)
・スバルR2【短評(後編)】(2003/12/20)
http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/000014505.html

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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