ホンダ・モビリオ W【試乗記】
ちょっと小さめ、より実質的 2002.08.29 試乗記 ホンダ・モビリオ W コンパクトなボディに3列シート7人乗りを実現した「フィット」ベースのミニバン「モビリオ」。自動車ジャーナリストの下野康史が乗った。 会員コンテンツ「Contributions」より再録。最大7人乗りのマルチワゴン
世界一ミニバンをたくさん売っているF1メーカーの新型7シーター・コンパクトミニバン。センタータンク・レイアウトのフィット用プラットフォームに手を加えた低床車台に、全長4mちょっとの背高ボディを載せる。
ヨーロッパの路面電車をイメージしたというそのボディは、そうとうヘン。とくにウエストラインの低さ、つまり、サイドガラスの巨大さは、クルマに近づいて、ドアの取っ手に手をかけるたびにギョッとする。空港で働く特装車のおもむき。
だが、乗っちゃあ、ふつう。90psの1.5リッター4気筒SOHCは滑らかで、パワーも十分。乗り心地は快適。身のこなしもこじっかりで、高い全長から想像するフワフワ感はない。小さめのステアリングホイール(37cm径)による操舵感も、背の低い乗用車と大差ない。外観はこんなでも、運転感覚をシャキッと演出するウマさは、いまや「ミニバンのホンダ」ならでは。
狭いところでも開けられる両側リア・スライドドアは便利。このクラスでイージークローザー機構を備えるのも高ポイント。7人乗りといっても、3列目の2人分が子供用のスペースしかないのはカローラ・スパシオと同じ。
オデッセイに対するステップワゴンが、ちょうどストリームに対するモビリオの関係に似ている。つまり、後者のほうがちょっと小さめで、より実質的ということ。ホンダが好きで、このカッコがヤじゃなくて、最大7人乗りのマルチワゴンがほしいという人には、もちろんお薦め。しかし、こういう出で立ちのクルマって、僕はタクシーにこそ必要だと思いますが。
(下野康史/2002年1月)

下野 康史
自動車ライター。「クルマが自動運転になったらいいなあ」なんて思ったことは一度もないのに、なんでこうなるの!? と思っている自動車ライター。近著に『峠狩り』(八重洲出版)、『ポルシェよりフェラーリよりロードバイクが好き』(講談社文庫)。
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