トヨタ・カローラvs ホンダ・シビックフェリオ/日産ブルーバードシルフィ【ライバル車はコレ】
『ミカワの革命児』 2000.10.12 試乗記 トヨタ・カローラの「ライバル車はコレ」トヨタ・カローラ(112.3万円から206.8万円)のライバルは?
「『カローラ』であることを忘れて仕事をしてきた」と開発メンバーが告白する新しいカローラ。9代目にあたる今度のカローラは、33年間の歴史のなかで培ったものを一度白紙に戻し、「21世紀に本当にふさわしい小型車とはどうあるべきか?」と、原点から考え直したのが最大の特徴だ。
一挙に135mmも伸びて、コロナやカリーナを抜いてしまった2600mmのホイールベース。同じく一挙に85mmも背が伸びて1470mmとなった全高。新型カローラは、一昔前までのトヨタが最も大切にしていた「社内ヒエラルキー」を自ら崩壊させてまで理想のパッケージングにこだわった革命児。
メカニズム的には、エンジン(ディーゼルを除く)をすべてアルミ製ユニットへと世代交代させたことが最大のニュース。トヨタの「全エンジン世代交代プログラム」は、着々と進行中なのだ。
|
【ライバルその1】ホンダ・シビックフェリオ(126.8万円から170.7万円)
■イカすパワーフィール
「パッケージング革命」が見た目に明らかなカローラと比べると、今ひとつ保守的な印象を免れないシビックフェリオ。が、実はこのクルマも、やはりパッケージングに非常な意を払ったモデルなのだ。
衝突時の安全性に徹底的にこだわった結果、エンジンルーム内のレイアウトを大きく変更。エンジンおよび補器類をコンパクトに収め、また、万が一の際の衝突時エネルギーを効率よく吸収するため、ステアリングギアボックスの位置までを「フルモデルチェンジ」して、前例のない高い位置に配置する念の入れよう。
フルフラットのフロア(FFモデル)が売り物の新しいシビックだが、室内高はカローラより低め。全長がカローラより70mm長いにもかかわらず、室内の広さで一歩及ばない感を受けるのは、高さ方向のボリュームの違いによるものだろう。
ただし「エンジンのホンダ!」は健在。どのモデルに乗ってもパワーフィールはカローラをはるかに凌いで軽快。フェリオの「走り」を代表する1.7リッター搭載のRSは、しかし乗り心地が荒いのが残念だ。
|
【ライバルその2】日産ブルーバードシルフィ(154.9万円から206.2万円)
■10年後が心配
カローラとは正反対に、超保守的なモデルチェンジを行ったのがブルーバードシルフィ。いや、正確にはこのモデル、ブルーバードのモデルチェンジというより、サニーをベースに生まれたブランニューモデルなのだ。それが証拠に、従来のブルーバードは「そのまま継続生産/販売を行う」(日産)という。シルフィは、全長もホイールベースもこれまでのブルーバードよりグンと小さい。
1.5リッターのほか、1.8、2リッターエンジンを設定するなど、カローラやシビックに比べて上級指向を打ち出すシルフィ。が、正直なところそのテイストは、やはり「所詮はサニーベース」という感が否めない。
最も惜しいのはストローク感に乏しい乗り心地。「40歳代から50歳代の“団塊の世代”を狙ったファミリーカー」というわりには、揺すられ感の強い乗り心地は納得できない。
それにしても気になるのは、相変わらず提案性に欠ける日産の商品展開。「団塊の世代は日本で最も人口比率が高い」とマーケット分析を行うが、それではこのメーカー、10年後には「60歳代ターゲットのクルマ」を発売するとでもいうのだろうか?
(文=河村康彦/2000.10.12)

河村 康彦
フリーランサー。大学で機械工学を学び、自動車関連出版社に新卒で入社。老舗の自動車専門誌編集部に在籍するも約3年でフリーランスへと転身し、気がつけばそろそろ40年というキャリアを迎える。日々アップデートされる自動車技術に関して深い造詣と興味を持つ。現在の愛車は2013年式「ポルシェ・ケイマンS」と2008年式「スマート・フォーツー」。2001年から16年以上もの間、ドイツでフォルクスワーゲン・ルポGTIを所有し、欧州での取材の足として10万km以上のマイレージを刻んだ。
-
アウディQ3スポーツバックTFSIクワトロ150kWアドバンスト(4WD)【試乗記】 2026.8.31 フルモデルチェンジした「アウディQ3スポーツバック」に試乗。プラットフォームやパワートレインこそ従来型の改良版ではあるものの、内外装のデザインやインフォテインメント、効率性のすべてにおいて大幅な進化を遂げたという。その仕上がりやいかに。
-
トヨタbZ4XツーリングZ(4WD)【試乗記】 2026.8.29 「トヨタbZ4X」にワゴンのようなロングボディーを持つ「ツーリング」が登場。ただ長くなっただけではなく、今回試した4WDモデルではパワーもアップ。乗り味にも微妙な影響を及ぼしているから見逃せない。経路充電を試しつつ、370km余りをドライブした。
-
BMW 120オリジナル(FF/7AT)【試乗記】 2026.8.25 BMWの主要モデルに新グレードの「オリジナル」が設定された。位置づけとしては新たなエントリーグレードということになるが、BMWらしさを損なうことなく装備を厳選し、価格を抑えたのがポイントだという。「1シリーズ」の「120オリジナル」の仕上がりをリポートする。
-
トライアンフ・スラクストン400(6MT)【レビュー】 2026.8.25 カフェレーサーの本場である、イギリスのトライアンフがリリースした「スラクストン400」。車名のとおり、カジュアルに楽しめる400ccクラスのマシンではあるのだが、その実物からは、エントリーモデルとは思えない本物の香りが漂っていた。
-
スズキeスカイ プロトタイプ(FWD)【試乗記】 2026.8.24 スズキが満を持して世に問う、軽規格の新型電気自動車「eスカイ」。軽乗用車の本質である、生活の足としてのちょうどよい性能を追求したという一台は、どのようなクルマに仕上がっているのか? 2026年秋の正式発表を前に、プロトタイプモデルに試乗した。
-
NEW
新型「三菱パジェロ」の外装・内装を写真でチェックする
2026.9.2画像・写真5年間のブランクを経て、三菱のフラッグシップSUV「パジェロ」がついに復活! 「グランドカリスマ -泰然自若-」をコンセプトにデザインされた本格クロスカントリーモデルは、どのような姿をしているのか? 内外装の詳細を、写真で紹介する。 -
NEW
復活の決め手はこっくりさん!? 新生「三菱パジェロ」誕生の経緯とその狙い
2026.9.2デイリーコラム5年間の沈黙を経て、ついに登場した新型「三菱パジェロ」。スリーダイヤモンドが誇る荒野のフラッグシップは、いかにして復活を遂げたのか? 開発の経緯や内外装デザインの詳細、パワートレインに見るクルマの“狙い”をリポートする。 -
NEW
第127回:新型BMW X5(後編) ―迷走するBMW 結局アナタは“ノイエクラッセ”でなにがしたかったの?―
2026.9.2カーデザイン曼荼羅その姿が明らかとなるや、賛否両論を巻き起こしている新型「BMW X5」。このクルマは既存のBMW製SUVとはなにがちがうのか? そもそもBMWは“ノイエクラッセ・デザイン”になにを託していたのか? カーデザインの識者と、迷走するBMWの明日を探った。 -
NEW
BMW X1 sDrive20iオリジナル(FF/7AT)【試乗記】
2026.9.2試乗記BMWのコンパクトSUV「X1」に新グレードの「オリジナル」が登場。走りの楽しさをはじめとしたBMWらしさをキープしつつ、装備の厳選によって価格抑制を図った新たなエントリーグレードだ。都市部におけるドライバビリティーとユーザービリティーをリポートする。 -
スポーツカーに未来はあるか?
2026.9.1あの多田哲哉のクルマQ&A年々、開発環境が厳しくなるといわれるスポーツカーは、この先も存在しうるのか? トヨタのエンジニアとしてさまざまなスポーツカーを開発してきた多田哲哉さんに“未来のスポーツカー像”を聞いた。 -
トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ【試乗記】
2026.9.1試乗記2020年のデビュー以来、間断なく進化を続けてきたコンパクトスポーツの「トヨタGRヤリス」。一般ユーザーの間ではもちろん、コンペティションの世界でもチューニングのかいわいでも光を放つ一台は、2026年モデルでどう進化したのか? その走りを報告する。













