第76回:プジョー「307CC」試乗!206には戻れない!?
2003.10.20 小沢コージの勢いまかせ!第76回:プジョー「307CC」試乗!206には戻れない!?
■次世代に突入した“CC”
ちょっと遅くなりましたが、この間プジョー「307CC」のヨーロッパ試乗会に行ってまいりました。俺は307CCの“先輩”ともいうべき、「206CC」のオーナーなんでね。最近乗ってないけど。
「206CCよりどう進化したか?」「ベースが307になってどうなったか?」って視点で見ていったんだけど、全然違うんだよね。
感想としては「別物」。っちゅうか、次世代に突入した感じ。つまり、206→ฺ307という車格の向上というより、もはや1代目CC→ฺ2代目CCへの進化なのだ。このビミョーなニュアンスの違い、わかってもらえるだろうか。うーむ。
あのね。206CCって俺としては「総トレンドぶち込みグルマ」もしくは「ミーハー要素総ざらいグルマ」だったわけです。「CC」(クーペカブリオレ)、つまり最新の「ハードトップ+オープン」要素を持っていて、流行の「プジョーブランド」がリリースした「4シーターカブリオレ」。しかも「300万円以下」(1.6リッター)と、値段もお手ごろ。なんちゅーか、ウケそうな要素をすべて取り入れた八方美人グルマ。グッチの○×△やディオールの□×○とか、そんな感じでした。でね。その座は完全にコイツに奪われたって感じなのよ。307CCに。
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■もはや「別格」
まずね。当然「CC」だから、ハードトップカブリオレなのは同じだけど、断然「スタイル」がいい。206CCの場合、フロントからみるとウィンドウスクリーンが寝ててカッコいいのはいいんだけど、後ろからみると、ちょっと「ゲンコツ」っぽくってカッコよくなかった。それが307CCにはない。後ろから見てもスマート。ヘタすっと、ノーマルのハッチバックよりいい。
それから、206CCは“CC”化によって屋根が重くなったせいか、足まわりが硬すぎた。ハッキリいってプジョーの最大の美点のひとつ、「ネコ足」がスポイルされてたのよ。ところが307CCは全然そんなことない。十二分に「ネコ足」。さらに、今度から「完全4シーター」と呼べるようになったのもデカい。206CCのリアシートも、2人乗りだったとはいえ、実際のところ「2+2」。 307CCも、デカい男性がリアに座ると多少は頭がルーフに触れそうになるとはいえ、全体のゆったり感は比較にならない。かなりの長距離でもOK。
ついでに、エンジンも素晴らしかった。特にハイパワーの2リッター直4エンジン(177ps)は、ユニットこそ206RCと同じなんだけど、RCと較べてより滑らかにまわり、粘る感じ。印象はかなりよかった。
つまりね。その満足度の高さに正直、「もう206CCなんて乗ってらんないや!」って感じだったのだ。
新型プリウスに乗ってしまった今、もはや旧型に戻れないように、CCシリーズの「質」の向上はデカい。繰り返しになるけど、もはや「別格」。今、206CCに乗るってことは、超美人と飲んだ後に、そうでない人と飲み会でもしてるようです……。
なんてまあ、日本に帰ってきて乗ったら別の感想になるかもしれないし、値段も全然違うからね。206CCは275.0万円で、307CCは400万円弱ってウワサだもん。その違いは大きいんだけどさ。
とにかく、トレンディな商品として大変よくできていました。次期プジョーWRカーのベース車両になるっておいしさもあるし、ハッキリ言って「買い」なんじゃないでしょうか。いやホント。
(文=小沢コージ/2003年10月)

小沢 コージ
神奈川県横浜市出身。某私立大学を卒業し、某自動車メーカーに就職。半年後に辞め、自動車専門誌『NAVI』の編集部員を経て、現在フリーの自動車ジャーナリストとして活躍中。ロンドン五輪で好成績をあげた「トビウオジャパン」27人が語る『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた』(集英社)に携わる。 YouTubeチャンネル『小沢コージのKozziTV』
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