第140回:前輪駆動車で砂漠から生還する愛の力!
『マリアンヌ』
2017.02.09
読んでますカー、観てますカー
美男美女スパイの問題点
男が空からパラシュートで砂漠に降下する。一本道を走ってきたクルマに乗ると、座席の上に置かれたカバンの中に入っていたのはパスポートと現金。二重底の下にはライフルが隠されていた。秘密諜報(ちょうほう)員のマックス・ヴァンタンがモロッコに到着するところから物語は始まる。
1942年に入り、第2次世界大戦は新たな局面を迎える。ナチスの傀儡(かいらい)、ヴィシー政権下のフランス領モロッコでは、ひそかに反撃の準備が進められていた。『マリアンヌ』の原題は『Allied』。連合軍のことだ。カナダ出身のマックスは、イギリス軍から派遣されたスパイである。彼はカサブランカに滞在している妻役の女性と合流し、任務を遂行することになっていた。
夫婦ということになれば、敵の警戒も緩む。ただ、まったく面識のない相手だ。「ハチドリ」と「紫色のドレス」というキーワードだけを頼りに女性を見つけ出し、即座に仲むつまじい夫婦を演じなければならない。優秀なスパイになるには、演技力を持っていることも大切なのだ。
マックス役はブラッド・ピット。レジスタンスの一員であるマリアンヌ・ボーセジュールを演じるのはマリオン・コティヤールだ。言わずと知れた美男美女である。愛し合う夫婦らしく見せるには、ルックスに格差があってはならない。偽装のために選ばれた組み合わせだが、問題点がひとつある。いい男といい女は、恋に落ちてしまうのだ。

鈴木 真人
名古屋出身。女性誌編集者、自動車雑誌『NAVI』の編集長を経て、現在はフリーライターとして活躍中。初めて買ったクルマが「アルファ・ロメオ1600ジュニア」で、以後「ホンダS600」、「ダフ44」などを乗り継ぎ、新車購入経験はなし。好きな小説家は、ドストエフスキー、埴谷雄高。好きな映画監督は、タルコフスキー、小津安二郎。
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