スバル・レガシィB4RSK(5MT)【ブリーフテスト】
スバル・レガシィB4RSK(5MT) 2001.10.05 試乗記 ……268.8万円 総合評価……★★★★奥の深いスポーツセダン
レガシィは、ツーリングワゴンの人気と実力で保っているように思われている。しかし、それだけではない。“ドライバーズカーのスバル”を標榜する富士重工は、レガシィのセダン版「B4」を、スポーツセダンとしてプッシュしている。なかでも「RSK」は、2リッター4気筒“2ステージ”ターボの280psユニット(5MT車)を積むトンガッたトップモデルだ。ただし、280psモデルは、出力を他社のトップモデルエンジンに無理矢理合わせた感がなきにしもあらず。どうしても「280ps」が欲しい人でもなければ、ノンターボの170psを積む「RS」もチェックした方がよいだろう。また、2.5リッターNAを積む、「RS25」もラインナップされる。
B4シリーズ全体として、エンジンや足まわりなどをマジメに追求した結果、ハンドリングに優れた、運転して奥の深いスポーツセダンに仕上がった。ただ、アカ抜けない「エクステリア」と「インテリア」のデザイン、「後席の居住性」などをさらに磨けば、日本車には希有なプレミアム性を獲得することができるのに……。そこが残念。中身がとても良くても、スバルファン以外にも乗りたいと思わせるようにならないと。今後も、マジメなクルマづくりを続けてほしい。
【概要】 どんなクルマ?
(シリーズ概要)
看板モデルたる「ツーリングワゴン」に遅れること約半年、1998年12月21日に登場した4ドアセダン。ツーリングワゴン同様、ボディサイズを5ナンバー枠にとどめたままホイールベースを20mm延長して室内空間を稼いだ。“ファミリー”な側面をバッサリ切り捨て、スポーティセダンとしての性格を強調。エンジンはすべて水平対向4気筒。当初、2リッターのNA(自然吸気)とターボ、2001年5月22日のビッグマイナーチェンジで2.5リッターNAが加わった。駆動方式は全車4WDだ。
(グレード概要)
「レガシィセダン」ならぬ、「B4」を名乗る3ボックスモデルには、2リッターNA「RS」、ターボ「RSK」、そして2.5リッターNAの「RS25」で構成される。最強モデル「RSK」は、5段MT車が280ps、4段AT車が260psである。いずれも、ビルシュタイン製ダンパー、アルミ鍛造フロントロアアーム、16インチ2ポットのフロント通気式ディスク、そして「215/45ZR17」というホイール&タイヤを履くスポーツセダンだ。ATモデルのトランスミッションはスポーツシフト付きの4段。シフターのみならず、ステアリングホイールのシフトボダンでも、ギアチェンジが可能だ。4WDシステムは、5MTモデルが、通常、前:後=50:50の「ビスカスLSD付きセンターデフ」、ATモデルが、同じく前:後=45:55を基準に、状況に応じてトルク配分をコントロールする「不等&可変トルク配分電子制御4WD」を採る。
【車内&荷室空間】 乗ってみると?
(インパネ+装備)……★★★
メーター類の視認性の高さはレガシィシリーズの伝統。B4ではそれに一層磨きがかかって、頼もしい。しかし、メーターパネルを取りまくインテリア全体の意匠が、陰欝としかいいようがない。乗る気が減退する。機能性は申し分ないのだから、もうすこし明るい雰囲気がほしい。
(前席)……★★★★★
シートが素晴らしい。クッション部分は決して厚すぎず、お尻が沈み込むほど柔らかくもない。そのうえ走行中の腰のホールド感がしっかりしている。こういうシートは長距離を運転しても疲れないし、長年乗っても不満を持たないだろう。また、これもレガシィシリーズのよい伝統だが、運転席からの視界が抜群にいい。ボディの四隅がきちんとわかるし、サイドミラーも見やすい。
(後席)……★★★
前席と打って変わって、後席のかけ心地はいまひとつ。フワフワしているだけのシートで、前席と較べて明らかにコストダウンされている。排気音やタイヤの走行音がこもって耳障りなのも減点ポイント。これでは、ドライバーズカーならぬ、ドライバーだけのクルマになってしまう。
(荷室)……★★★
トランク開口部や内部の形状は平均的。ただ、ボディ補強のためにわたされたクロスメンバーのため、奥で天地が狭くなるのはよくない。ヒンジが荷室に干渉するのも気になるところ。
【ドライブフィール】 運転すると?
(エンジン+トランスミッション)……★★★
2リッターから280psものハイパワーを発生するシーケンシャルターボは、新開発のプライマリーターボを採用(コンプレッサーホイールを小型化、ハウジングを大型化)して2000から4000rpmでのトルクを7%アップした。また、プライマリーからセカンダリーに過給の主役をバトンタッチする際に、なだらかなトルクカーブを描くような改良が施された。その甲斐あって、アクセル操作にあたり、過給されていることをほとんど気にせずに済む。走りはじめの、アイドリングから1000rpmぐらいまでのごく低い回転域でトルクが細く感じることがあるが、それ以外の領域では「パワー」「トルク」「ドライバビリティ」など、すべての面で不足を感じることはない。ただ、(いまのところ)ランカスター専用の3リッターフラット6を、このB4に載せた方が、より「プレミアムセダン」としての訴求力が高まったのではないだろうか、とも思う。
(乗り心地+ハンドリング)……★★★★
乗り心地は悪くない。しっかりとダンピングが効いており、硬すぎず柔らかすぎず、スポーツセダンにふさわしい。ハンドリングはヘタなスポーツカー顔負け。路面の状況とクルマの動きを忠実に伝える。コーナーでのアンダーステアも強くなく、ワインディングロードを好みのペースで走って面白い。
(写真=高橋信宏)
【テストデータ】
報告者:金子浩久
テスト日:2001年7月9日
テスト車の形態:広報車
テスト車の年式:2001年型
テスト車の走行距離:3826km
タイヤ:(前)215/45ZR17/(後)同じ(いずれもブリヂストン Potenza RE010)
オプション装備:スポーティパック(リアドア、6ライト、リアガラスを濃色化+リアスポイラー)
テスト形態:ロードインプレッション
走行状態:市街地(2):高速道路(7):山岳路(1)
テスト距離:241.7km
使用燃料:31.6リッター
参考燃費:7.6km/リッター

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