第14回「トヨタ86」
2013.09.06 水野和敏的視点 ![]() |
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“迷い”がカタチに!?
「トヨタ86」についてまず言いたいのは、前回も述べたとおり、スポーツカーとして何を主張したいのか、どういった存在感を出したいのかということ。商品として“存在の主張”をもっと打ち出してほしいし、実行してほしいということです。
86を見ていると、開発が進んだ後から修正したと思われる部分があり、「原価のせいでこうしました」というような、“なっちゃった的な商品感”が拭えません。そのため、とても残念なことに、全体が中途半端になってしまっている感じを強く覚えてしまうのです。
例えば、エクステリアデザイン。「最初に、狙いとするプロポーションのクレイモデルを作りました」「風洞にかけて空気抵抗とリフトを減らすために、横からの空気とルーフラインを流れてくる上からの空気を分離することを目的として、ヘッドランプやテールランプのレンズを、途中で角部に凸を付けた形状に変更しました」「そんな事情から、法規への対応を含め、レンズの表面のカタチは当初とは違うものとなりました」と、そんな具合です。
また、ランプユニットは、「すっきりと滑らかなスポーツプロポーション+シンプルな真空蒸着メッキ1色」という当初の狙いから、「実用車のような凸形状に変更したレンズ+スポーティーでシンプルな真空蒸着メッキ1色」という組み合わせへと変更になったのではないでしょうか。
このような場合、通常はランプユニットの内部面に黒かグレーの塗装を追加して、形状補正をしてみせるのが一般的です。しかし、当初の原価構成から蒸着メッキ1色のままとし、形状変更と塗装での補正はしなかった、というのが実情ではないでしょうか。
きっと、デザイナーが線を引いた時点でのヘッドランプは、もっとプロポーションの中に溶け込んでいたはず。それゆえ、塗装もシンプルなものが良かったのでしょう……。そんな流れを想像せざるを得ないんですね。
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