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第4回:究極のATSセダンの実力は?(最終回)
キャデラックATS-Vに試乗する

2016.11.24 キャデラックATSセダン長期試乗リポート<PR> webCG 編集部
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「ATS」シリーズの最上級に君臨する「ATS-V」。470psの3.6リッターV6ツインターボエンジンを搭載するスーパーATSだ。
「ATS」シリーズの最上級に君臨する「ATS-V」。470psの3.6リッターV6ツインターボエンジンを搭載するスーパーATSだ。拡大

2カ月にわたってお届けしてきた「キャデラックATSセダン」の長期試乗記もいよいよ最終回。今回は470psを誇る3.6リッターV6ツインターボエンジン搭載のスーパーセダン「ATS-V」の走りをリポートする。

ラグジュアリーとスポーティーが同居するコックピット。そこかしこにスエード素材とカーボンが用いられている。
ラグジュアリーとスポーティーが同居するコックピット。そこかしこにスエード素材とカーボンが用いられている。拡大
スポーティーなレカロ製16ウェイパフォーマンスシートが標準で備わる。
スポーティーなレカロ製16ウェイパフォーマンスシートが標準で備わる。拡大
470psと61.5kgmを誇る3.6リッターV6ツインターボエンジン。4000rpmを超えるあたりから硬質な快音を発する。
470psと61.5kgmを誇る3.6リッターV6ツインターボエンジン。4000rpmを超えるあたりから硬質な快音を発する。拡大
試乗車のボディーカラーはファントムグレーメタリック(受注発注色)。
試乗車のボディーカラーはファントムグレーメタリック(受注発注色)。拡大
キャデラックVシリーズのエンブレム。
キャデラックVシリーズのエンブレム。拡大

モータースポーツの香りがする

ATSセダンはキャデラックらしいラグジュアリーな風合いを持ちながら、一方でスポーティーさが際立つクルマであることは前回のリポートで紹介したとおりだ。そのフットワークはとても軽やか。街中で何気なくステアリングを切ってもクルマのノーズは小気味よく反応し、運転という行為の楽しさを日常的に味わわせてくれる。早くも連載の結論めいた言い方になるが、ATSセダンを選ぶひとつの決め手は、そんなクルマとの対話の面白さにあるのではないかと筆者は思っている。

もしそうであるのなら、この長期試乗リポートの最後に、ATS-Vに試乗しない手はないだろう。ATS-VはATSシリーズのフラッグシップモデルにして、ATSセダンの“フィジカル”をスポーツカーの領域にまで高めたモデルだ。470psを生み出す3.6リッターV6ツインターボエンジンを搭載し、0-60mph(97km/h)加速は3.8秒、最高速は189mph(304km/h)というハイスペックを誇るスーパーATSである。

普段運転している「ATSセダン プレミアム」(276psの2リッター直4ターボエンジン搭載)から乗り換えると、「V」はさすがに操りがいがある。マクファーソンストラットのフロントサスペンションは、通常のゴムブッシュから“ゼロコンプライアンス”(弾性ゼロ)のボールジョイントに変更されているため、ステアリングの反応が一段とシャープで、しかも正確だ。箱根のワインディングロードでは、鋭利な刃物で路面を斬りつけるかのごとくスパッと向きを変える。

そしてエンジンの起爆力も相当なものだ。470ps(346kW)/5800rpm、603Nm(61.5kgm)/3500rpmというピーク値もさることながら、このツインターボユニットは3000rpm以下の実用域のドライバビリティーも優れており、スロットルペダルを深々と踏み込もうものなら、回転域を問わずドンッと背中を押されるかのような加速を開始する。フロントに6ピストンのキャリパーをおごったブレンボのブレーキシステムは、制動力をブレーキペダルのストロークではなく、いわば踏力(とうりょく)でコントロールするタイプ。そこかしこにモータースポーツの香りが漂っている。

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先進運転支援システムも充実

“好戦的”ないでたちのATS-Vは、その見た目通りのダイナミックな走りが魅力のモデルだ。しかし、それでいながら快適性は思いのほか犠牲になっていない。ラグジュアリーとスポーティーはこのスポーティーなモデルでもちゃんと同居している。

3.6リッターのV6エンジンは、さすがに回転フィールが滑らかだ。標準型ATSセダンの2リッター直4ユニットも、普段は「まるで6気筒のようにスムーズだ」と思いながら乗っていたが、いざ本物の6気筒に乗ってみたら、当然ながら別物であった! ターボトルクが漸進的、かつリニアに立ち上がるおかげで、1500rpmあたりを多用する街乗りでもとても扱いやすい。

また、ATS-Vは足まわりだってかなりハードだ。フロントサスペンションはスプリングとアンチロールバーの強化によって、ロール剛性が50%も高められているという。しかし、この手のスポーツモデルにしては乗り心地がいい。ドライバーモードコントロールを「スポーツ」や「トラック」(サーキット)ではなく、通常設定の「ツーリング」にしておけば、高速巡航時にピョコピョコとしたせわしないピッチングを露呈することもなく、車両の姿勢はフラットに保たれる。長距離の移動も楽にこなせるだろう。

さらに、今回試乗した「ATS-V スペックB」は、先進運転支援システムが充実しているのも特徴である。「スペックA」には付かないフォワードコリジョンアラート(前方衝突事前警告機能)やレーンキープアシスト(車線内走行アシスト)/レーンディパーチャーウォーニング(車線逸脱警告機能)、レーンチェンジアラート/サイドブラインドゾーンアラート、リアクロストラフィックアラート(後退時安全確認警告機能)などが搭載されているので心強い。シートクッションの左右に内蔵されたバイブレーターが振動してドライバーに警告する、キャデラックならではの「セーフティアラートドライバーズシート」も装着される。先進の安全技術を進んで採用するキャデラックの伝統が、このスーパーATSにも生きている。

当連載は冒頭でも触れたとおり、今回が最終回となる。キャデラックというアメリカを代表するブランドのことは誰もが知っているけれども、その実、まだ知られていない部分が少なからず残っているのもキャデラックであるのなら、その部分についてはキャデラックに任せていい。出来については決して期待を裏切らないから――これが、この2カ月間で得た偽らざる実感である。

プレミアムという言葉を、オーナーが製品に抱く信頼感や、そこから導かれるプライドと読み替えるなら、キャデラックはそれを満足させるに足るテクノロジーと伝統がある。発見続きの、楽しい2カ月間だった。

2カ月間、ご愛読ありがとうございました。

(webCG 竹下)

→キャデラックATSセダンのスペックを公式サイトで詳しくみる
 

大きなエアインテークと広げられたフェンダーが迫力を醸し出す。カーボンファイバー製のエンジンフードには、ラジエーターからの熱気を上方に逃がすエアベントが設けられている。
大きなエアインテークと広げられたフェンダーが迫力を醸し出す。カーボンファイバー製のエンジンフードには、ラジエーターからの熱気を上方に逃がすエアベントが設けられている。拡大
「ATS-V」のドライバーモードコントロールには通常設定の「ツーリング」のほか、「スポーツ」と「トラック」(実行モードと表示される)、そして「スノー/アイス」の計4モードが用意される。
「ATS-V」のドライバーモードコントロールには通常設定の「ツーリング」のほか、「スポーツ」と「トラック」(実行モードと表示される)、そして「スノー/アイス」の計4モードが用意される。拡大
タイヤサイズは前が255/35ZR18、後ろが275/35ZR18。「ミシュラン・パイロットスーパースポーツ」が装着される。
タイヤサイズは前が255/35ZR18、後ろが275/35ZR18。「ミシュラン・パイロットスーパースポーツ」が装着される。拡大
先進運転支援システムが充実しているのも「ATS」シリーズの美点。写真は、ドライバーの死角に他の車両が存在すると警告を発する(ドアミラーにオレンジ色の警告灯がつく)レーンチェンジアラートが働いているところ。
先進運転支援システムが充実しているのも「ATS」シリーズの美点。写真は、ドライバーの死角に他の車両が存在すると警告を発する(ドアミラーにオレンジ色の警告灯がつく)レーンチェンジアラートが働いているところ。拡大
「ATS」シリーズと過ごした2カ月間は、キャデラックの実力に対する発見続きの日々だった。ご愛読、ありがとうございました。
「ATS」シリーズと過ごした2カ月間は、キャデラックの実力に対する発見続きの日々だった。ご愛読、ありがとうございました。拡大
webCG 編集部

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1962年創刊の自動車専門誌『CAR GRAPHIC』のインターネットサイトとして、1998年6月にオープンした『webCG』。ニューモデル情報はもちろん、プロフェッショナルによる試乗記やクルマにまつわる読み物など、クルマ好きに向けて日々情報を発信中です。

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