第402回:【Movie】恐るべし! パンダの生命力
大矢アキオ、捨て身の路上調査員「イタリア編2015」
2015.06.12
マッキナ あらモーダ!
■6年ぶりの調査結果は?
本欄でたびたびお届けしてきた、各国の路上を実際に走っているクルマウォッチング「捨て身の路上調査員」シリーズ。時の流れは早いもので、前回イタリア編を実行したのは、なんと6年前の2009年5月であった。当時、小学校に入学した児童なら、もう6年生である。ということで、今回アップデートを試みることにした。場所は、前回計測したシエナの隣町で、観光地サンジミニャーノに近いポッジボンシという町だ。10分間にわたって台数を数えてみた結果は、以下のとおりである。
1位:フィアット 20台 (うち「パンダ」が10台)
2位:フォルクスワーゲン 13台
3位:フォード 12台
このあたりは、6年前とほぼ同じである。
パンダの多さは、ここ数年の景気低迷を受け、大型SUVなどから乗り換えるユーザーが少なくないという、当時の事情を反映しているといえよう。
以下、
4位:アルファ・ロメオ、プジョー、メルセデス・ベンツ 各5台
5位:トヨタ、ホンダ 各4台
6位:韓国GM製シボレー、ルノー、スズキ、オペル 各3台
その他14台となった(商用車を除く)。
ハイブリッドに関しては、都市ではかなり普及してきたものの、こうした郊外では、前回同様タクシーを除きそれほど普及していないようだ。
いっぽうで変化もある。
インドのタタや、中国の長城汽車(グレートウォール)の高級ブランド「ハヴァル」のSUVが、ちょっと眺めているだけでも交じるようになったのは、時代を感じざるを得ない。
屋台のパニーノをかじっている向こうで、アド(広告)トラックやツーリングを楽しむ「ハーレーダビットソン」、そして三輪トラックなどさまざまな車両が往来する。トスカーナ地方の、のどかな昼下がりのロータリーを動画でお楽しみいただこう。
(文と写真=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)
「捨て身の調査員」イタリア編 2015年夏
(撮影と編集=大矢アキオ<Akio Lorenzo OYA>)

大矢 アキオ
Akio Lorenzo OYA 在イタリアジャーナリスト/コラムニスト。日本の音大でバイオリンを専攻、大学院で芸術学、イタリアの大学院で文化史を修める。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとしてシエナに在住。NHKのイタリア語およびフランス語テキストや、デザイン誌等で執筆活動を展開。NHK『ラジオ深夜便』では、24年間にわたってリポーターを務めている。『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり』(コスミック出版)など著書・訳書多数。近著は『シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザイン活動の軌跡』(三樹書房)。イタリア自動車歴史協会会員。
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