ボルボ C70 カブリオレ(5AT)【試乗記】
7psより1.0km/リッター 2002.11.20 試乗記 ボルボ C70 カブリオレ(5AT) ……530.0万円 2001年から日本に導入されたボルボ「C70カブリオレ」が、2003年モデルに変わった。まだ街で見かけることも少ない4座オープンに乗って、webCG記者が千葉県は幕張から九十九里浜までドライブした。予想を超えて売れた
ソフトトップをもつ4座オープン、ボルボ「C70 カブリオレ」2003年モデルの販売が、2002年11月1日から始まった。新型はフロントグリルを、従来のメッシュタイプから「40シリーズ」などと同じブラックの格子型に変更。ヘッドライトとテールライト、ハイマウントストップランプにクリアレンズを採用し、精悍で引き締まったルックスになった。加えて、エンジンマネージメントシステムや燃料噴射装置などを改良し、2002年モデルより7psと1.6kgm高い200ps/5700rpmの最高出力と、29.1kgm/1800〜5000rpmの最大トルクを発生。「10・15モード燃費」が、従来の7.9km/リッターから8.9km/リッターに向上した。
先代「S/V70」をベースに開発された「C70」シリーズは、ボルボのスポーティ系ラインナップを担うべく、クーペとカブリオレの2モデルが1996年にデビュー。日本へは1997年5月から、クーペのスポーティ版「C70クーペ T-5」が導入され、2001年にカブリオレが加わった。現在は、オープンモデルに一本化され、クーペは販売されない。
「予想を超えて売れた」と、ボルボカーズジャパンの広報担当者がいうカブリオレの販売台数は、2001年の1年間で159台。同クラスで1位にランクインするBMW「330Ciカブリオレ」の445台には及ばないが、「輸入“プレミアム”4シーターカブリオレ部門」で2位の成績である。メルセデスベンツ「CLK320カブリオレ」(740.0万円)やBMW330Ciカブリオレ(645.0万円)よりはるかにお安く、サーブ「9-3 SE2.0t カブリオレ」(480.0万円)とどっこいどっこいの、495.0万円という価格によるところが大きいだろう。
とはいえ、“ニッチカー”の域は出ないし、リポーターは東京で走っているのを見たことがない。「C70カブリオレを広く知っていただく」(広報担当者)ため、2002年11月15日に、千葉県は幕張を基点にプレス向け試乗会が開催された。
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なんともゴージャス
C70カブリオレは、8色のボディーカラーと2種類のシート生地、5色の内装色を、ユーザーが選べる受注生産品。それゆえ昨年はテスト車が1台しかなかったが、今回は7台もの試乗車が用意された。それだけチカラを入れているワケだ。
テスト車は黒のボディに、明るい灰色の革内装「グラファイト」でコーディネート。エレガンスパッケージ(30.0万円)を装着したテスト車のシートは、通常の革内装より約30%厚みのある「プレミアムソフトレザー」表皮(エレガンスパッケージ+7.0万円)だ。オプションの17インチホイールを装着した大人っぽい仕様である。
ちなみに、エレガンスパッケージはスペシャルレザーのほかに、3色のソフトトップ、前席パワーシートや、ドルビーサラウンド&サブウーハーなどを備える「プレミアムサウンド・オーディオシステム」が装備される。サブウーハーはカブリオレのために、リアシート後部のボディパネルに穴を開けて設置。「オープンで音が拡散するためもありますが、カブリオレは“楽しむクルマ”ですから」と、岡田勝也プロダクトマネージャーはいう。なんともゴージャスなハナシです。
運転席のサイズは大きめで、座った感触は体を包むソファのよう。屋根を閉めた状態でも頭上の圧迫感はない。ただ、幌左後方視界が悪いことが、ちょっと気になる。側面&後方衝突時のエネルギーを分散するキャビン後方の骨格「馬蹄形メンバー」と幌格納スペースのため、後席は左右方向、荷室は上下が狭められた。2人乗りとはいえ、後席はやや狭い。しかし荷室は、スリムなゴルフバッグなら2つ入るという。2人でゴルフに行けることが、C70カブリオレのジマンである(?)
11月中旬の寒空だけに、みなが屋根を閉めて会場を出るが、せっかくのオープンカーなので開けることにした。屋根の開け閉めに手動でのロック解除は必要なく、インパネのステアリングホイール左側にあるスイッチを押せば、約30秒でオープンになる。シートヒーターを入れ、ヒーターを全開にして、撮影のため九十九里浜を目指した。
ボディがフルフル
パワーアップしたエンジンは、1660kgもある車重のためか力強さは感じないものの、ユッタリした加速が心地よい。動力性能うんぬんより、100km/h巡航で2200rpm弱の静かなクルージングや、1km/リッター向上して8.1km/リッターになった燃費のほうが、このクルマにはきっと重要でしょう。
そう思うワケは、オープンゆえのヤワなボディ剛性にある。試乗会のブリーフィングで広報担当者の「当初ハコネでの試乗会を予定してましたが、西湘バイパスの荒れた路面が正直ツラくて……」というコトバから想像されたが、直線でも路面が荒れていればボディ全体がフルフル震え、目地段差ではAピラーだけでなくボディ全体にドシンと衝撃が伝わる。ステアリングホイールの動きに、クルマがワンテンポ遅れて動くのがわかる。
もちろんオープン化にともない、Aピラーやフロントクロスメンバーなどが補強されたが、剛性を高めるためというより、ボルボ流に衝突安全向上が主な目的である。
だからといって、ことさら不快に感じないのが不思議。テスト車は、オプションの225/45R17タイヤを履くが、足まわりがソフトなので、ことさら締まった乗り心地ではない。オープンにして、ボルボご自慢のオーディオから流れる、ヴェルディ作曲の「アイーダ」凱旋行進曲を聞きながら、ゆったり九十九里海岸沿いを走る。うーん、贅沢! 気分(だけ)は南欧コートダジュールってカンジだ。千葉だけど。
C70カブリオレは、オーダーから納車まで約4ヶ月かかる。今オーダーすれば、桜の花が咲く頃から青葉の季節に、オープンドライブを満喫することができる、ハズだ。
(文=webCGオオサワ/写真=難波ケンジ/2002年11月)

大澤 俊博
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