ダイハツ・ミラアヴィ FF L(4AT)【ブリーフテスト】
ダイハツ・ミラアヴィ FF L(4AT) 2003.02.19 試乗記 ……94.0万円 総合評価……★★★★到達点
「ミラ」ユーザーの若返りを狙う「Attractive & Vivid Mini」こと「ミラアヴィ」。ビックリ顔とボリューム感あるボンネットで、なかの女性をホッソリ見せる。“ミセス”向けミラより装備充実、高めの価格設定は、両者の可処分所得の差を考慮したためか。5ドアボディにツインカム直3搭載。広い室内。高い質感。新開発プラットフォームのポテンシャルを活かし、かつ運動性能に有利なディメンションゆえ、街乗り満足、高速でも不満ナシ。小型車担当エンジニアの顔色なからしめる。難を言えば、エンジンを回すとウルサイ、というか、小排気量ゆえ回さざるを得ない場面が多いことで、だがしかし、排気量を拡大すると「軽」じゃなくなる。現行軽自動車規格におけるひとつの到達点。
【概要】どんなクルマ?
(シリーズ概要)
2002年12月20日から販売が開始された6代目「ミラ」。先行デビューした「ムーヴ」にも使われる新開発プラットフォームを採用。先代より30mm長い1390mmのホイールベースに、軽規格いっぱいのボディを載せる。ユーザー年齢層の上昇に歯止めをかけるため、従来型「お洒落で活動的なミセス」(プレス資料)向けのミラに加え、「知的でアクティブな若い女性」をターゲットとしたミラアヴィをラインナップ。縦型の大きなヘッドランプとボリュームアップしたボンネットで差別化を図る。ちなみに、アヴィとは「Attractive & Vivid Mini」の略。ミラには3ドアと5ドア、アヴィには5ドアのみが設定される。パワーソースは、ミラに0.66リッター直列3気筒のSOHCとDOHC、ミラアヴィには同DOHCとDOHCターボが用意される。組み合わされるトランスミッションは、3段AT、4段AT、5段MT、そしてCVTと多彩。FF(前輪駆動)ほか、4WDモデルあり。
(グレード概要)
ミラアヴィのグレード構成は、ツインカム12バルブ(58ps、6.5kgm)を積むベーシックな「L」と上級版「X」、同ターボ(64ps、10.5kgm)の「R」と最上級モデル「RS」で構成される。テスト車「L」と「X」の違いは、ホイールが13インチと14インチ、前者の標準オーディオが「ラジオ+CD +カセット」、後者はカセットのかわりにMDプレイヤーとなる。運転席バニティミラー、助手席フットレスト、助手席シートアンダートレイなどの有無も異なる。
【車内&荷室空間】乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
親会社たるトヨタのスタンダードが採り入れられたと想像される質感の高さ。大きな速度計がシンプルで好ましい。一方、センタークラスター両脇のウッド調パネルはいかがなものか。上級グレードになるとさらにステアリングホイールが「MOMOウッドステアリング」となるが……。テスト車の「L」はベーシックグレードだが、「パワーステアリング」「エアコン」「パワーウィンドウ」「電動格納式ミラー」そして「2人分のカップホルダー」と、必要な装備はひととおり揃える。
(前席)……★★★
姉妹モデル「ムーヴ」同様、4枚のドアは90度近くまで開き、乗降性に配慮された。シートの着座位置は、いわゆるハイトワゴン流行の影響か、ミラ/ミラアヴィとも先代より40/70mm高くなった。その分(?)車高も増したので、乗員の広々感は高い。適度なサイズのシート。ほどほどの座り心地。追突されたときに、ヘッドレストを前に動かして頸部のダメージを軽減する「ダイナミックサポートヘッドレスト」と、「前席ダブルエアバッグ」を標準で備える。
(後席)……★★★★
コンパクトな外観からはまったく予想されない広いリアシート。膝前の余裕は驚くばかり。そのヒミツは、荷室を「ほとんど使われない」と割り切り、限られたスペースを後部座席に割り振ったことにある。現実に即した達見である。3点式シートベルトと、伸縮可能なヘッドレストが頼もしい。
(荷室)……★★
床面最大幅90cm、奥行き40cm、パーセルシェルフまでの高さ45cmと、ミニマムなラゲッジルーム。「普段はあまり使わず、大きな荷物を積むときは後席バックレストを倒せばいい」というのが、開発陣の主張。なるほど。
【ドライブフィール】運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
「DVVT」こと可変バルブタイミング機構を備えたツインカム4バルブユニット。58ps/7600pmの最高出力と6.5kgm/4000rpmの最大トルクは先代と変わらないが、「インテリジェント触媒」と名づけられた、熱による劣化がすくない触媒を採用や、平成12年基準排出ガス75%低減レベル(3ツ星)達成など、動力性能より環境面において進化を果たした。エンジン、トランスミッションとも、街なかドライブでは、なんら不満はない。加速時や、ハイスピードクルージングではエンジン音が高まってウルサイが、これは0.66リッターという規格の限界だろう。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
先代より30mmストレッチされたホイールベース、ストローク量が増やされた足まわり。前後にヒョコヒョコすることなく、しっかり走る。ミラアヴィは、ベーシックな「L」でも、一般的な小型車に遜色ない乗り心地をもつ。フロントサスペンションにはスタビライザーが備わり、コーナーでは適度に踏ん張る。テスト車のタイヤサイズは「145/80R13」と、上級版の「155/65R14」よりひとまわり普及版(?)だが、これで充分だ。
(写真=高橋信宏)
【テストデータ】
報告者:webCG青木禎之
テスト日:2003年1月14日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2002年型
テスト車の走行距離:913km
タイヤ:(前)145/80R13 74S(後)同じ(いずれもDunlop SP10)
オプション装備:−−
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(8):高速道路(2)
テスト距離:144.2km
使用燃料:15.5リッター
参考燃費:9.3km/リッター

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
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