スバル・インプレッサスポーツワゴンI'sスポルト(4AT)【ブリーフテスト】
スバル・インプレッサスポーツワゴンI'sスポルト(4AT) 2000.09.26 試乗記 ……175.3万円 総合評価……★★★★一球入魂
乱暴にいってしまえば、カローラ級サイズのドンガラにレガシィ用の各種コンポーネンツをブチ込んだクルマだ。というか、軽自動車でない「スバル」は、その意味では全部レガシィ系だ。でもって、ボディ側もまたキャパシティは最強WRX に焦点を合わせてある。当然、テスト車の1.5 リッターには余裕しゃくしゃく。
スバルの例にもれず、実に日本車離れした味わいのクルマだ。安い国産車に特有のペラペラ感や空虚さがない。乗ると、ホッとする。
「フツーの仕様」も魅力的であるところが、たとえば三菱ランサーセディアとは対照的だ。インプレッサというと、速いモデルばかりが注目され勝ちだが。
導入後8年たって、このほど初のフルモデルチェンジ。上記の美点は先代ゆずりとして、今回はさらにガサガサしたところがなくなった。静かに、滑らかに。見た目の品質感も確実に上がった。めでたいモデルチェンジだ。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
インプレッサは、2000年8月23日に、8年ぶりのモデルチェンジを受けた。日常性を重視した5ナンバーのワゴン、走りを進化させるためトレッドを広げ3ナンバーになったセダンと、性格をはっきり分けた。エンジンラインナップは、ワゴンが、1.5リッター、2リッター、同ターボ、セダンは、2リッターNAとターボ。
(グレード概要)
I'sスポルトは、1.5リッターモデル(I's)のスポーティ仕様。本革巻きステアリングホイールが奢られ、ブレーキ冷却ダクトの付いたフロントバンパー、ルーフスポイラーが装着される。2リッター、同ターボモデルには4WDしかラインナップされないが、1.5リッターモデルには、FFモデルもある。テスト車はそれ。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★★
見た目品質もいわゆるデザインも攻撃的なまでに野暮ったかった旧型と較べると、まさに夢のような改善。各種スイッチ類の配置も使いやすく考えられていてヨイ。ダッシュボード全体がミニバンのようにボーッとデカくないのも評価できる。運転しやすい。
ハンドルをスッと回しただけで、誰でもわかるガッチリ度。ゴツいシャフトがスーッと滑らかに動く様子がアリアリ。いかにも基本部分にカネがかかっている感じだ。
(前席)……★★★★
欧州車によくある、ラチェット式のレバー操作でシート全体を上下に調整できる機構がついた。これは誇張でなく特筆されていい。
一事が万事というか、そういう頑張りの見えるシートはやはり掛け心地もいい。ガチッとしたボディとキレイにストロークする座面の組み合わせは、さっきも書いた「日本車離れした乗りアジ」の小さからぬイチ要因である。
(後席)……★★
一事が万事とかホメた直後でアレだが、畳んで使うことしか考えていないのではないかと思わすぐらい、後席はガードがアマい。つまり掛け心地のつくり込みのレベルが低い。後席に座ると、残念ながらインプレッサのワゴンはむしろ凡庸な日本車そのものである。
セダン比全高30mmアップも、これでは意味がない。後席室内高の数値がカタログ上で虚しく輝くだけだ。早急にグレードアップを。
(荷室)……★★
後席の折り畳み機構は旧型のダブルフォールディングからシングル(背もたれのみ)に変わった。おかげで座面がジャマしないぶん奥行きの最大長が増えたそうだ。ア、そう。
開口部の敷居というか段差の高さを見るにつけても、これが本格派ワゴンでないことは一目瞭然。あるいはリアサスの出っ張りのデカさを見るにつけても。
見た目になんとなくイケてそう、ということの代償として後席環境その他へのシワ寄せはちょっとイタい。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★★
かなり憎くない。エンジンやオートマの特性は大スジ日本車流だが、細部のツメがよかったのかドライバー疎外度は意外なほど低い。要するに楽しく運転できる。ヘンなハナシ、どう文句つけようかと困ったほどだ。あと、エンジン縦置きでトルクの伝達経路があっちゃこっちゃ右往左往しない感じがそこはかとなく嬉しい。ヨンクでないせいもあるだろうが、スッとキレイに発進してくれる。前後方向のイヤなエンジン揺れもないし。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★★
車体側はひたすらカッチリ、どっしり。アシはガッチリしつつ、動きはスーッと滑らか。突っ張らず。ブッシュでゴマカしてる感じもなし。シート座面もコシを残しつつキレイにたわむ。という具合に、なんというかメリハリがハッキリしているところがいい。まるで昔のクルマみたい、とも思う。見ても乗っても書き割りみたいな多くの同クラス日本車との最大の違いがここである。やはり一球入魂で作ったクルマは違うわい。
(写真:メインと後席=小河原 認/井手孝高)
【テストデータ】
報告者:森 慶太
テスト日:2001年9月13日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2000年型
テスト車の走行距離:1709km
タイヤ:(前)175/70R14 84S/(後)同じ(いずれもブリヂストン SF-213)
オプション装備:ナビゲーションシステム+MDプレーヤー+AM/FMラジオ(18.0万円)
テスト形態:ロードインプレッション
高速道路(2):市街地(8)
テスト距離
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森 慶太
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