ドイツ勢はここが見どころ【デトロイトショー2013】
2013.01.23 自動車ニュース【デトロイトショー2013】ドイツ勢はここが見どころ
2013年1月19日に一般公開が始まったデトロイトショー。日本車メーカーと同様に、北米市場を得意とするドイツ車メーカーからも多くのニューモデルが公開されている。
■“ビッグマイナー”を受けた「Eクラス」が圧巻のデビュー
BMWスタンドで最も注目されていたのは「コンセプト4シリーズクーペ」だ。アウディは「A5」、メルセデス・ベンツは「CLK」というように、ライバルはすでにクーペモデルを別シリーズとして分離独立させている。それに倣ったわけではないのだろうが、BMWも「3シリーズクーペ」を「4シリーズ」と改名する。もっとも、クルマそのものの成り立ちは3シリーズベースであることに変わりはない。主要なメカニズムはもちろん、インストゥルメントパネルのデザインもほぼ同じだ。
今回公開された車両には「コンセプト」の名が掲げられているが、ほぼこのままの形で市販化されるのはまちがいないだろう。変更されるにしても、バンパーの形状がより一般的なものになる程度ではないだろうか。スタイリングは完成度が高く、素直にカッコいいと思えるデザインである。
一方、ダイムラーはスタンドにフェイスリフトを施した「メルセデス・ベンツEクラス」をずらりと並べた。同社はデトロイトショーの前夜祭「ニューイヤーレセプション」で新型車「CLA」を公開したが、それはショー会場では展示しなかった。おそらくEクラスの存在が希薄になるのを避けたかったのだろう。セダン、ワゴン、クーペ、コンバーチブルという4種のボディーバリエーションに「E63 AMG」を加えた計5種の新型Eクラスがひな壇に並んだ光景は圧巻で、そのインパクトはBMWよりも明らかに上だった。
新型Eクラスでまず目が行くのは一新されたフロントマスクである。筆者は写真で見た段階ではあまりいい印象を持っていなかったが、実物は想像よりずっとまとまっていた。写真より実物の方が映えるデザインと言えそうだ。
また、フロントグリルが「Cクラス」のように2パターン用意された。ラグジュアリーグレードは従来どおりの横基調タイプで、スポーティーなグレードには「SL」や「CLS」のようにグリル内にスリーポインテッドスターを埋め込んだものが装着される。加えて、ボディーサイドからいわゆる“ポントンライン”が消えた。
メカニズム面では、「ブルーダイレクト」と呼ばれる新開発の4気筒ガソリンユニットが投入されたほか、「インテリジェントドライブ」と呼ばれる先進の安全装備が採用された。この安全装備は当初、新型「Sクラス」に最初に投入する予定だったが、それを前倒ししてEクラスに採用したとささやかれている。
そしてフォルクスワーゲンは、いかにもアメリカ向きな、3列シートの大柄なSUVコンセプトカー「クロスブルー」を出展した。プラグインハイブリッドシステムを搭載し、2リッターのTDI(ディーゼル)エンジンに、フロントアクスルに1基、リアに1基のモーターを組み合わせている。モーターの出力はフロント用が54psでリア用が114ps。エンジンを含めたシステムの総出力は305psとのことだ。9.8kWhの走行用リチウムイオンバッテリーがセンタートンネル内に搭載されており、モーターのみで22.5kmの走行が可能。燃費性能(複合モード)は14.5km/リッターとされる。まだコンセプトカーっぽさが残るものの、車両の完成度はかなり高く、この路線で市販化されてもおかしくはない。
(文と写真=新井一樹)
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