ホンダ、大型SUV「MDX」発表、1700台限定
2003.02.28 自動車ニュースホンダ、大型SUV「MDX」発表、1700台限定
本田技研工業は、3列シートをもつ7人乗りの大型SUV「MDX」を、2003年2月27日に発表した。販売開始は同年3月14日から、台数は1700台のみ。
■北米発の“プレミアムSUV”
「MDX」は、カナダはオンタリオ州アリストンにある「Honda of Canada Manufacturing」で生産され、日本へ輸入される新型SUV。北米ではホンダの高級販売チャネル「アキュラ」の名を冠し、既に発売されている。
コンセプトは、あらゆる路面状況での高いコントロール性能と、上質なゆとりと快適性をあわせもつ“プレミアムSUV”。同じ北米生まれの大型ミニバン「ラグレイト」をベースに、3列シート7人乗りの大柄なボディ、3.5リッターV6+5段AT、そして新開発の電子制御可変トルク配分4WD「VTM-4」などを採用。「エクスクルーシブ」のモノグレード設定で、485.0万円のプライスタグをつけ、1700台だけ限定販売する、というから、かなり実験的な意味合いもあろう。
想定ライバルは、BMW「X5」、メルセデスベンツ「ML」、あるいはトヨタ「ハリアー」(北米モデル:レクサスRX)といったところか。
ボディサイズは、全長×全幅×全高=4790×1955×1820mm、ホイールベース2700mm。国内のライバルと目される、トヨタ「ハリアー」(同4730×1845×1670mm、2715mm)よりひとまわり大きく、全幅は「レンジローバー」(4950×1955×1865mm、2880mm)に匹敵するといえば、ずいぶん大柄であることが分かるだろう。
ショートノーズでキャビンを大きくとったパッケージをもつデザインは、大地を力強く疾走し、イザという時には俊敏な動物“サイ”をイメージしたものという。
■ショートノーズ&低床
インテリアでは、モダン建築様式“サンタフェ・スタイル”をテーマに、上級車としての質の高さを表現。ダッシュボードやセンターコンソールは曲面デザイン、アクセントに木目調パネルや本革素材を組み合わせ、“知的で上質な心地よい空間”を目指した。
エンジンなどのメカニカルコンポーネントをコンパクト化。あわせてショートノーズと低床化を実現し、3列目まで大人が十分に乗車できる広いスペースをつくり出したという。シートアレンジは多彩で、2列目は6:4、3列目は5:5の分割可倒式。2列目左右両席には前後スライド機構を採用し、3列目への乗降性に配慮した。荷室容量は、7人乗車時で208リッター。2列目と3列目シートを倒せば、最大1104リッター(いずれもVDA方式)のラゲッジスペースが出現する。
パッセンジャーのための装備も充実。後席フルオートエアコン、DVDナビゲーションシステムに加え、2&3列目シート専用の7インチ液晶ディスプレイや、ワイヤレスヘッドフォン(2個)などが標準で備わる。
■新開発4WDシステム「VTM-4」
エンジンは、3.5リッターV6 SOHC「VTEC」ユニット。形式は「J35A」でラグレイトと同じながら、可変吸気システムの採用などにより、20psと2.2kgmそれぞれアップ。260ps/5800rpmの最高出力と35.2kgm/3500rpmの最大トルクを発生する。トランスミッションは、5段ATのみだ。
キャタライザーや電子制御スロットルによる、高い環境性能もジマンのひとつ。2020kgを超える重量ながら、「超-低排出ガス車」認定、「平成22年度燃費基準」にも適合する。
技術的ハイライトが、新しい「VTM-4」(バリアブル・トルク・マネージメント4WDシステム)だ。リアディファレンシャル内に搭載される、新開発の電子制御可変トルクツインクラッチ機構が、センターLSDとリアLSD機能を兼ね備え、前後トルク配分を100:0(前輪駆動)から50:50まで無段階に制御。定常走行は前輪駆動として燃費に配慮し、発進加速時や、路面状況などにより前輪のトラクションが不足する状況では後輪を駆動する。さらに、ABSとTCSに横滑り抑制機能を加えた「VSA」(車両挙動安定化制御システム)が、安定した走りをもたらすとされる。
(webCGオオサワ)
本田技研工業「MDX」:
http://www.honda.co.jp/MDX/
アキュラ「MDX」の試乗記が『webCG』に掲載されています。
アキュラ・MDX(5AT)【短評】:http://www.webcg.net/WEBCG/impressions/033.html
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