「油圧計ってなんのためにあるんですか?」

2001.09.13 クルマ生活Q&A 松本 英雄 エンジン
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「油圧計ってなんのためにあるんですか?」

自分のクルマに油圧計がついてるんですけど、見方を教えてください。(MKさん)

お答えします。油圧計は、エンジンが回転しているときに内部を循環する潤滑油の圧力を測定するものです。油圧がかからなければクランクシャフトやピストン、シリンダーの慴動部に潤滑油がうまくいきわたらないため、エンジンが焼き付きを起こしてしまいます。

潤滑油は温度によって粘度が変わってきます。天ぷら油を思い出してみて下さい。温度が低ければドロッとしていますし、高温ならばサラサラしています。ドロッとしていれば抵抗が大きいわけですから、油圧は高く、油膜も厚くなります。エンジン保護にはいいことですが、慴動抵抗が増えてフィールが重く、多少なりとも燃費が悪くなります。

一方、温度が高くなって油圧が低くなると油膜も薄くなりエンジンのレスポンスは向上します。一方、油膜が切れたりすると、エンジンが破損する恐れがあります。

油圧計は、オイルがちゃんと潤滑しているか、その安全性を見る大切な計器なのです。一般に、エンジンの回転上げて、油圧計の針も動けば安心です。その範囲は、もちろんクルマによって異なりますが、1kg/cm²から5kg/cm²ぐらいの範囲なら、まあ問題ないでしょう。ただし、アイドリングでは、エンジン回転数が1000rpm以下になることがあるので、その場合は油圧が1kg/cm²を割ることもあります。普段走行しているときよりも極端に油圧が低い場合は注意が必要です。

松本 英雄

松本 英雄

自動車テクノロジーライター。1992年~97年に当時のチームいすゞ(いすゞ自動車のワークスラリーチーム)テクニカル部門のアドバイザーとして、パリ・ダカール参加用車両の開発、製作にたずさわる。著書に『カー機能障害は治る』『通のツール箱』『クルマが長持ちする7つの習慣』(二玄社)がある。