新型「メルセデス・ベンツCクラス」日本上陸
2014.07.11 自動車ニュース ![]() |
新型「メルセデス・ベンツCクラス」日本上陸
メルセデス・ベンツ日本は2014年7月11日、4代目となる新型「メルセデス・ベンツCクラス」の国内導入を発表。同日、販売を開始した。
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■さらに大きく、しかし軽く
「アジリティ&インテリジェンス」をコンセプトに掲げる、新型Cクラス。そのルーツは1982年に登場した、メルセデス初のDセグメントのモデルだった「190シリーズ」で、Cクラスを名乗ってからは4代目となる。
現行型「Sクラス」と見紛(まが)うばかりの姿だが、“ベビーSクラス”的なルックスは、ひょうたん型のヘッドライトが特徴的だった2代目を除く、Cクラスの伝統ともいうべきものだ。
ボディーサイズは、ベーシックな「C180」で全長4690mm(先代C180比+95mm)、全幅1810mm(+40mm)、全高1445mm(±0mm)、ホイールベース2840mm(+80mm)と、ひとまわり大きくなった。
5ナンバー規格に収まり“小ベンツ”と俗称された190と比べると、30余年の間に全長で300mm近く成長。元来コンパクトクラスと呼ばれていたが190の登場によりミディアムクラスに改称された、名作の誉れ高いW123型と比べても、全長を除いては上回るサイズとなっている。
ボディーサイズの拡大にもかかわらず、C180で1490kgという車重は先代より10kg軽い。これは新型の最大の特徴である、アルミニウムと高張力鋼板を適材適所に組み合わせた、革新的な軽量高剛性「アルミハイブリッドボディ」の採用によるものだ。ちなみにボディーシェルのアルミニウム使用率は約50%と量産車としては異例に高く、ホワイトボディーでは先代比約70kgの軽量化を達成。またボディー細部にわたる徹底した空力最適化により、Cd値は0.24というセグメントの最高水準を実現した。
■燃費は最大30%改善
軽量化されたボディーとともに、新型のコンセプトのひとつであるアジリティー(機敏さ、軽快さ)に大きく貢献しているのがサスペンション。フロントはリンク機構とストラット式スプリング/ダンパーを独立させた新開発の4リンク式、リアはCクラス伝統のマルチリンク式で、モデルによって3タイプが用意されている。
基本となるのは、走行状況に応じてダンパー内のオイル流量を変化させて減衰力を調整する「アジリティコントロールサスペンション」。それをベースにスプリングとダンパーを固め、ステアリングギア比も速めた「スポーツサスペンション」。そしてCクラスおよび同セグメントで初採用となる「エアマティックサスペンション」。エアスプリングと連続可変ダンパーを電子制御することで、これまでラグジュアリークラスでしか得られなかった快適な乗り心地を手に入れたという。
エンジンは高い動力性能と環境性能を両立させた1.6リッター直4 DOHC ターボ、または2リッターのBlueDIRECTこと直噴直4ターボ。C180と「C180アバンギャルド」に積まれる1.6リッターは、最高出力156ps/5300rpm、最大トルク25.5kgm/1200-4000rpmを発生。2リッターは「C200アバンギャルド」用が184ps/5500rpm、30.6kgm/1200-4000rpm、「C250スポーツ」用が211ps/5500rpm、35.7kgm/1200-4000rpmとなる(C250スポーツのみ欧州仕様車の参考値)。ボディーの軽量化および空力性能の向上と相まって、燃費は先代比で最大30%以上低減。C180で17.3km/リッター、C200アバンギャルドが16.5km/リッター(JC08モード)となる。なお、トランスミッションは全車7段ATである。
■Sクラスゆずりの安全装備を搭載
もうひとつのコンセプトであるインテリジェンスとは、メルセデスの哲学である安全性の追求をサポートするシステム。ドライバーの疲労の抑制が安全運転に貢献するという思想に基づき、安全性と快適性を高次元で融合させた「インテリジェントドライブ」と呼ばれる安全運転支援システムには、現行型Sクラスに導入された最新技術の多くが採用されている。
その基本となるのが、ステレオカメラとレーダーによってクルマの周囲360度をカバーする複合的なセンサーシステム。このシステムから得たデータを高度なアルゴリズムで解析することよって、先行車両、前を横切る車両、後方を走る車両、対向車、歩行者などを検出してその位置を特定。状況を判断して、アクセル、ブレーキ、ステアリングを自動でアシストする“部分自動運転”を実現したという。
新型Cクラスのラインナップと価格は、C180が419万円、C180アバンギャルドが467万円、C200アバンギャルドが524万円、C250スポーツ(2014年秋ごろから納車予定)が644万円。ハンドル位置は、全て右側のみとなっている。
(文=沼田 亨)
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