BMW M4クーペ(前編)
2016.06.23 谷口信輝の新車試乗 SUPER GTやD1グランプリなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー、谷口信輝が、歯に衣を着せず、本音でクルマを語り尽くす! 今回の試乗車は「BMW M4クーペ」。431psの3リッター直6ターボユニットを搭載するスポーツクーペを、谷口はどう評価する?このエンジンは良すぎる!
レーシングドライバーの谷口信輝が前回の「レクサスGS F」に続いて乗り込んだのは、「バイエルンの狼」の証しである“M”の称号が与えられたBMW M4クーペ。フロントに搭載された直6 3リッターターボエンジンは431psと550Nm(56.1kgm)を生み出すスポーティークーペだが、この日も箱根はあいにくの雨。しかも、試乗の時間が近づくと次第に雨脚が強まってきたうえ、霧があたりを覆い始めた。ハイパワーモデルのポテンシャルをフルに引き出すには最悪に近いコンディションである。
この状況にはさすがの谷口も手こずったようで、運転席から降りるなり、「ガスが出ているせいで前が見えなくて、エンジンをレブリミッターまで引っ張ることができませんでした」とこぼし始めた。それでもBMWパワーの迫力は十分に堪能したようで、その感想を次のように語っている。「すっごいエンジンパワーですよ。もう、アクセルを踏んだ瞬間からホイールスピンするし、シフトアップしてもまたホイールスピンする。ターボの過給が効き始めるのも早くて2500rpmくらいからトルクが立ち上がってきます。おかげで、このコンディションだとパワーを路面に伝えきれなくて、トラクションコントロールがすぐ利いちゃう。かなり楽しいクルマですね」
ただし、クルマ全体のバランスを考えると、少しパワー過多な印象を谷口は抱いたようだ。「えーと、あの円グラフみたいなの、レーダーチャートっていうんでしたっけ? あれでこのクルマを表現すると、パワーのところが明らかに勝っている感じですね。最近のクルマはボディー剛性が高くて、ブレーキやタイヤの性能も上がっているから、一番不足しているのがパワーっていう例も少なくないじゃないですか。でも、M4は正反対で、パワーだけが突出している感じ。その意味ではすごい刺激的だけれど、ちょっとトラクションは不足気味ですね」
つまり、M4はシャシーにエンジンが勝っているようなのだが、それはシャシー性能が低すぎるからというよりも、エンジンが“良すぎる”ことに原因があるようだ。「さっきも話したとおり、ガスのせいでとにかく前が見えなくて、おかげでレブリミットまで引っ張れなかったけれど、それでも加速感は途絶えることなく続いていきます。たしか6500rpmくらいまでしか引っ張らなかったけれど、レッドゾーンは7300rpmくらいでしょ? これって、ターボエンジンとしてはすごく高いですよね」
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