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第222回:ボルボのヘリテージをモダンに表現
スタディーモデル「コンセプト クーペ」はこう読め!

2014.01.15 エディターから一言 青木 禎之
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ボルボ・カー・コーポレーションでデザイン担当上級副社長を務めるトーマス・インゲンラート氏。
ボルボ・カー・コーポレーションでデザイン担当上級副社長を務めるトーマス・インゲンラート氏。 拡大

第43回東京モーターショーに、エレガントなスタディーモデル「コンセプト クーペ」を出展したボルボ。今後のボルボ車のデザインを統括するトーマス・インゲンラート氏と、コンセプト クーペのインテリアを担当したロビン・ペイジ氏に、コンセプト クーペの見どころを聞いた。

「ボルボ・コンセプト クーペ」
「ボルボ・コンセプト クーペ」 拡大
エクステリアデザインは、流行に左右されない、タイムレスな美しさが追求されている。
エクステリアデザインは、流行に左右されない、タイムレスな美しさが追求されている。
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「エレガントで優しい感じ。それはボルボ的では?」とインゲンラート氏。
「エレガントで優しい感じ。それはボルボ的では?」とインゲンラート氏。
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時を超えた美しさを目指す

――コンセプト クーペは、1960年代の「ボルボP1800」を思わせるスタイルを採ります。なぜ、モチーフにP1800を選んだのですか?

インゲンラート氏:「P1800をベースにデザインしたというわけではありません。とはいえ、精神的には、両車はつながっています」

――では、2台がつながっている点とは何ですか?

インゲンラート氏:「2台とも、スーパースポーツでも、ドリームカーというわけでもありません。とはいえ、“普通”でもありません。われわれが具体化したいものを表現したらこうなった、と言うべきでしょうか。流行を追うのではなく、美しく、エレガントでクラシカル。ずっと魅力が衰えない。そんなクルマです」

――ボルボというと、四角く、武骨で、安全第一、という時代が強く思い起こされます。P1800は、どちらかというと異端な、いわばプレイボーイのためのクルマでしたね。

インゲンラート氏:「ボルボは、非常に合理的な会社と思われがちですが、コンセプト クーペのようなクルマを出すことによって、異なる側面があることも理解していただけると思います。エレガントで優しい感じのクルマ。そうした性格は、『ボルボ的』と言えるんじゃないでしょうか」

1960年代を範にとったレトロモダンな内装

――コンセプト クーペは、今後のボルボデザインを示唆しているのですか?

インゲンラート氏:「そうですね。かつては四角くて武骨なクルマをつくっている時代もありましたが、それがボルボのすべてではありません。コンセプト クーペでは、凝り固まった考えを採るのではなく、もう少し視野を広げるためのアプローチを意図的に行っています。

――ページさんに質問です。魅力的なエクステリアを持つコンセプト クーペのインテリアをデザインするうえで注意したことは何ですか?

ページ氏:「P1800をはじめ、ボルボ車のヘリテージを受け継いだカタチで、インテリアをデザインしました。グラフィック的にも、非常に美しいラインで構成されています」

――より具体的に教えてください。

ページ氏:「1960年代は、インテリアがリッチだった時代といえます。見事なクラフトマンシップ。ぜいたくなマテリアル。コンセプト クーペにも、クラシカルな感じでヘリテージを取り入れながら、一方で、現代的なコンセプトを表現しています。デザイナーの責任として、レトロなだけではいけません。過去を生かしつつ、モダンなものをつくらなくてはなりません。エクステリアに合わせて、いわばレトロのフレーバーを利かせたモダンなインテリアにすることを心がけました」

――コンセプト クーペは、とてもハンサムなクルマです。世のプレイボーイたちは、次世代のボルボ車を待つべきでしょうか!?

インゲンラート氏:「洗練性を求めるプレイボーイならそうですね! 期待してください」

(インタビューとまとめ=青木禎之<Office Henschel>/写真=DA、ボルボ)

インテリア・デザイン・ディレクターのロビン・ページ氏。
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1960年代のテイストを取り入れながら、モダンに表現されたインテリア。
1960年代のテイストを取り入れながら、モダンに表現されたインテリア。 拡大
「1960年代はインテリアがリッチだった」とページ氏。インテリアの随所に洗練されたディテールを見ることができる。
「1960年代はインテリアがリッチだった」とページ氏。インテリアの随所に洗練されたディテールを見ることができる。 拡大
このフロントグリルのデザインも、将来の量産モデルに生かされる?
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青木 禎之

青木 禎之

15年ほど勤めた出版社でリストラに遭い、2010年から強制的にフリーランスに。自ら企画し編集もこなすフォトグラファーとして、女性誌『GOLD』、モノ雑誌『Best Gear』、カメラ誌『デジキャパ!』などに寄稿していましたが、いずれも休刊。諸行無常の響きあり。主に「女性とクルマ」をテーマにした写真を手がけています。『webCG』ではライターとして、山野哲也さんの記事の取りまとめをさせていただいております。感謝。

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