第235回:【Movie】この街は今が「三丁目の夕日」だ! 大矢アキオ、捨て身の路上調査員「ワルシャワ編」
2012.03.09 マッキナ あらモーダ!第235回:【Movie】この街は今が「三丁目の夕日」だ!大矢アキオ、捨て身の路上調査員「ワルシャワ編」
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ファッション性よりも実用性
実際に街で走っているクルマをカウントして、当地のムードを味わっていただく「捨て身の路上調査員シリーズ」、今回はポーランドの首都ワルシャワ編である。
郷土の誇り・作曲家ショパン像があるワジェンキ公園前で、2011年10月のある日曜日に、15分間数えたクルマのタイプは以下のとおりである。(動画に登場するクルマとは異なります)
・シュコダ:9台
・大宇(旧大宇自動車FSO含む):6台
・トヨタ:5台
・BMW、三菱、オペル、日産:3台
・アウディ、セアト、プジョー:2台
・メルセデス・ベンツ、クライスラー、フォルクスワーゲン、シトロエン、レクサス、ルノー、ボルボ、フォード、ランドローバー、マツダ、フィアット、アルファ・ロメオ、起亜、タタ:各1台
ポーランドといえば「フィアット500」や「ランチア・イプシロン」を造る工場があることで知られているが、意外に街では見かけない。その理由について、現地に住む自動車愛好家数名に聞いてみると、「いまだに大家族が多い国なので、大勢乗れてたくさんの荷物が載せられるクルマが好まれる」ということ、そして何より「この国は雪に強いクルマでないといけない」のだそうだ。ファッション性よりも実用本位でなければいけない背景があるのだ。
それにしても、街を行くクルマのなんとバラエティーに富んでいることよ。大半はポーランド工場製のオペルやシボレーをはじめとする一般的なファミリーカーだが、フォルクスワーゲングループに入る前のシュコダ(チェコおよび旧チェコスロバキア)や、旧公営FSO社を傘下に収めた旧・大宇自動車のポーランド製のクルマといった年代モノも街角にたたずんている。ちなみに動画内に登場する「大宇ティコ」のベースは3代目「スズキ・アルト」(1991-94年)だ。かと思えば、最新の大型レクサスやフェラーリ、そしてベントレーなどがこれ見よがしに通り過ぎる。
この混沌(こんとん)とした状況は、ようやく出始めた“まとも”なクルマと、見るからに心細い終戦直後耐乏期の国産車、そしてまったく別次元のアメリカ車が混在していた、1950年代末の東京の路上と同じ状況といえまいか。
そして当時の東京オリンピックにあたるのが、今年6月に開幕する欧州サッカー連盟が主催の「UEFA EURO 2012(ヨーロッパ選手権)」だ。街のあちこちではそれに合わせて工事が行われ、路線バスの多くは巡回ルートをたどる。この街は今まさに、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』ポーランド版の現在進行形なのだ。
(文と写真=大矢アキオ、Akio Lorenzo OYA)
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【Movie】大矢アキオ、捨て身の路上調査員「ワルシャワ編」(前編)
【Movie】大矢アキオ、捨て身の路上調査員「ワルシャワ編」(後編)
(動画と編集=大矢アキオ、Akio Lorenzo OYA)
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大矢 アキオ
Akio Lorenzo OYA 在イタリアジャーナリスト/コラムニスト。日本の音大でバイオリンを専攻、大学院で芸術学、イタリアの大学院で文化史を修める。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとしてシエナに在住。NHKのイタリア語およびフランス語テキストや、デザイン誌等で執筆活動を展開。NHK『ラジオ深夜便』では、24年間にわたってリポーターを務めている。『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり』(コスミック出版)など著書・訳書多数。近著は『シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザイン活動の軌跡』(三樹書房)。イタリア自動車歴史協会会員。
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