「国産車とドイツ車のエンジンの違いは?」

2001.04.25 クルマ生活Q&A 松本 英雄 エンジン
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「国産車とドイツ車のエンジンの違いは?」

「フォルクスワーゲンのポロにまる2年。2万2000Kmほど乗りました。初めの8000Kmくらいまではエンジンの回転が重く(渋く)感じられたのですが、それ以降はとても軽く滑らかに回るようになりました。今まで乗っていた国産車では感じられなかった劇的な変化でした。ドイツ車と国産車とでは、エンジンのつくり方や味つけが違うのでしょうか?」(静岡県藤枝市・IKさん)

お答えします。IKさんのエンジンが軽くなったのは、各部の慴動面にいわゆる「あたり」が付いた、つまり製造時の微小な凸凹がなくなったためです。ピストンがキレイに上下するのでむらなくコンプレッション(圧縮)でき、爆発が一定、結果としてスムーズに回るわけです。

次に、エンジンのつくり方と味つけに関してです。
一般に、欧州車は、日本で使用する国産車と比べると、寿命までの総走行距離を、2倍から3倍以上長く想定します。
そのため、どちらかというと低中回転型のトルク特性にします。回転が上がればエンジンの消耗が増しますから、できるだけ回転を抑えて使えるようにするわけですね。
クルマとのつきあいが長いせいでしょう。欧州車は、コストやカタログデータより、ユーザーの使いやすさを優先する傾向があります。

もっとも最近では、国産車も「可変バルブタイミング」「可変バルブリフト」など、様々な仕組みを採用して、フラットトルクの扱いやすいエンジンに仕上げるようになりました。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。