メルセデス・ベンツS300hロング(前編)
2016.09.08 谷口信輝の新車試乗 SUPER GTや86/BRZ Raceなど、数々のモータースポーツシーンで活躍中のレーシングドライバー谷口信輝が、本音でクルマを語り尽くす! 今回の試乗車は「メルセデス・ベンツS300hロング」である。いつもと違って、まずは後席の試乗から開始した谷口。体が資本のレーシングドライバーにとって、この豪華な後席はどう映る?まずは後席の試乗から
「これさ、メチャメチャ気持ちいいね」
メルセデス・ベンツS300hロングの後席に腰掛けた谷口信輝は、やや興奮した面持ちでそう語った。
「だいたいさ、オットマンがついているクルマは日本車にもときどきあるけれど、僕が座ると窮屈な姿勢になって、膝の下がスッカスカになっていたりする。チビッコか小柄な女性しか、あそこには収まらないんじゃないかなと思うけれど、これはいいよね。本当にラクチンだし優雅」
「それと、リアのヘッドレストがフカフカに柔らかいのはいいけれど、こんな優しい素材だと、オジサンの耳の後ろからしみ出してくる加齢臭が染み込んできちゃうよ」
お、谷口が早くも不満に思う点を見つけ出したようだ。
「だから、洗えるか交換できるかしないといけないね、これは……」
バックスキンのステアリング同様、谷口は汗が染み込む素材がどうも苦手なようである。
ただし、それを除けば谷口は本当にS300hロングの後席が気に入ったようだ。それならば、初の試みとして谷口に後席インプレッションをしてもらうことにしよう。いつものワインディングロードを、谷口を後席に迎えたS300hロングは滑るようにして走りだした。
「あのさ、これメチャクチャ快適だよね。足まわりはコンフォートでもスポーツでもどちらでも大丈夫。まあ、比べればコンフォートのほうがハーシュネスは軽いから、僕が後席に座っていて運転手に尋ねられたら『コンフォートにしておいて』って頼むだろうね。でも、それくらいの違いでしかないよ」
しばらくS300hロングの後席でくつろいでいるうち、谷口の脳裏に妄想が浮かび上がってきたようだ。
「あのさ、僕は週末になると朝早くから鈴鹿とか富士とかもてぎとかに行くわけですよ。だから、基本的には移動の間が休息時間なんですが、そんなとき、このクルマを運転手に運転してもらってサーキットまで行ったら、本当にラクだろうね」
そんな妄想を巡らせながらも、現実を見失うことがないのが谷口らしいところでもある。「でもね、僕の身分でそれをやったら、みんなから嫌われるだろうね。『タニグチも勘違いが始まったな』とか言われてさ。やっぱり、僕だったらワンボックスが精いっぱいってところだよね」
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