第422回:鬼の洗濯板が広がる青島に幻のレストランが出現!
「DINING OUT MIYAZAKI with LEXUS」でアメージング体験
2017.06.19
エディターから一言
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食を通じて地方の持つ魅力を再発見する野外イベント「DINING OUT(ダイニングアウト)」の第10弾が2017年5月27~28日に宮崎県宮崎市にて開催された。1泊14万円からという価格設定にもかかわらず、注目を集めているワケとは? イベントの2日目に記者も参加、その魅力を探ってみた。
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神宿る島で開催された特別なイベント
空港を一歩出ると、南国特有の湿気を含んだ空気があたりに充満していた。ヤシの木が青々と空を仰ぎ、まだ5月の終わりだというのに、ブーゲンビリアの花が壁をマゼンタに染めている。
ダイニングアウトの第10弾が、宮崎で開催されると聞いてやってきた。が、会場はまだ知らされてはいない。ミステリーツアーだ。
スタッフに案内されクルマを降りると、目の前には波のような奇岩が沖に向かってびっしりと敷き詰められるように連なっていた。これが鬼の洗濯板か! そして橋の向こう側に見える島が青島。どうやらこの島で開催されるらしい。
青島は、砂と泥が規則的に重なり合い、隆起したところを波が浸食してできた島で、今から2400万年前から200万年前の間にできたものだといわれている。積み重なった貝の上にタネが落ち、ビロウ樹の森ができた。そこには、古くから一部の人が入れるのみで、森は今もほぼ古代のままの姿を保っている。
ジャングルを右手に見ながら、海沿いの道を歩いていくと、特設のオープンキッチンで、立ち上る煙と格闘しながら、骨付きの鶏モモ肉を焼くシェフの姿が見えた。フレンチの川手寛康シェフだ。調理場に向かい合うように並べられたテーブルには、ゲストが席に着き始めている。さあ、海辺のディナーの始まりだ。
郷愁をそそるフレンチ
宮崎の食材を使った川手シェフのフレンチは、ハッとするような驚きがありつつも、どれもホッとするような優しい味わいで、口に合うものばかりだった。
中でも、おかわりしたくなるほどおいしかったのが、3品目のだご汁。“だご”とはだんごのこと。この地方で保存食として古くから親しまれている郷土料理だ。
川手シェフはこのだご汁を、チーズ味の白く温かいスープで洋風にアレンジ。中には、豚肉と地粉を練ったものと、トウモロコシの粉をまぜたものとの2種類の“だご”が入っていて、その上に青豆とスライスしたシイタケが乗せてある。こってりとしたスープとねっとりとした歯触りの“だご”との相性が良く、フレンチなのに、なぜか懐かしい味わいになっているのが不思議だ。
料理にペアリングされるお酒でも、興味深い発見があった。
黒岩土鶏という自然放牧鶏のグリルと一緒に供されたのは、「黒麹 旭萬年」という芋焼酎。グラスに氷を入れたロックの状態で提供されたのだが、その際になぜか少量のお湯が注がれた。“ROCK湯(ロッキュー)”という飲み方だという。ロックなのにお湯!?
この飲み方を考案したのは、蔵元である渡邊酒造場のご主人。
糖質がゼロである焼酎に甘みを感じるのは、焼酎に含まれる植物性の脂が関係している。その脂が溶け出すことで、甘みが香りとともに立ち上がってくる。だから、お湯を注いで脂を溶かす。一度開いた甘みと香りはそのままなので、その甘みと香りを生かしたまま冷やせば、すっきりと飲める。
お酒も科学して飲むと、よりおいしくなる、というわけだ。
さらに今回は、中国花椒(かしょう)を振りかけ、スパイシーな風味を楽しめるようにしたという。一口飲むと、山椒(さんしょう)の爽やかな風味が口の中に広がった。こんな飲み方があったなんて!
気づくと、いつのまにか鬼の洗濯板は消え、海面が白い波を立てながら、すぐ近くにまで迫り、潮の香りがより強くなってきていた。満潮だ。時の流れとともに、刻々と変わりゆく景色、匂い、音を感じながらの食事、この非日常の体験がダイニングアウトの醍醐味(だいごみ)なのだ。
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地域活性化の新しいカタチを目指して
ダイニングアウトは2012年にスタートし、今回で10回目を迎えた。地域をどう見せたら効果的に魅力的に表現できるか、という思いから始まったこのイベントだが、なぜ野外レストランだったのだろうか。
第1弾から企画・制作を手がけるONESTORY(ワンストーリー)の大類知樹さんは、レストランをやっているという意識ではないという。
「食文化って、その土地の自然環境とか地政学的な条件、また歴史などで違ってくるので、そういうものにスポットを当てながら地域を再構築していくと、新しい地域表現になっていく。僕らは、ダイニングアウトを地域表現の新しい手法論としてやっているんです」
聞けば、すでに世界中のシェフや、日本中の自治体からオファーがあり、2019年まで話が来ているという。ダイニングアウトがすでにブランドとして認知された証拠だ。
「ブランド化できれば、今後はもっと自由度が広がると思っています。例えば、若くてまだ名前は知られていないアーティストであっても、ダイニングアウトが選んだのだから“きっと面白い人なんだろう”と思ってもらえるようになる。そうやって間口を広げて、その人たちと一緒に、地域を面白く、カッコよく見せていく、そんなプラットフォームイベントにしていけたらいいですね」
ダイニングアウトは雨天決行だ。そのために、別の会場も同時に確保しているというが、筆者が前回、佐賀のイベントに参加した際には、急きょテントが設営された。足元に小川ができるほどの土砂降りに見舞われながらのディナー、それはもう一生忘れることのできないアメージングな体験だった。雨はむしろ、その体験を強烈に印象付ける要素となる。
「地域を表現するためなら、野外で波の音や風の音を感じてもらうほうがいい。予定調和なことでは絶対うまくいかないし、人を感動させられませんから」
大類さんの言葉には、大なり小なり製作物に違いはあれど、ものづくりに従事する人たちに共通する思いが詰まっている気がした。
レクサスLCと過ごす休日
次の日には、レクサスの新型ラグジュアリークーペ「LC500」の試乗プログラムが用意されていた。
車高を低く抑えたFRレイアウトのクーペボディーに、フロントやサイドのダイナミックなラインが印象的な、レクサスにしてはかなりアグレッシブなスタイルだ。ドレープ形状のドアトリムやインサイドドアハンドル、曲面を多用したインパネまわりのディテールを見ても、これまでのレクサスとは一線を画す、チャレンジングな意匠が施されている。外観はイケイケなのに、室内は落ち着いていて、エレガントなのだ。
LCにはハイブリッド車とガソリン車があるが、今回試乗したのは、5リッターV8ガソリンエンジン搭載車。シーガイア周辺の道を走るだけのチョイ乗りだったが、低重心でどっしりとした安定感があり、直進安定性の良さも感じられた。低速では至って穏やか。ゆったりとしたロングドライブにも向いているが、アクセルペダルを踏み込んでいくと一転、“ブォンブォン”という野太いサウンドが響き、どう猛な表情を見せる。さすがは5リッター、だてじゃない。落ち着きの中に華があるといったらいいだろうか。
現実的には、5リッターエンジン搭載車のポテンシャルを普段の生活の中で引き出そうとするのはなかなか難しい。が、日常の中で、ほんの一瞬でもワクワク、ドキドキできるような体験ができたら、それはそれで価値がある。非日常のアメージングな体験こそがレクサスの目指すところなのだから。
ダイニングアウトで海辺が至高のレストランに変わったように、LCで走ったら、忘れられない景色に見えるかもしれない。
(文=スーザン史子/写真=スーザン史子、ワンストーリー)

大久保 史子
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