スバル・フォレスターT/25(4AT)【試乗記】
いまだ最新鋭 2001.08.18 試乗記 スバル・フォレスターT/25(4AT) ……265.0万円 「MULTI SPORTS 4WD」を謳うスバル・フォレスター。1997年に登場。2000年に内外装および足まわりにリファインを受け、いまだ魅力は色あせない。自動車ジャーナリスト、笹目二朗が2.5リッターモデル「T/25」に乗った。当然のフルタイム4WD
スバル・フォレスターは、先代インプレッサのコンポーネンツを利用したSUV(Sports Utility Vehicle)である。レガシィグランドワゴン(現ランカスター)を更に昇華独立させたモデル、という言うこともできよう。「クロカン4WD」ほど本格派ではなく、より乗用車的な雰囲気を残した正統派SUVで、トヨタRAV4、ホンダCR-Vなどをライバルとする。
スバル伝統の水平対抗4気筒エンジンは、2.46リッターにまで排気量を拡大され、167ps/6000rpmの最高出力と、24.0kgm/2800rpmの最大トルクを発生する。メーター上の100km/hでは2250rpmだから、比較的低回転で静かに巡航するタイプだ。
4WDシステムはAT車の場合「電子制御トルクスプリット」型で、MT車のようなセンターデフをもたず、後輪へトルクを配分するマルチプレートが前後の回転差を吸収する構造だ。いずれにせよ「フルタイム4WD」だから、4駆と2駆を切り換える、面倒なセレクトスイッチは設けられない。
「4WD-2WD切り替え」式は、通常は2輪駆動で走って燃費を向上させることができる、とする説もあるが、すでに備えている4WDシステムを敢えて断つ意味は無いと思う。舗装路を2輪駆動で走らせるのは、ブレーキング現象(前後輪の回転差を吸収できずスムーズに曲がれない、もしくは互いの抵抗で動けなくなってしまう現象)を回避する言い訳に過ぎない。4輪駆動システムを備えるクルマは、4WDで走った方が燃費は良い。これは長年の私的な経験値である。よって4WD経験の長いスバルは、当然の結果としてフルタイム4WDを主張するのだ。
「軽量」のメリット
スバル・フォレスターは実に運転しやすいクルマだ。アップライトに座るドライビングポジションからは、鼻先のボンネットが見える。車両重量は1450kgとボクシーな見かけより軽く、重量配分も前57:後43と、4輪駆動車としての後輪荷重もしっかり確保されている。そのため、落ちついた“走り”を見せる。といっても鈍重ではなく、むしろノーズは軽く、2トンクラスのSUVと比較すると、無駄な動きが少なく、すべての面においてすっきりと身軽な挙動に終始する。それは、コーナーでもブレーキングや加速においてもだ。
乗り心地もいい。スバルは国産車では得難い「フラットライド」にいち早く開眼したメーカーで、たっぷりしたサスペンションストロークと共に、ソフトでありながら姿勢変化の少ない良好な乗り心地を得ている。アームレストは前席だけでなく、リアシートにも備えがあり、後席の乗員もドア側にもたれる必要がなく、正常に座ったままの姿勢で頼ることができる。足元も前後長が十分にとられ、スクエアなつくりの室内は、頭部の横方向の余地も窮屈さがない。
リアのラゲッジフロアはバンパー高より高めで、一見荷室の天地方向が狭く感じられるが、床下には小物を要領よく納める収容箇所があるし、使ってみるとルーフは十分に高い。そのうえ高めのフロアゆえ、バンパー部分にひっかかることなく、重量物でもスライドさせるだけで積み卸し可能だ。2本のガスストラットが助けるハッチバックのバックドアは、雨の日の屋根にもなる。
SUVにも様々な考え方があるが、大きく重いクルマは、大きなエンジンにゴツい足まわりを必要とする。だから必要な室内空間さえ確保できれば、軽量なほどすべての性能や効率は良くなる。経験を重ねた歴史をあるメーカーほど、そのメリットを知っている。将来にわたってSUVの進化を見通した時、1997年に登場したフォレスターは、いまだ最新鋭の位置にいる。
(文=笹目二朗/写真=高橋信宏/2001年7月)

笹目 二朗
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