ボルボV90 T6 AWD インスクリプション(4WD/8AT)/S90 T6 AWD インスクリプション(4WD/8AT)
美しい意欲作 2017.02.22 試乗記 ボルボのラインナップに、新たなフラッグシップモデル「V90」「S90」が登場。新世代プラットフォームや、2つの過給機を持つエンジンがもたらす走りの質を、試乗して確かめた。ドイツのライバルより上に見える
試乗会の行われている横浜みなとみらい地区に入ったら、斜め前の右折車線に白いS90が滑り込んできた。初めて見るボルボの新型フラッグシップセダンは、きれいだった。色のせいか、白鳥っぽい。クルマに興味のない女性などにも、「あれ、なに?」と指をさしてもらえそうなクルマだと思う。「メルセデス・ベンツEクラス」「BMW 5シリーズ」「アウディA6」らと同じクラスだが、あと4cmで5mの伸びやかな4ドアボディーは、もう少し上に見える。
S90は、「S80」以来、不在だったボルボのフルサイズセダンである。そしてS90のワゴン版がV90。これは従来の「V70」を引き継ぐ。「240」「740/760」「940/960」「850」と続いてきた“ボルボのワゴン”の最新型である。V70には、モデル末期恒例の “クラシック”がすでに出ている。
S90/V90は、大型SUVの「XC90」に続く新世代ボルボ第2弾である。ボディーサイズの大小にフレキシブルに対応できる車台、スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー、2リッター4気筒のDRIVE-Eパワートレイン、いずれも、いわば“フォードフリー”の自前コンポーネントで構成される。
2リッターエンジンのラインナップは、XC90と同じ。すなわち、最高出力254psのターボ、320psのターボ+スーパーチャージャー、これに87psのモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドの3種類。ただし、販売比率を2割程度と見込んでいるS90には、いまのところプラグインハイブリッドは用意されない。国内初の試乗会に用意されていたのは、S90、V90いずれも「T6 AWD インスクリプション」。320psの4WDモデルである。