クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック
【スペック】全長×全幅×全高=3835×1690×1380mm/ホイールベース=2365mm/車重=1190kg/駆動方式=FF/1.6リッター直4DOHC16バルブ(134ps/6750rpm、16.3kgm/4400rpm)/価格=255万円(テスト車=同じ)

ルノー・ウインド(FF/5MT)【試乗記】

脱力系遊びグルマ 2011.09.15 試乗記 下野 康史 ルノー・ウインド(FF/5MT)
……255万円

大衆車をベースにつくられたファンカー、それが「ウインド」の実体である。その成り立ちは走りやパッケージングにどう影響する? “風”を名乗るフレンチオープンの乗り味を試した。 
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!

インポーターの英断

屋根が開くオープンカーだから、「ウインド」(風)。世界的に車名が底をついている今、こんなにシンプルな名前をルノーが所有しているとは思わなかった。まずこの車名に一本とられる。

ウインドは「トゥインゴ」ベースのコンパクトな2座オープンカーである。ATモデルはつくっていないし、今後、計画もないため、左ハンドル/マニュアルの本国仕様をエイヤッと輸入した。サイズに余裕のないコンパクトカーでは、オリジナルの左ハンドルを右に換えると、えてして機械的に副作用が出がちだ。ルノー・ジャポンの英断がうれしい。

ハード的にもう一本とられるのは、なんといってもこの電動オープン機構である。純粋2座コクピットの後ろには、リアウィンドウが立っている。オープンといっても、いわゆるタルガトップだから、屋根の面積が小さい。それを利用したすごくシンプルな開閉機構を採用した。

ロックを外し、スイッチを押すと、ルーフパネルが一枚のまま後ろに180度反転して、トランクリッドの上の収納スペースに収まる。その間たったの12秒。パワーウィンドウのような手軽さで開け閉めできる。

ただ、ひとつ気をつけないといけないのは、ルーフが垂直まで立ち上がるので、上空にスペースがいること。全高2メートルのウチの車庫ではコワくて開けられなかった。ぎりぎり大丈夫だとは思ったが。
2段式リフトパーキングなんかで自慢するのはやめたほうがいい。

快適装備は、CD一体AM/FM電子チューナーラジオ(MP3)、防じんフィルター付きオートエアコン、AUX端子、クルーズコントロールなど。安全装備は、フロントエアバッグ、サイドエアバッグ、ESP(横滑り防止装置)、EBD(電子制御動力配分システム)などが標準で備わる。
快適装備は、CD一体AM/FM電子チューナーラジオ(MP3)、防じんフィルター付きオートエアコン、AUX端子、クルーズコントロールなど。安全装備は、フロントエアバッグ、サイドエアバッグ、ESP(横滑り防止装置)、EBD(電子制御動力配分システム)などが標準で備わる。
拡大
シートは、ホールド性を高めたスポーツタイプで、生地はファブリック。
シートは、ホールド性を高めたスポーツタイプで、生地はファブリック。
拡大

ルノー・ウインド(FF/5MT)【試乗記】の画像 拡大
ルノー ウインド の中古車webCG中古車検索

渋滞でも楽しい!?

ウインドをプロデュースしたのはルノースポールである。それを端的に表すのがエンジンで、フロントにはもともと「トゥインゴ ルノースポール」用に開発された134psの1.6リッター4気筒DOHCが搭載される。あえて“フロントに”と書いたのは、このクルマ、リアウィンドウの両サイドにフィンが立ち、まるでミドシップに見えるからである。

パワーユニットは、5段ギアボックスのギア比を含めて、「トゥインゴ ゴルディーニ ルノースポール」と同じ。しかし、車重(1190kg)が70kg重いせいか、ゴルディーニほどのすばしっこさはない。というか、少し前に乗ったゴルディーニと比べると、本当に同じものなのかなというくらいエンジンそのものの表情に差を覚えたが、それもよしだ。ホットハッチ的な激しさも、スポーツカー! 的な肩ひじ張った気負いもないのが、このクルマの美点である。

134psといったって、しょせん、134psである。速く走ろうと思ったら、5段ギアボックスを駆使して積極的に運転しないといけない。それが楽しい。一方、屋根を開けておけば、渋滞をホフク前進していたって楽しい。

足まわりも、ゴルディーニやトゥインゴ ルノースポールほど硬くない。普通のフレンチコンパクトの硬さだ。アンコのたっぷりしたシートはコンフォート志向で、長く座っていても疲れない。シフトのタッチはわるくないが、アルミのプレスでつくった3つのペダルが、滑りやすくて具合が悪い。オーナーになったら、すぐになんとかしたいところだ。

ボディカラーは、ブルー マジョレル(ブルー)、グリ アルティカM(グレー)、ブラン グラシエ(ホワイト)、ルージュ ディナ(レッド)の4色が設定される。
ボディカラーは、ブルー マジョレル(ブルー)、グリ アルティカM(グレー)、ブラン グラシエ(ホワイト)、ルージュ ディナ(レッド)の4色が設定される。 拡大
1.6リッターの自然吸気エンジンを搭載。燃料はハイオク仕様となる。
1.6リッターの自然吸気エンジンを搭載。燃料はハイオク仕様となる。
拡大
タイヤサイズは、前後とも195/45R16。
タイヤサイズは、前後とも195/45R16。
拡大

今年のイチバン

土砂降りの雨の中も走った。そんなとき、ソフトトップだと雨の叩く音が恐ろしかったりするが、このクルマの耐候性はまったく普通のクローズドボディと変わらなかった。

オープン時でもボディの剛性感に不満はないが、閉めてあると、さらにしっかりする。クローズド時の2座コクピットは、余計に広くない。カプセル感覚のような、いい意味の閉所感があって、とても居心地がいい。

そのかわり、脱いだジャケットやカバンのようなものは、助手席以外に置くところがない。その点はミドシップスポーツカー並みである。

助手席に人を乗せたら、荷物はトランクだが、初めて開けると、そこはギャッとたまげるほど広い。トランクルームの上にルーフの専用収納スペースがあるので、深くはないが、面積が広い。ロードバイク(自転車)の700Cホイールが難なく入る。トランクルーム奥のコーナーには、ボディ剛性を補強する筋交いが渡してある。ちゃんと仕事してるな、ルノースポール。

トゥインゴといえば、「ヴィッツ」や「マーチ」より小さな大衆車である。その車台を使って、こんなこじゃれたファンカーをサラッとつくるところがニクイ。ルーフパネルをそのまま後ろに反転させるなんていう単純なソリューションも、今までありそうでいてなかった。こういうウイットに富んだ、肩の力が抜けた遊びグルマをつくらせると、フランス人は本当にうまい。早くも個人的2011年ベストカーかなと。

(文=下野康史/写真=郡大二郎)

乗り味は、本格スポーツカーとは異なり、マイルドな味付け。
乗り味は、本格スポーツカーとは異なり、マイルドな味付け。
拡大
トランクルーム容量は、270リッター。オープン時も荷室への侵食はなく、同容量が保たれる。
トランクルーム容量は、270リッター。オープン時も荷室への侵食はなく、同容量が保たれる。
拡大

ルノー・ウインド(FF/5MT)【試乗記】の画像 拡大
下野 康史

下野 康史

自動車ライター。「クルマが自動運転になったらいいなあ」なんて思ったことは一度もないのに、なんでこうなるの!? と思っている自動車ライター。近著に『峠狩り』(八重洲出版)、『ポルシェよりフェラーリよりロードバイクが好き』(講談社文庫)。

試乗記の新着記事
  • 日産フェアレディZ NISMO(FR/9AT)【試乗記】 2026.10.28 「日産フェアレディZ」のマイナーチェンジモデルが登場。改良の主眼はZが受け継いできたヘリテージのさらなる深化と性能の強化だという。もはやお値段1000万円(!)に迫らんとする「NISMO」の9段ATモデルを試す。
  • ダイハツ・ミラ イースtuned by D-SPORT Racing(FF/5MT)【試乗記】 2026.10.27 ダイハツのベーシックな軽乗用車をもとに、ラリーやレース向けの競技車両に仕立てた「ミラ イースtuned by D-SPORT Racing」。軽量ボディーをロールバーで固め、力強いターボエンジンを搭載した一台は、クルマの楽しさを学べる教科書のような一台となっていた。
  • フォルクスワーゲン・ゴルフGTI(FF/7AT)/ゴルフRアドバンス(4WD/7AT)【試乗記】 2026.10.26 1976年に誕生し50周年を迎えたフォルクスワーゲンのホットハッチ「ゴルフGTI」と、333PSの出力とハイテク満載の4WDシャシーを武器とする高性能モデル「ゴルフR」にサーキットで試乗。両者の違いとそれぞれの特徴を報告する。
  • レクサスES350h(FF/CVT)【試乗記】 2026.10.24 「レクサスES」がフルモデルチェンジ。8代目となる新型ではボディーがググッと大きくなったほか、デザインも一気に現代的に。さらにトヨタグループでは最新鋭のパワーユニットを積むなど、中身も外身も刷新されている。2.5リッターハイブリッドモデルを試す。
  • マツダCX-30 25エアエディション(4WD/6AT)【試乗記】 2026.10.23 マツダのコンパクトクロスオーバー「CX-30」に、一部改良で2.5リッターガソリンモデルが登場。新たなパワートレインを得た最新型は、過去のモデルからどのような進化を遂げているのか? 装備全部盛りの最上級グレードで確かめた。
試乗記の記事をもっとみる
ルノー ウインド の中古車webCG中古車検索
関連キーワード
新着記事
新着記事をもっとみる

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。