アキュラMDX【海外試乗記】
「アメリカでならハッピー!」 2000.09.17 試乗記 アキュラMDX(5AT) 2000年1月のデトロイトショーでプロトタイプを発表。3カ月後のニューヨークショーで正式デビューを果たしたホンダの高級販売チャネル「アキュラ」のSUV、MDX。ラグレイトベースのラグジュアリーヨンクに、CG編集部 渡辺慎太郎が、彼の地で乗ってきた。![]() |
ベースはラグレイト
北米では相変わらずSUVがバカみたいに売れていて、この波に乗らない手はないとどこの自動車メーカーも考える。でも、あんまりお金はかけたくないから、なんかうまい方法はないかと知恵を絞ってみたりする。
ホンダも絞ってみたわけだ。
絞って出てきた妙案が、ラグレイトのシャシーを流用し、3.5リッターのV6も流用し、ついでにカナダの生産ラインも流用し、まったく新しいSUVをつくってしまおうというもの。
北米をメインマーケットにするのだからいっそ開発も現地でやっちゃえ、アメリカはいまバブルだから高級仕立てにして「アキュラ」ブランドで売っちゃえと、そんなぶっきらぼうな言い方をホンダの役員の方々がしたかどうかは知らないが、こうして誕生したのがアキュラMDXというクルマである。
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通常は前輪駆動
そうは言っても、さすがエンジニアリングのホンダである。「VTM-4」と呼ばれる4WDシステムは、新たに開発されたもの。
通常は前輪だけを駆動し、状況に応じてリアデフと一体化した油圧多板式クラッチを電子制御、後輪にも駆動力を伝える。2トン近くのボディをダラーッと果てしなく長いフリーウェイで真っ直ぐ走らせるには、FWD(前輪駆動)のほうが効果的だし経済的だということを、ホンダはよくわかっている。
ラグレイトよりもパワーアップされたV6は、巨体をものともせずにグイグイと引っ張ってくれるので、ストレスは溜まらない。ハンドリングはさすがにクイック、というわけにはいかないが、足まわりがしっかりチューニングされているので、この手のクルマにありがちな、ステアリングを切った途端にガクンとする場面に出くわすこともなく、自然に右へ左へ向きを変えられる。
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日本導入も?
アキュラMDXの仮想敵は、レクサスLX470(邦名トヨタ・ランドクルーザー・シグナス)。4.7リッターV8のライバルに対し、こちらは3.5リッターV6というハンディはあるが、そのぶん、2万ドル以上安い。「3列シートの7人乗り」という機能は変わらないから、北米ではきっとそこそこ売れるだろう。
ホンダは、このクルマを日本へ導入することを企てているらしい。アメリカ人のアメリカ人によるアメリカ人のためのクルマが、果たして狭い狭いニッポンに住むニッポン人までハッピーにしてくれるのか? ワタシにはそうは思えないのですが……。
(文=CG編集部 渡辺慎太郎/写真=本田技研工業)

渡辺 慎太郎
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