ドイツメーカーのブース紹介(前編)【北京モーターショー2012】
2012.04.24 自動車ニュース【北京モーターショー2012】メルセデス・ベンツとアウディの注目モデルはコレ!
2012年4月23日に開幕した北京モーターショー。世界最大の自動車市場となった中国での知名度と販売を伸ばすべく、ドイツ勢は力の入れようが違うようだ。会場の様子を現地からリポートする。
■メルセデス・ベンツは新しい4ドアクーペで勝負!?
欧州経済が落ち込むなか、ユーロ安の後押しもあり、ドイツの自動車メーカーはどこも鼻息が荒い。ここ北京にも多数のニューモデルを持ち込み、その存在をしっかりとアピール。地元のフランクフルトやジュネーブモーターショーほどではないものの、展示内容は北米最大のデトロイトショーに勝るとも劣らない。2011年の東京モーターショーでも頑張ってくれてはいたが、力の入り方は明らかに北京の方が上だ。
ドイツ勢のなかで一番の注目はメルセデス・ベンツ。昨年の上海モーターショーでも新型「Aクラス」のひな型となった「コンセプトA」という大物を出展していたが、2012年の北京でもコンセプトAに引けを取らないニューモデル「コンセプトスタイルクーペ」をお披露目した。
Dセグメントサイズの4ドアクーペで、フロントマスクは新型Aクラスに似ているが、全体的な雰囲気はプチ「CLS」といったところ。全長4637mm、全幅1891mm、全高1398mmの、全高以外のボディーサイズは「Cクラス」よりもひと回り大きい。
流麗なスタイリングもさることながら、このクルマのトピックはプラットフォーム。Cクラスを上回るボディーサイズを有していながらも、Cクラスベースではなく、「Aクラス」や「Bクラス」と共通の新しいFFプラットフォームを用いていると言われているのだ。その意図ははっきりしていないが、価格的な競争力を高めることがその大きな要因であることは想像に難くない。
ただし、コンセプトスタイルクーペは4マチックを採用することで、FFではなく4WDに仕立てられている。ちなみにエンジンは211psの4気筒ターボ。変速機はデュアルクラッチ式の7G-DCTだ。
現在はコンセプト然としたモデルだが、昨年のコンセプトA同様に市販化は確実。「Eクラス」に対する「CLS」のように、Cクラスと対になる4ドアクーペとして、中国だけでなく、日本を含めたワールドワイドな展開が行われるはず。市販モデルの登場は新型Aクラスのときのタイムラグを考えると、2013年初頭といったところか。
■アウディは「A6」のPHVを初披露
メルセデス・ベンツに次いで大物を見せてきたのは、中国では高官層に大人気のアウディ。ブランニューの新型車こそなかったが、「Q3」をベースにした2台の新型車と「A6」のロングボディーにプラグインハイブリッドを組み合わせた「A6L e-tronコンセプト」を持ち込んだ。
なお、A6はプラグインハイブリッドだけでなく、ロングボディー仕様もここ北京が初お披露目となる。
Q3ベースの1台はアウディのSUV系としては初の「RS」となる「RS Q3」。Cセグメントサイズのボディーに「TT RS」と同じ2.5リッター直列5気筒ターボを収める。最高出力は360ps。ノーマルよりも車高が25mm低くされたチョロQチックなボディーは、ツヤ消しブルーのボディーカラーとカーボンパーツの効果も手伝ってなかなか迫力がある。
A6L e-tronコンセプトはA6のハイブリッドモデルをベースに60km/h定速走行で80kmのEV走行が可能なリチウムイオンバッテリーとプラグイン機能を追加。ボディーは3010mmという長いホイールベースを持つロングボディーと組み合わせている。プラグインハイブリッドの実用化はまだちょっと先になるが、中国で人気のロングボディーは間髪入れずに導入されるはずだ。
(文と写真=新井一樹)
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