【スペック】全長×全幅×全高=3395×1475×1530mm/ホイールベース=2390mm/車重=790kg/駆動方式=FF/0.66リッター直3DOHC12バルブターボ・インタークーラー付(64ps/6400rpm、10.5kgm/3200rpm)/車両本体価格=120.0万円(テスト車=136.5万円)

ダイハツ ミラアヴィ RS(4AT)【ブリーフテスト】

ダイハツ ミラアヴィ RS(4AT) 2003.03.12 試乗記 阪 和明 ……136.5万円 総合評価……★★★★

優れたミニマムトランスポーター

全体によくまとまっている。これが試乗後の印象である。東京の中心部のようにクルマがひしめいている街では、やはりサイズの小さい軽自動車がとても便利だ。動力性能にしても品質にしても、あたりまえだが、昔の“軽”より格段に進歩している。燃費も向上しているので環境にやさしい点も評価できる。このミラアヴィもそうした現代の軽自動車の例に漏れないバランスのとれたクルマに仕上っている。限られたボディサイズのなかに充分な室内空間が確保されているのも嬉しい。ライバルに比較してそれほど背が高くないことも好ましく、タワーパーキングへの駐車も問題ない。ともかく優れたミニマムトランスポーターで、街なか主体にクルマと暮らす人にお薦めしたいクルマの一台。

【概要】どんなクルマ?

(シリーズ概要)
2002年12月20日から販売が開始された6代目「ミラ」。先行デビューした「ムーヴ」にも使われる新開発プラットフォームを採用。先代より30mm長い1390mmのホイールベースに、軽規格いっぱいのボディを載せる。ユーザー年齢層の上昇に歯止めをかけるため、従来型「お洒落で活動的なミセス」(プレス資料)向けのミラに加え、「知的でアクティブな若い女性」をターゲットとしたミラアヴィをラインナップ。縦型の大きなヘッドランプとボリュームアップしたボンネットで差別化を図る。ちなみに、アヴィとは「Attractive & Vivid Mini」の略。ミラには3ドアと5ドア、アヴィには5ドアのみが設定される。パワーソースは、ミラに0.66リッター直列3気筒のSOHCとDOHC、ミラアヴィには同DOHCとDOHCターボが用意される。組み合わされるトランスミッションは、3段AT、4段AT、5段MT、そしてCVTと多彩。FF(前輪駆動)ほか、4WDモデルあり。
(グレード概要)
ミラアヴィのグレード構成は、ツインカム12バルブ(58ps、6.5kgm)を積むベーシックな「L」と上級版「X」、同ターボ(64ps、10.5kgm)の「R」と最上級モデル「RS」で構成される。テスト車「RS」と「R」の違いは、ホイールが15インチと14インチ、前者の標準オーディオが「ラジオ+CD +MDプレイヤー」、後者はMDプレイヤーのかわりにカセットとなる。また、ディスチャージヘッドランプは「RS」のみ標準装備される。

【車内&荷室空間】乗ってみると?

(インパネ+装備)……★★★
ノーマルのミラとの差別化をはかるべく、女性ドライバーをターゲットにして開発されたアヴィ。とはいえ、インストルメンタルパネルのデザインは、とくに女性を意識したものではなく、むしろ誰からも受け容れられるはずだ。ただしウッドパネルは背伸びしているようで個人的には好きになれない部分。足として使うクルマに必要性は感じられない。加えていただけないのは、プラスチックパーツの合わせ目が均一じゃないところだ。もうすこし質感を上げてほしい。
上級グレードの「RS」ということもあり、装備やアクセサリーに関しては満足できる。なんの不足もない。
(前席)……★★★
シート座面が適度に高いので、乗り降りしやすいのが最大の美点。同じ理由で視界もよく小柄な人でも運転しやすいこと請け合いだ。レバー、スイッチ類の操作性はおおむねよいが、ひとつ残念なのはパワーウィンドー・スイッチの位置だ。インパネ右端に位置するためにドライバーからやや遠く、しかもステアリングホイールやウィンカーレバーの陰になって最初のうちは確認しづらい。慣れれば済むことだが。
(後席)……★★★★
とにかく広いのがよい。足元の広さは特筆すべきで、前のシートの下にすんなりつま先を滑り込ませられる。またヘッドルームも充分だから窮屈な感じはまったくない。シートバックはやや立ち気味だが、これくらいのほうが長い間座ったときにかえって疲れないだろう。前席同様に乗降性にも優れており、これはシートの座面高さばかりでなく、ほとんど直角近くまで開くドアの恩恵でもある。
(荷室)……★★★
それなりである。とくべつ広くはないが、スーパーで買出しした際のビニール袋の5、6個は楽に入る。いざ大きな荷物を積むなら後席のシートバックを畳めばよい。分割式可倒シートでないのが玉に瑕だろうか。

【ドライブフィール】 運転すると?

(エンジン+トランスミッション)……★★★★
インタークーラー付きターボチャージャーと組合されたエンジンは、申し分ないだけのパワーとトルクを生み出してくれる。車重790kgのボディにとっては充分すぎるほどの力の持ち主だ。低中速トルクの物足りなさもなく、同時にスロットルの動きにリニアに反応して力を得られるのは気持ちいい。4段ATとの相性もよく、とにかく軽自動車とは思えないほどの加速が得られる。高速道路での走りっぷりもよく、いい気になって飛ばしていると、すぐにリミッターが働いて失速するほどだ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
サスペンションの基本的セッティングは柔らかめだ。低速では多少ゴツゴツするが無粋な突き上げはうまく遮断されている。小さいクルマにありがちなピョコピョコしたところはなく、なかなかフラットな乗り心地を実現しているから、長距離走り続けても嫌になることはない。コーナリング中のロールはそれほど小さくないが不安を覚えるほどでもなく、安心して速く走れる。ひとつ気になったのがステアリングのアシストがやや強めで、街中を走るときはいいにしても、高速巡航ではビギナードライバーは軽いステアリングに慣れるまで神経を遣うかもしれない。

(写真=清水健太)

【テストデータ】

報告者:阪和明(CG編集局長)
テスト日:2003年2月11日〜12日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2002年型
テスト車の走行距離:2515km
タイヤ:(前)165/55R15 75V(後)同じ(いずれもダンロップXP Sport 300)
オプション装備:DVSII(トラクションコントロール+横滑り制御)=5.5万円/セーフティパック(SRSカーテンシールドエアバッグ&SRSサイドエアバッグ+運転席アシストグリップ+ダイナミックサポートヘッドレスト(フロント)+撥水ドアガラス(フロント))=9.0万円/ボディカラーパールホワイトI=2.0万円
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(○):高速道路(○)
テスト距離:200.2km
使用燃料:23.3リッター
参考燃費:8.6km/リッター



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写真をクリックするとシートが倒れるさまが見られます。

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