「低燃費エンジンは買い?」
2000.11.13 クルマ生活Q&A エンジン「低燃費エンジンは買い?」
最近各メーカーから低公害低燃費のエンジンが続々発表されていますが、オーナーの方のホームページを読むと必ずしも低燃費ではないようです。通常のエンジンでも気をつえばそれなりの燃費になると思いますが、はたして「低燃費エンジン」は「買い」なのでしょうか。(MTさん)
お答えします。場合によっては「買い」といえます。三菱のGDIや日産NEO−Di、トヨタのD-4といったガソリン筒内噴射エンジンの利点は、超希薄燃焼を実現できることです。負荷の少ない一定走行の場合は、燃費は良くなるのです。しかも筒内噴射のもうひとつのメリットとして、スロットルバルブが完全に閉じなくてもよいため、ピストンが往復運動する際に抵抗が少なくなります。それによって、燃費が良くなるというわけです。
しかし、走り方によって結果は変わってきます。出力を求めてアクセルを踏み込めば、超希薄燃焼はできなくなり、普通のガソリンエンジンと同じような燃費になってしまいます。
直噴エンジンは魔法のエンジンではありません。「耐える運転」をしなければ、燃費は良くなりません。発進時や加速時にもアクセルをゆっくり踏んでいくことが肝要です。以上のことを考え合わせ購入することをおすすめします。

松本 英雄
自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。