ボルボS90 T6 AWD インスクリプション(4WD/8AT)
北欧の流儀 2017.03.29 試乗記 ボルボの最新テクノロジーを北欧ならではのデザインで包んだフラッグシップセダン「S90」。新世代プラットフォーム「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー」がもたらす走りを、ツインチャージャーエンジンを備えた最上級グレードで確かめた。クーペのようなボディーライン
3月初旬、朝7時半に東京・丸の内で待ち合わせしていた。東京駅中央口と皇居をつなぐ行幸通りの端っこに皇居の方を向いてボルボS90はとまっていた。
斜め後ろから見るS90はクーペのようだった。ルーフがリアに向かってなだらかに下がるクーペルックは先代にあたる「S80」もそうだったし、最近のセダンのデファクトスタンダードのようになっている。にしてもS90は全体がシンプル&クリーンな線と面で構成されていて、とてもきれいだった。S90のまわりだけ北欧の清澄な空気に包まれている。
その美しさに、イングリッド・バーグマンのようだ、と思った。と、バーグマンがスウェーデン出身であることを確認してから、そう書いてみた。スカーレット・ヨハンソンはデンマーク系で、スウェディッシュではなかった。
それはさておき、S90は全長5m弱、全幅1.9m弱という巨体だけれど、最近のドイツ製エグゼクティブサルーン――メルセデス・ベンツの「Eクラス」や「BMW 5シリーズ」と数値的にはほぼ同じであるので、つまりこのクラスの順当なサイズということになる。