日産スカイライン2ドアスポーツクーペ25GTターボ(5MT)【ブリーフテスト】
日産スカイライン2ドアスポーツクーペ25GTターボ(5MT) 2000.09.24 試乗記 ……325.9万円 総合評価……★★★★天下無敵 but 「R」
「ソフィスティケイテッド・スカイライン」をキャッチフレーズに、表情を和らげた新型スカG。が、「軟弱!」と誹るのは気が早い。
ターボモデルはコンプレッサー形状を変え、280psのパワーはそのままに、中低回転域のトルクを太らせて、最大トルクを2kgmアップの37.0kgmに。
さらにMTモデルのギアボックスを改良、取り付けブッシュを強化、剛性20%向上、ストローク10%短縮を実現したという。シフトトラベルは特筆するほど短くはないが、カチッとしたフィールはすばらしい。
セラミックターボを備えた2.5リッター直6は、よどみなくわき出るトルクにして、スロットルレスポンスも秀逸。MTで乗る甲斐がある。
矢のような高速スタビリティ。鬼のようによく「曲げる」ハイキャス。グイグイ前に押し出すヘリカルLSD。25GTターボは、天下無敵のスポーツセダン、じゃなくて2ドアスポーツクーペ。恐れる相手はGT-Rだけ。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
10代目にあたる現行スカイラインは、1998年5月に登場。4ドアスポーツセダンと、実質2ドアセダンの2ドアスポーツクーペがある。エンジンは、2、2.5、2.5リッターターボの3種類。いずれもストレート6。駆動方式はFRと4WD(NAのみ)。
(グレード概要)
25GTターボは、280psユニット搭載、最もスポーティなモデル。フロントバンパー左側にエアアウトレットがあるのが、NAモデルとの差異。「電動スーパーHICAS」こと4WSシステム、トラクションコントロール、LSD(MT=ヘリカル/AT=ビスカス)など「走り強化」デバイスを装備。ボンネットを開ければ、ストラットタワーバーが凄みをきかせる。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★
デビュー当初のスカイラインのインパネまわりは、素材によって違う雑多な「黒」が統一感を著しく阻害していたが、2000年8月26日のマイナーチェンジで「シルバー」を導入。だいぶ落ち着いたが、それでもちょっと……。
(前席)……★★★
座面には前後2ツのダイヤルが備わり、角度を細かく調整できる。座面はやや平板だが、バックレストにはしっかりとしたサイドサポートが備わる。スポーツと日常の兼ね合い。
(後席)……★
プラス2のシート。座面を低く落とし、寝気味のバックレストをえぐって後席住民のスペースを稼ごうとしているが、それでも頭が天井につかえる。大人は短時間しか座れまい。
(荷室)……★★
床面最大幅135cm、奥行き77cm、ただし、うち12cmは燃料タンクが占領する。セダンのトランクリッドは左右にトーションバーをわたすタイプだが、こちらはダンパー式。すこしでも実用空間を稼ごうとの努力は見えるが……。容積は316リッターだという。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
スムーズ、トルキー、かつレスポンシブルなターボユニット。過給の立ち上がりはプログレッシブながら、ターボ感あり。3500rpmを超えると怒涛のパワー。ドラマチックなエンジン。ギアボックスは、特にフィールにおいて改善目覚ましい。エンジン+シフトのフィールは、市販車もこの通りなら文句なし。満点!星ひとつの減点は、燃費の悪さゆえ。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
硬めでスポーティなアシでありながら、路面からの突き上げをみごとに遮断、「情報」としてのみドライバーに伝える。強固なボディと入念なチューニングの勝利。山道で本領を発揮するハイキャスはまた、ハイウェイでの安定性にも多大な貢献。二兎を得た感がある。
(写真=五條伴好)
【テストデータ】
報告者:web CG 青木禎之
テスト日:2000年9月18日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:3789km
タイヤ:(前)225/45ZR17/(後)同(いずれもブリヂストン Potenza RE040)
オプション装備:ホログラフィックサウンドシステム(12.6万円)/サイドエアバッグ(4.0万円)/ボディコーティング(3.5万円)/リアスポイラー(6.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:高速道路(5):市街地(3):山岳路(2)
走行距離:336.2km
使用燃料:66.5リッター
参考燃費:5.1km/リッター
|
|
|
|
|

青木 禎之
15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。
-
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】 2026.3.3 「GRヤリス」の新仕様として設定された「エアロパフォーマンスパッケージ」装着車に試乗。レースフィールドでの知見を交え開発したというエアロパーツの空力・冷却性能は、リアルワールドでも体感可能なのか。高速道路を経由し、郊外のワインディングロードを目指した。
-
ドゥカティ・モンスター(6MT)【海外試乗記】 2026.3.2 ドゥカティのネイキッドスポーツ「モンスター」が5代目にモデルチェンジ。無駄をそぎ、必要なものを突き詰めてきた歴代モデルの哲学は、この新型にも受け継がれているのか? 「パニガーレV2」ゆずりのエンジンで175kgの車体を走らせる、ピュアな一台の魅力に触れた。
-
フォルクスワーゲンID.4プロ(RWD)【試乗記】 2026.2.28 フォルクスワーゲンのミッドサイズ電気自動車(BEV)「ID.4」の一部仕様変更モデルが上陸。初期導入モデルのオーナーでもあるリポーターは、その改良メニューをマイナーチェンジに匹敵するほどの内容と評価する。果たしてアップデートされた走りやいかに。
-
スズキ・キャリイKX(4WD/5MT)【試乗記】 2026.2.27 今日も日本の津々浦々で活躍する軽トラック「スズキ・キャリイ」。私たちにとって、最も身近な“働くクルマ”は、実際にはどれほどの実力を秘めているのか? タフが身上の5段MT+4WD仕様を借り出し、そのパフォーマンスを解き放ってみた。
-
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(4WD)【試乗記】 2026.2.26 日本で久々の復活を遂げた「ホンダCR-V」の新型に、北海道のテストコースで試乗。雪上・氷上での“ひとクラス上”の振る舞いに感嘆しつつも、筆者がドン! と太鼓判を押せなかった理由とは? デビューから30年をむかえたCR-Vの、実力と課題を報告する。
-
NEW
メルセデス・マイバッハSL680モノグラムシリーズ(4WD/9AT)【試乗記】
2026.3.4試乗記メルセデス・マイバッハから「SL680モノグラムシリーズ」が登場。ただでさえ目立つワイド&ローなボディーに、マイバッハならではのあしらいをたっぷりと加えたオープントップモデルだ。身も心もとろける「マイバッハ」モードの乗り味をリポートする。 -
NEW
始まりはジウジアーロデザイン、終着点は広島ベンツ? 二転三転した日本版「ルーチェ」の道のり
2026.3.4デイリーコラムフェラーリ初の電気自動車が「ルーチェ」と名乗ることが発表された。それはそれで楽しみな新型車だが、日本のファンにとってルーチェといえばマツダに決まっている。デザインが二転三転した孤高のフラッグシップモデルのストーリーをお届けする。 -
第863回:3モーター式4WDの実力やいかに!? 「ランボルギーニ・テメラリオ」で雪道を目指す
2026.3.3エディターから一言電動化に向けて大きく舵を切ったランボルギーニは、「ウラカン」の後継たる「テメラリオ」をプラグインハイブリッド車としてリリースした。前に2基、リアに1基のモーターを積む4WDシステムの実力を試すべく、北の大地へと向かったのだが……。 -
F1で絶体絶命!? アストンマーティン・ホンダになにが起きているのか?
2026.3.3デイリーコラム2026年のF1開催を前に、早くも苦戦が伝えられるアストンマーティン・ホンダ。プレシーズンテストでの大不振はなぜ起きたのか? ここから復活する可能性はあるのか? 栄光と挫折を繰り返してきたホンダが、ふたたびF1で輝くために必要なものを探った。 -
電動式と機械式のパーキングブレーキ、それぞれメリットは?
2026.3.3あの多田哲哉のクルマQ&A一般化された感のある電動パーキングブレーキだが、一方で、従来型の機械式パーキングブレーキを好む声もある。では、電動式にはどんなメリットがあって普及したのか? 車両開発者の多田哲哉さんに話を聞いた。 -
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】
2026.3.3試乗記「GRヤリス」の新仕様として設定された「エアロパフォーマンスパッケージ」装着車に試乗。レースフィールドでの知見を交え開発したというエアロパーツの空力・冷却性能は、リアルワールドでも体感可能なのか。高速道路を経由し、郊外のワインディングロードを目指した。





























