第2回:デビューしたてのフレッシュな3台を紹介
輸入車チョイ乗りリポート~350万から500万円編~
2016.03.07
JAIA輸入車試乗会2016
大磯ロングビーチに集結した魅力的なインポートカーの中から、今回はwebCGメンバーが350万~500万円という価格帯で気になるモデルをピックアップ。いずれも2015年の下期から2016年にかけて登場したばかりという、フレッシュな3台を紹介する。
最新ジープは都会派ジープ!?
ジープ・レネゲード トレイルホーク(My Skyオープンエアルーフ付き)……361万8000円
4×4の代名詞ともいえるジープの最新モデル「Renegade(レネゲード、反逆者の意味)」。名は体を表すというがこのクルマ、そんな骨っぽいクルマには見えない。
今回試乗した「ソーラー イエロー」などポップなボディーカラーがそろっているし、見た目もフォルクスワーゲンの「ザ・ビートル」やフィアットの「500」みたいな、レトロテイストのかわいい系だ。
内装も、そこここにジープのシンボルがちりばめられている。あらゆるところにウサギが潜む「スズキ・アルトラパン」のようだ。もっとずっとオトコっぽいけど……。
米・伊の5ブランドを抱えるFCAで、このクルマは「フィアット500X」との共同開発車。生産も、日本向けのものはイタリア・メルフィの工場で、フィアット500Xとともに作られる。
ということは、もしかしてイタリア企画? と思って開発者に聞くと、違うとの答え。企画自体はフィアットとの結婚以前からあったもので、デザイナーもアメリカ人。生産だけがイタリアで、ほかは完全にアメリカンなのだとか。ほぉ。
で、そんなレネゲード、4WDの上級仕様「トレイルホーク」に乗って、想像以上の快適さにうれしくなった。2.4リッターNAエンジン(175ps、23.5kgm)+9段ATの組み合わせは「チェロキー」でも実績のあるもので、変速マナーもパワーの出方も文句なし。乗り心地も、硬過ぎず柔らか過ぎずでちょうどいい。最高速100km/hの国で9段ATの意味あるかなとも思ったのだが、高速道路ではトップギアを使いこなしていた。
使い勝手の点では、ボディーの見切りがよく、幅はそこそこある(1805mm)ものの短い全長(4260mm)のおかげで狭い道でも取り回ししやすい。あと、オールシーズンタイヤを履いているので、予期しない突然の雪などに対応できるのもうれしい。
ジープブランドの末弟は、都市部の移動が中心で、時々、山や海で羽を伸ばす。そんな使い方がピッタリはまる、しゃれのきいた一台だった。
(文=webCG こんどー/写真=田村 弥)
7人乗りのゴルフ
フォルクスワーゲン・ゴルフトゥーランTSIハイライン……376万9000円
ミニバンに1人で乗っていると、それが大きいミニバンだろうが小さいミニバンだろうが、筆者は「なんか、無駄なことしているなぁ」とか「自分は役に立ててないなぁ」という居心地の悪さみたいなものを感じてしまって仕方がない。
しかし、なぜだか「ゴルフトゥーラン」には、それをあまり感じずに済む。
新型は、従来型より全長が130mm、全幅が35mm大きくなっており、ホイールベースは110mmも長くなっている。しかし、全高が(モデルによっては最大で)30mm低くなっているためか、パッと見ではそれほど大きくなったという印象は受けない。
1列目と2列目のシートの居住性が高まっていることは見ればだいたいわかるので、試乗車のキーを借りるなり3列目シートに収まってみたところ、筆者(身長182cm)にとっては「プラス2シート」にすぎなかった。
だからといって、ゴルフトゥーランの室内を狭いなどという気は毛頭ない。全長4.5mのクルマに、フル7人乗車の居住性を求めるのは、そもそも無理だからだ。トゥーランはよく頑張っていると思う。
ミニバンぽさを感じずに済む最大の理由は、おそらくその走りの確かさにある。1.4リッターガソリンターボエンジンはその諸元こそ150psおよび25.5kgmと平凡だが、単に試乗路の西湘バイパスを法定速度以下でだらっと流すにしても、決して凡庸ではない、ドライバーの意に沿った足どりを見せる。
相模湾からの横風を受けてもゆらゆらと腰砕けになったりしないし、最近のフォルクスワーゲン車の美点である快適性や静粛性だってある。このクルマに乗って思い浮かんだ言葉は、やはり今回も「7人乗りのゴルフ」だった。
(文=webCG 竹下/写真=田村 弥)
見た目以上にイケちゃうボルボ
ボルボV60クロスカントリーD4 SE……494万円
ボルボといえば、ワゴンでしょう! で、その中核モデル「V60」にSUV的な味付けをしたのが「V60クロスカントリー」。SUVが人気のいま、期待も高まるというものです。
実際、市場では大健闘。調べてみると、2015年10月6日にデビューしたV60クロスカントリーは、その後3カ月で345台を販売。標準型V60が2015年の12カ月間に2465台売られたことを考えると、「派生モデルだ」などとあなどれない数字です。
いや、筆者はむしろ、このクロスカントリーこそ本命とみています。“クロスオーバー”をうたう中にはヘンテコなクルマも多いけれど、V60クロスカントリーは成功例。大人が選ぶにふさわしい、均整のとれたスタイリングと思います。
ディーゼルエンジンとの相性もなかなか。40.8kgmの最大トルクをわずか1750rpmで発生するため、市街地のストップ&ゴーはストレスフリー。そこから速度を上げたところで、100km/h巡航時は1500rpmと、エンジン回転数は低めのまま。風切り音が意識されてしまうほど、メカニカルノイズは控えめです。
専用サスのたまものか、路面の様子がわかるわりには、不快なショックと縁がない。コトン、トトンと段差を越えつつ、どこまでも走りたくなる……軽油で19.5km/リッター(JC08モード)という経済性も、その追い風になるでしょう。
地上高は、標準車より65mm増しの200mm。なのに立駐に入れられる。見た目以上に、どこでもイケる。ハッタリのない本格派です。
(文=webCG 関/写真=峰 昌宏)

webCG 編集部
1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。
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