トヨタ・ウィッシュG(FF/CVT)【ブリーフテスト】
トヨタ・ウィッシュG(FF/CVT) 2003.09.20 試乗記 ……237.0万円 総合評価……★★★ デビューから半年以上たっても、依然、好調な販売を見せるトヨタの3列シートミニバン「ウィッシュ」。いわゆる5ナンバーサイズのピープルムーバーに、笹目二朗が乗った。どこかで見たような
トヨタ製品から受ける大雑把な印象は、まずどこかで見たようなカッコと言うか、オリジナル性が感じられない点だが、内容は改良上手な適性を活かして、ほとんどNG域がないことに感心する。概してソツなくまとめられており、他と直接比較しなければ、大半が肯定され納得させられてしまう。特に「50m評価」と称される、乗り込んだ初期のうちにイイナーと思わせる術に長けている。
どうしてもNGが付くのは、足踏み式サイドブレーキの2度踏みリリース方式くらいのものだ。この手のものでは、キャディラック方式のように、ギアを入れたら自動的に解除される方が便利で、走行中に単独使用しても、ペダルから足を放せばリリースされるからまったく問題ない。トヨタ方式では誤って踏んでしまったとき、ブレーキ状態で固定され、停止して再度ペダルを踏みなおさないと解除できない、これは高速道路などでは危険でもある。サイドブレーキにはフットブレーキが故障した時の緊急ブレーキの役目もある。トヨタ方式の場合だと反復使用できないから、フェードする可能性もあり、ロックしたらスピンを招く恐れさえある。早急の改善が望ましいと思う。
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【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
ウィッシュは2003年1月20日にデビュー。中型セダン「プレミオ/アリオン」のプラットフォームに“スタイリッシュ”を謳うモノフォルムのボディを被せた、3列シート7人乗りのピープルムーバーである。2003年4月に2.0リッターエンジン搭載車が追加された。グレードは、132psと17.3kgm(4WDは125psと16.4kgm)を発する、1.8リッター直4DOHC(1ZZ-FE)を積む「1.8X」(2WD/4WD)。これに、廉価版「Eパッケージ」(FFのみ)と、豪華版「Sパッケージ」(FF/4WD)が用意される。後に追加された2.0リッター直4DOHC直噴(1AZ-FSE)は、155psと19.6kgmを発揮。ベーシック装備の「G」、スポーティな「Z」に搭載される。
(グレード概要)
オートエアコン、CDプレーヤー付きAM/FMラジオ+4スピーカーなどのほか、キーを携帯していれば、ドアハンドルに触れるだけで開錠できる「スマートドアロック」も標準で備わる。「G」のインテリアは、助手席シートバックテーブルが省かれるほか、本革巻ステアリングホイールとシフトノブが樹脂製となる。UVカットガラスはフロントドアが撥水機能付となり、ヒーター・レインクリアリング付の電動格納式リモコンドアミラーも装備される。前後ディスクブレーキを装着し、195/65R15のタイヤにはスチールホイール+キャップ。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★
丸三つ重ねたメーターは、詰める必要もないのに、メーターナセル内を窮屈に見せている。センターパネルのアイディアはいいが、空調、スイッチ関係の配置は雑然としている。インパネシフトの発想もいいが、もっとレバー位置と角度に工夫が欲しい。オプションのブラインド/バックモニターは便利。さらなる改良も期待できる。だが前端付近が見にくいことは解消されない。ヴォイジャーのように前下りの棚面にして、見せる努力と目隠し面積を狭くして欲しい。
(前席)……★★★
つくりそのものは比較的かっしり硬めでいい。基本的な形状もまずまず。ランバーサポートはやはり必要だと思う。初期の印象とは違い、時間とともにルーズな姿勢になってしまい、そんなときに調整機構に頼りたくなる。狭いけれどウォークスルーできるのは便利。踏み込み式サイドブレーキは2度踏みリリース方法が難点。要改善。
(2列目シート)……★★★
7人乗りと6人乗りの差は、この中央シートが3人掛か独立した2人用かの違い。で、集約意見として便利なのは3人がけだが、2脚版は3列目シートとウォークスルーが可能となり、ファミリーカーとしてはこれも捨てがたい。内装はダークグレー仕様しかないのが寂しい。比較的若い家族がターゲットと思われ、そうした需要を考慮し明るい内装の設定も欲しい。
(3列目シート)……★★★
乗込時のアクセスはまずまずだが、降りる時に前のシートを倒すレバーに手が届きにくい。座ってしまえば、空間も十分。ヘッドクリアランスも不足ない。リアウィンドウが後頭部に迫るのはやむをえまい。折り畳まれてしまう機構をもつシートにしては座り心地も悪くない。走行中の突き上げ感としては、3列目ゆえにそこそこ。
(荷室)……★★
3列目のシートをそのままにしていると、荷物を積むスペースはかなり狭い。畳めば改善されるというのは考え方だけで、現実に6人なり7人が乗って移動するとなると、かなり限られる。バックウィンドウをもっと立てた車もあるし、寝かしたからカッコイイとも言えない。デザイナーの仕事として可能性を残す。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
2リッターの排気量は適当。レギュラーガスが使え経済性にも配慮されている。CVTのチューンは良好。ブカブカ空転している感じもないし、回転域によって音が不当に高まることもない。トルコンATのキックダウンにあたる低ギア比への移行もスムーズ。ただしレスポンスとしてはさらに素早さが欲しい。エンジンブレーキも、もっと強力に。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★
路面からの入力が低レベルの範囲ではかなり快適。ボディはフラットで、ロードノイズなどの遮音も完璧にちかく、静かで概して乗り心地はいい。目地段差などハーシュネスもよく抑えられている。だが速度が上がり、すこし入力が大きくなると、ブルブルした微振動が残り、ほかが完璧に近いだけに妙に気になる。操縦安定性は特に感銘も受けないが、破綻することなく信頼できる。
(写真=清水健太)
【テストデータ】
報告者:笹目二朗
テスト日:2003年6月4日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2003年型
テスト車の走行距離:1406km
タイヤ:(前)195/65R15(後)同じ
オプション装備:DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーション(6.5型液晶ワイドマルチディスプレイ+MD/CD一体AM/FMマルチ電子チューナー付ラジオ+6スピーカー)+ガラスアンテナ (ダイバシティ・TV用)/バックガイドモニター&ブラインドコーナーモニター/ステアリングスイッチ/ラジオレス+4スピーカー/電動チルト&スライドムーンルーフ/195/65R15 タイヤ&6JJ アルミホイール/SRSサイドエアバッグ(フロントシート)&SRSカーテンシールドエアバッグ(フロント・セカンドシート)/盗難防止システム(エンジンイモビライザーシステム)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(4):高速道路(5):山岳路(1)
テスト距離:285.6km
使用燃料:29.0リッター
参考燃費:9.8km/リッター

笹目 二朗
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