第20回「ダイハツ・ミラ イースX」vs「ホンダN BOX G・Lパッケージ」vs「フォルクスワーゲンup!」(後編)
2013.10.18 水野和敏的視点手抜きのない「up!」に好感
今回も引き続き、最新の軽自動車をじっくり見ていきましょう。今回の主役は「ホンダN BOX」です。みなさんご承知のとおり、N BOXシリーズの販売は絶好調で、2013年度の上半期(2013年4月~9月)の販売台数が11万155台に達し、軽四輪車の新車販売台数でナンバーワンを獲得しました。そのN BOXの試乗に移る前に、前回同様、まずは「フォルクスワーゲンup!」の走りをチェックしてみます。
up!は乗り心地がいいですね。そしてステアリングがけっこうクイック。ハンドルを回すとスッと曲がって、気持ちがいい。いわゆる「ゲインが高め」というヤツです。
とはいえ、フォルクスワーゲンの開発陣は、“キビキビ走る”ようにup!を専用にチューニングした、というのではなさそうです。up!は「フォルクスワーゲン・ゴルフ」よりふたまわりほど小さなクルマですが、バネやショックアブソーバーの、それぞれの特性を組み合わせる使い方は、ゴルフによく似ている。路面が多少荒れていても乱れず走る。頼りがいがあります。
おそらくup!は、ゴルフや「ポロ」と同じように各パーツをセットアップして乗り心地とハンドリングのバランスを取ったのでしょう。しかし、ゴルフやポロに比べてホイールベースが物理的に短いために、結果としてクイックなハンドリングになった――そんな気がします。
そしてup!は、ボディー剛性の高さが印象的です。試しにボンネットを開けてみましょう。
まず、がっしりとしたつくりのエンジンマウントが目に入ります。エンジンルームとキャビンを隔てるダッシュボード、つまりバルクヘッドには、ぜいたくに遮音材が使われている。ショックアブソーバーを取り付けるストラットハウジングは、ダッシュボードと一体に接がれて、言い換えれば「付け根合わせ」をしています。こうすると、フロント部分のボディー剛性がグンと上がるんですね。タイヤからの入力に対しての突き上げ剛性も向上するので、ハンドリングと乗り心地が共によくなる。単純で当たり前のことが、しっかりと実践されています。基本をよく考えています。
高いボディー剛性、上級車種並みのチューニング、そして遮音。up!は、サイズが小さいからといって手を抜くことなく、基本に忠実に、まじめにつくられたクルマです。
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