第80回:「カーテレマティックス」って本当はどーなの?ますますクルマが“携帯化”するハナシ
2003.12.12 小沢コージの勢いまかせ!第80回:「カーテレマティックス」って本当はどーなの?ますますクルマが“携帯化”するハナシ
■規制緩和で発展中
こないだ、俺の知り合いの知り合いのPR会社の人が来て、ひとしきり演説をぶって帰られました。その話が意外に面白かったので、ちょいとお耳を。
その人は、携帯電話「au」に関する新サービスプロモーションの仕事をしてるのね。その名も「モバイルロードサービス」。
要するにロードサービス、つまりJAFみたく、路上の故障やバッテリーあがりなどに対応してくれる「お助けサービス」なんだけど、2003年11月から携帯電話を使って、一部サービスが受けられるようになったというのだ。
ポイントは3つ。1つ目は、上記の「携帯を使ってこのサービスを受けられる」ってこと。現在は、auのインターネット接続サービス「EZweb」(DOCOMOのiモードにあたる)を使って公式サイトから入会できるのがミソなんだけど、2004年からはボーダフォン、DOCOMOからでも可能になるとか。
2つ目は料金の安さ。普通の24時間ロードサービス「スタンダードクラス」が月々150円で、レンタカーやホテルの手配を含むアフターフォロー付き「プレミアムクラス」でも200円。
やけに安いなぁ……と思ったら当たり前で、実はこのサービス、全国7300の事業所ネットワークを持つ民間団体「JRS」(日本ロードサービス)を使うことになっているのだ。JAFにつぐ大規模なJRSの料金は、年間2000円で入会金ナシ。月々150円ってのも全然不思議じゃない。ちなみに、JAFは年間 4000円で入会金2000円。
日本のロードサービス業ってのは、1997年4月の規制緩和で、民間企業に門戸が開かれて以来、いろいろ発展中。JRSは「JRに対する私鉄」みたいに、民間の力を駆使して料金を安くしてる、ってのが特徴。現状ではこの2つのほかに、日本では「カーコンビニ倶楽部」がやってる「カーレスキュー70」というのがあって、コイツは拠点6300店。年間2000円の料金はJRSと同額だ。
3つ目のポイントが面白い。実は携帯でロードサービスを受ける最大のメリットでもあるのだが、ナビでお馴染みのGPS機能が有効に使えるのだ。要するに「GPS機能付きの携帯」があれば、自分の位置、住所を教えなくても、修理カーがその場所へ勝手に来てくれるってワケ。都内はもちろん、田舎のヘンピな場所だと役に立ちそうだよねぇ。
■メーカーの枠を超える
といったハナシはさておき、ここからが本題。実は「携帯でロードサービス」ってのは、カーレスキュー70でもやってるようで、それほど目新しくはない。モバイルを使う真の目的は、さらなる“クルマの携帯化”にあるらしい。
トヨタがやってるテレマティクスサービス「G-BOOK」ってあるよね。クルマからメールが打てたり、ホームページ的なモノが見られる端末が、ナビゲーションシステムについてるアレ。いわば「クルマの携帯化」なわけだけど、トヨタの新車にしか付けられないのが難だった。今後はスバルや三菱など、提携他社が使ってくるとはいえ。でね。04年の秋に、G-BOOKの普及版というかパーツ版というか、某社が同様の機能をもつナビを出す、というのだ。おそらくモーターショーでも出品されてたんでしょう。
コイツはG-BOOKのように通信機能を内蔵しており、メールやウェブサイトが見られるのはもちろん、無線LANを利用して、“とある場所”に行けば「映画の予告編」や「古い映画」「ドラマ」「ナビの最新情報」などを、どんどんダウンロードできるという。
“とある場所”というのは、「コンビニ」や「ガソリンスタンド」「道の駅」だったり。そこに設置してある「自動販売機」に端末が内臓してあるのだ。
うーむ、インターネットカフェ、ならぬ「インターネットコンビニ」「インターネット道の駅」って感じですか。カーテレマティックス(クルマの情報通信技術)、“クルマの携帯化”はこうやって進むんですねぇ。初めてイメージできました。
そうそう、冒頭の話に戻るけど、auの「モバイルロードサービス」ってのは、04年に始まる、普及版テレマティクスの布石なんだって。入会しておくと、そのまま新サービスに移行できたり、案内があったりするらしい。
いやはや時代の変化は早いですわ。
(文=小沢コージ/2003年12月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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